表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新停止中】アクロス・ザ・ナギノクイント  作者: 亜空間会話(以下略)
2章 みゆきひらひらふるるよる
105/191

105話

 どうぞ。

 お試し程度の攻撃をすべて止められた敵は、今度は刀ではなく双剣あたりのそれらしい特技を放ってきた。燃え盛るオレンジ色のカマが躍り、白銀の輝線と切り結ぶ。


「また双剣の特技も習得しとくかー。ノイスに渡したら強そうだし」

『気前がいいねェ、ぜひ頼むぜ』


 くるりと丸めたムチで〈サーペント・スパイラル〉を放って、機械ワームをきりもみ回転させる――が、もとから地中にいるモンスターだからか、とくに動作が変わることはなかった。


 また飛んでくる魔法を〈調弦の型〉で放つ〈弓張月〉で受けて、相殺ではなく侵攻させる。直接の戦闘能力と砲撃手段まで兼ね備えているとなると、惑星探査ツールというよりも兵器に思えるが……ゲームの都合上、ほとんどのプレイヤーは戦ってばかりなので、俺が言うのも筋違いだろうか。


「ノイス、敵の型番とかって分かるかな?」

『こいつァライヴギアだろ? あっちゃこっちゃのパーツをごちゃ混ぜして再利用してるもんじゃあ……いや』

「どうかした?」

『ぶっ壊してからの話だが、それ以外のデータは読めるかもしれねェぜ』


 それ以外というのが何か分からなかったけど、大詰めに差し掛かっているのは分かる。べんと鳴らして〈啾々たる結び〉で攻撃を止めさせてから、〈ウロボロ・スフィア〉をさらに展開して鈍らせる。


 キリキリと奇妙な音を立てはじめた機械ワームは、前に見た骨の恐竜のように展開するのではなく、装甲の隙間という隙間すべてから光を放ち始めた。


『やべェなあ、こりゃ』

「大丈夫、こうする」


 型を保てるギリギリまで結界テープを使い、機械ワームを真っ赤な球体に閉じ込める。すでに攻撃をやめた敵は、〈サイドワインダー〉で巻き取られて無抵抗で放り投げられ、ころころと砂地で転がったあと大爆発した。


 動きも音もないけど、慎重に近付く。


「反応ある?」

『魔術媒体を全部使って、誘爆で威力を上げたみてェだな。エネルギー系統が死んでるから、理屈の上じゃ動かねェよ』

「ライヴギアの仕組み上でも?」

『脳波制御だっつってんだろ、マイマスター。生体エネルギーを分けて構築、脳波で制御。基本だから覚えといてくれよな、馬鹿は嫌いなんだ』


 そもそも聞いたことがなかったので、「覚えとくね」とうなずく。


『やっぱし型番はバラバラだよなァ……符術の方は燃えちまってて分からんが、機械の方はどれも正規の部品だ。名前は「PL:サンドリーパー」だと』

「え、PL……Nは?」

『ない、な。じゃあこいつは、「パーソナライズド・ライヴギア」……!?』

「やっぱり、操作してる人が――」


 そのとき、鐘が鳴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ