表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新停止中】アクロス・ザ・ナギノクイント  作者: 亜空間会話(以下略)
2章 みゆきひらひらふるるよる
103/191

103話

 アレですね、できる限り徹夜して書いた方がいいな……


 どうぞ。

 シュモクザメ頭の機械ワームは、かなりの速度でノイスと切り結んでいた。プレイヤーでも、こいつとまともに戦える人はそう多くないだろう。NPLはどれもめちゃくちゃ強かったけど、パーティーでも難しそうに思える。


『ははッ、あンときとは逆だなぁマイマスター? いくらでも撃っていいぜェ!』

「わかった、撃ちまくるからね!」


 買い足しておいた紙を使って〈秘奥珠貝〉を作り、ライヴギアも〈三鳥の型〉に切り替え、ありったけの魔法を撃ち出す。いくら相手が固くても、かなりのダメージを稼げるはずだ――と思っていたら、相手も魔法を撃ってきた。


「えっ、なんで!?」

『こいつ、スリットに符を仕込んでやがるぜ! 複合型のライヴギアかもしれねェな?』

「ふ、複合型って……!?」


 装甲の隙間から光が漏れて、曲射した緑色のビームが殺到する。魔法を避けながら、こっちも負けじと撃ちまくる。弾幕が交錯して、不思議に美しかった。


 ライヴギアの種類は、志願者(ソルド)ひとりに対してひとつだけだ。これまで戦ってきたNPLもすべて、カテゴリは決まっていた。どう見ても機械だし、打ち合う音からしても金属同士にしか思えない。ゾードのチェーンソー剣と、俺の「割鉈の型」で打ち合ったときのそれとは、かなり違う……文字通り金属質な、甲高い音だ。


「もう少し様子見よう? もうちょっと限定されてるっぽく思えるんだ」

『様子見も何も、勝つ気だがね。えらく慎重じゃあねェの、らしくないぜマイマスター?』


 バカをやるたびにたしなめられてるなー、と今さら自嘲する。


 ちょっと無茶しすぎて勝てないことも、そこそこの頻度で起きている。でも、慎重になるには早い……ノイスのカタログスペックは、俺をはるかに超えているのだ。


「ごめん、そうだったかも」

『信用してくれよな。前のあんたよりは強いんだぜ』


 ゆらりと揺れるいくつもの刃が、機械ワームの振るうカマを封じている。衝撃波もいくらか発生しているが、ノイスにはそれを殺す余裕さえあるようだった。わずかに光ったカマを、ノイスはすっと避ける。次の瞬間にやってきた緑の曲射ビームは、相殺しきれずにこちらをかすめた。


「今の、〈一刀隼風〉だ」

『機械が居合いなんて覚えてんのか、不思議だねェ』


 発動することで、戦闘中に相手の受ける緑属性ダメージを二割増やす効果がある剣技――志願者(ソルド)星霊(アスト)が同じものとして扱われるのは新発見だけど、相手の正体にさらに近付けたような気がする。


「ライヴギアは……違う、そうだとしても」


 ライヴギアには、スキルはセットできない。


 形に武器としてのカテゴリが設定されているときは、本体もカテゴリに応じた特技が習得できる。だから刀カテゴリだった「割鉈の型」は、〈一刀隼風〉をはじめとした特技をいくつも習得させてくれていた。


「やっぱり、作ってるのかな……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ