ジーダの忠告
「そうだ……私からもひとついいかな?」
ジーダがカルマに声をかける。
「君、ルードミリシオンに入る時、眼帯をつけていなかったね……
その不遇とも取れるその眼を隠すことなく自ら明かす。堂々たるその姿に、私はまだ若い君に感服したよ。
でもね、ここはヘリオサマナに限らず多くの戦士が滞在する国、中には"緋眼"に対して、怒りやトラウマを持つものもいる。
だから、その目を日常的に明かすことは時期尚早なのではないかな?これから少しずつ君の名前を広げていく過程で明かしていくのが私はいいと思うよ。」
「....」
カルマはその言葉を聞いてハッとした。自分のことばかり考え周りの人の気持ちを考えられていなかったと気づく。
「……確かにそうですね。
俺は、この目を隠すことが自分自身を否定することになる…逃げだと思ったんだ。だから明かした。
でも、周りの人のことを考えれてなかったですね。
ジーダさんの言うとおり、少しずつ明かしていきたいと思います。」
ジーダはその言葉を聞いてふっと笑みを浮かべる。
「ああ、君は自分の運命に真っ直ぐ向き合っている。
急がなくても、誰も君を逃げているなんて思わないさ。」
「はい。ありがとうございます…」
その後、3人はジーダの案内で、ヘリオサマナ本部の中にある部屋を一つ借り、休息をとった。
「試験までの3日間どうしますか?」
「うーん。そうだね。この国も見て回りたいし、魔道商店にも行きたいんだよね。」
「それならまた各自行動にしましょうか。」
「そうしようか。」
「カミルは?」
「……ミルズでの戦いで思ったんだ。」
「……?」
「私は弱い。クレディアの助太刀がなければすぐにやられていた。だからこの3日間修行をしてこようと思う。帰らないと思うが気にしないでくれ…」
「あ、うん。わかった。(どうしたんだろ。急に気にして)」
「じゃあ俺も少し特訓してきます。俺だけ試験で認められないのも嫌ですしね。」
「わかった。じゃあ、各自行動ということで。」
「はい!」
______
その後、カルマはルードミリシオンの街に出た。
ジーダに言われたとおり、左目には眼帯をつけている。
ルードミリシオンの街は大都会…と言えるほどではないが、それなりに発展しており、何より人がかなり多いと感じた。道路脇には多くの店舗があり、どの店も繁盛しており街には活気が満ち溢れている。
街には多くの戦士と思われる人たちが歩いている。カルマはこれ程多くの戦士を見たのは初めてだった。
カルマはそんな街並みに目を奪われながらも魔道商店に向かう。
少し歩くと、魔道商店が見えてきた。
カルマはその外観に心が躍った。これまで見てきた魔導商店とは規模が違ったからだ。
中に入ると、ひんやりと涼しく、多くの魔術士達が本を選んだり読んだりしている。
だが、この商店に置いてある魔導書は一般基礎向けの教本が多く、高難度のものや、珍しい魔導書は少ないようだった。
「大きい戦士協会がある街だと、一般基礎魔術の方が需要があるんだなぁ。」
カルマはいくつかの基礎魔術の魔導書を買って、魔導商店を出た。




