到着
カルマ達はベルベスト山脈を下山し、目の前に迫るルードミリシオンに向かって歩いていく。
「ボス、本当に眼帯をつけないまま街へ入りますか?」
「やばいかな?」
「ちょっとした騒ぎになりそうですが…」
「まあでも、なるようになるよ。」
「幸い、ルードミリシオンは入国に審査がない国だそうなので、入れないってことはないでしょうが…」
そんな話をしているうちに、ルードミリシオンの目の前まで来た。
「でかいな..」
「この門をくぐればコロラド連邦領か..」
3人はルードミリシオンへ足を踏み入れる。
ルードミリシオンという国はカストリアやミルズと比べても大きく栄えており、多くの高層の建物に整備された道、そして、戦士や商人が行き交う、活気ある街だった。
3人はルードミリシオンに入り、周りを見渡しながら歩く。
「ヘリオサマナの本部はどこでしょうか?」
「んー、どこだろうね。」
「ひ……緋眼……」
街の住民が1人、カルマの目を見て声を上げる。
すると、活気付いていた街の賑わいはやがてざわめきへと変わり、人々の表情から色が消えていく。
「ボス……」
「いいよ。先を急ごう。」
街の人々は慌てて、逃げるようにカルマ達に道を開ける。
「緋眼の魔人め!我らは中級戦士団ミシェルノケン、私が討伐してやる!」
市民を無視して進もうとするカルマの前にどこから湧いたのか、中級の戦士がカルマに向かって剣を抜き立ちはだかる。
「戦士様だ!」
「緋眼魔人を倒してくれ!」
周囲の市民達もカルマを恐れヤジを投げかけ、その喧騒の裏で、わずかに目を伏せる人や、眉をひそめて距離を取る人もいる
「ごめん…やっぱりややこしいことになっちゃった…」
「どうします?」
「ここであの戦士と戦っても、完全に悪者だよね…」
「私が斬ってやろうか?」
「いや、やめて…それよりここを離れよう。」
「落ち着け!君達!!」
騒ぎとなった街の一角に、それを諭すように叫ぶ声が響く。
(今度は何だ……?)
ある1人の恰幅がよく、体の大きな男が、その場の戦士や市民達に向かって叫んだ。
「私はヘリオサマナ副団長ジーダだ!その者は団長アリディア様の客人。悪き者ではない!皆、落ち着け!」
「ジーダ様…」
「アリディア様の御客人……」
周囲の人達はジーダの言葉にざわつき出す。
「彼はアリディア様とは交流がある。それに、皆も知っているであろう。ミルズ王国で起きた改革の話を、彼らこそミルズ王国を救った、カルマリスタだ!」
「ミルズの悪しき王を失脚させ、王国軍を蹴散らしたというカルマリスタですか?」
「なんと……それは凄い御人だ…それにアリディア様のお知り合い…」
「だが、あの眼は…」
「大丈夫だ。彼らを恐れることはない。このヘリオサマナ副団長ジーダが保証する。」
「ジーダ様がそこまで仰られるなら何も言いますまい。」
「副団長様の保証に文句をつける者などおりません。」
ジーダの登場により、街の人達の反応は大きく変化し、カルマ達に向けられた畏怖の目はジーダへの信頼の眼差しに変わっていた。
「どうなってんだ…?」
「それだけヘリオサマナがこの国で力を持っているってことですよ。」
ジーダがカルマ達の元へ歩み寄ってくる。
「よく来た。団長からは話を聞いているよ。」
「あ、ああ…どうも。助かりました。」
「対したことはしていないさ。さぁ、私について来て。案内しよう。」




