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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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古代の魔獣


 ランダロスは一度、洞穴へ戻り、3m近くある大きなベルベストタイガーを2体連れて戻ってくる。


「でか...」


「我らでお前達を山の向こう側まで送り届けてやろう。」


カルマ達は巨大な三体の魔獣を前に呆気に取られ、呆然と立ち尽くす。

 それは、当然の反応と言える。巨大な魔獣が人の言葉を話し、自分達に協力してくれるというのだ。そうなる事を誰が想像しただろうか。


「では、行くぞ!」


「うわっ!」

 

 ランダロスはカルマを咥え放り投げると、自分の背中に乗せる。


「すげぇ。これでいくの?」


 後ろを振り向くと、ハウロスとカミルもそれぞれベルベストタイガーの背に乗っている。

 カミルは不思議そうにベルベストタイガーの背中を叩いている。

ハウロスは未だ呆気に取られた顔をしている。




「では、行くぞぉ!」


「ガアァ!」「ガフゥ!」


 3人を乗せた三体は勢い良く雪の上を駆け上がっていく。

 頭上に流れる雲を次々に追い越し、深い雪を物ともせず雪山を駆け上がって行く。


「早えぇ。」


「これならすぐに山頂までいけそうですね。」




「なぁ。ランダロス」


「なんだ?」


「言語を話せるのはランドロスだけなの?」


「ああ、人間の言葉を話せるのは我だけだ。」


「ランドロスみたいな魔獣は見たことがないよ。」

 

「我はグランダムができる前から生きている古代の魔獣だからな。」


「え!?魔創神グランがこの大地を平定する前から?」


「そうだ。」


「凄いそんな魔獣がいたなんて……」


そんな話をしているうちに、周りの木々は無くなり、ただただ白銀の雪の斜面と、澄んだ青空だけが視界に残る。



「さぁ、もうすぐ山頂だぞ?」


「え!もう?」


「我らにとってはこの山は庭のようなものだからな。」


 3人と3体はベルベスト山の山頂へ辿りつく。



 カルマ達はそれと同時に目の前に広がる絶景に言葉が出なかった。

 遠くまで広がる大地に地平線。手が届きそうなほどに近い青空。先程まで、頭上に見えていた雲は、気づけば眼下へと移っていた。山の麓には街や森が見えている。

 そのベルベスト山山頂からの景色は、言葉を失うほど雄大で、同時に自分の存在が小さく、そして確かにここにあることを静かに教えてくれた。

 


「あれがコロラド連邦だ。」


ランダロスが示す先には、建物が密集した街が見えている。


「街がちっさい…」


「これは絶景ですね…ボス」


「うん。凄いね。これだけでも来た価値はあっただろ?」


「本当に素晴らしいな。」


 驚く3人に続くように、三体のベルベストタイガー達を遠吠えのようにその景色に向かって吠えている。





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