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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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真の王

「ガーディス!?なぜ奴が国軍兵を薙ぎ倒しておる!?」


「観念しろ、ドルドス。

 ガーディスには真実を話し、ミルズ三傑は崩れた。

 ……もうお前の負けだ。」


「真実だと?何を――」


「久しぶりですなぁ、殿下。」


 低く、枯れた声。


 カルマの背後から現れたのは、闇商人ユバルバだった。


「お前……まだこの街にいたのか!?」


「もう、終わりにしませんか。殿下。」


「何を戯れ言を――」


「あなたに手を貸したこと、わしは後悔しております。

 あの魔導符をどう使うか、わしは聞かなかった。

 ……聞かぬふりをした。」


 ユバルバの目は、静かに濁っている。


「止められなかった責は、わしにもある。」


「黙れ!貴様は国外追放にしたはずだ!

 兵は!?他の兵はまだか!?」


 ドルドスの声に、明らかな焦りが滲む。


 ガーディスはもうすぐそこまで迫っている。


「ドルドス、お前は詰んでいる。」


 カルマが静かに言う。


 その時――


 別の王国軍部隊が到着する。


「はははは!なにが詰みだ!

 貴様こそ終わりだ!」


 ドルドスは安堵の笑みを浮かべる。


「その小僧を捕らえよ!!」


 だが――


 兵は動かない。


「……?どうした?命令だぞ!」


 一人の兵が、静かに前へ出る。


 そして。


 ドルドスに剣を突きつけた。


「何をしている!?貴様ら――」


「その者の言う通りだ。

 お前の暗躍は、ここで終わりだ。」


「……!?」


 兵たちの間を割って、ローブを羽織った男が現れる。


 その隣には、アマンダ。


「グラリス……!!」


 ドルドスの顔から血の気が引く。


「なぜ貴様がここにいる!?」


「別働隊が救い出してくれたのだ。

 王宮が騒ぎになっている隙にな。」


 静かだが、芯のある声。


 それは、かつて王太子と呼ばれた男の声だった。


 ドルドスの視線が揺れる。


「馬鹿な……あり得ん……」


 カルマは、淡く笑う。


「昨日、手を打っておいた。」



***回想(アマンダ視点)***


 カルマに呼び出されたアマンダは人気のない空き地でカルマを待つ。そこに顔を隠したカルマがやってくる。


「どうしたんです?カルマ殿」


「いや、明日の作戦のことなんだけどさ……

俺らの王宮への侵入には"グラリス派"のメンバーは参加しなくていいよ。」


「え!?なぜですか?」


「代わりに行ってもらいたいところがあるんだ。」


「どこですか?」


「ラダの森近くの王国軍の配置場所」


「あそこに?王宮からは随分と離れていますが…」


「うん。うちのカミルはラダの森の地理に詳しいんだけど、王国軍が配置されていたあの場所には昔、石造りの建物があったそうなんだ。昔からミルズ軍の警備があったそうだけど。」


「はぁ。それがどうしたんです?」


「カミルに聞いたんだよ。どんな建物だったか覚えているか?って。

そしたら、全面石造りで窓が少ない箱型の建物で、小さな小窓にも格子がはめられていて、まるで"牢獄"のようだったって…」


「…!!」


「今はその建物はないけど、もしかしたら地下牢でも残っているんじゃないかな?」


「そこにグラリス様がいる…と?」

「うん」


「いや、でもなぜ国外のあんな場所に牢獄が?」


「そこが大事なんだ。ドルドスからすれば、グラリスは元第一王子、しかも国内の人気も高い大人物。

そう簡単に処刑もできないし、正規の牢に入れればグラリス派がなにをするかわからない。

 そんな時、国外に過去の牢獄跡地があったとしたら?」


「確かに、うってつけの場所ですね。」


「うん。そんな場所にあれだけの人数の国軍兵を配備させている…恐らく間違いない。」


「それで私達はどうすれば…」


「グラリス派のみんなは牢獄が見える位置で待機してて。王国軍にバレないでね。俺たちが王宮の攻撃を開始したら国軍兵は必要最低限の人数を残して王宮へ向かうはずだから、そこを狙って。」


「なるほど、わかりました。」


「頼んだよ、アマンダ。」


「必ず、グラリス様を取り戻します。」


 その目には、迷いがなかった。


******


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