合流
「僕は……ゴードン様の夢を守るため、負けられない……!」
グロウスは血に濡れた手で矛を握り直し、ローグベルトへと踏み込む。
「おい!逃げろ!!」
「くそ……体が、動かん……!」
振り上げられる矛。
「間に合わん……!」
――その瞬間。
「魔剣術
炎
抜ノ型
炎閃斬」
閃光のような炎が走る。
「!!!」
カルマの抜刀が、矛を横から弾き飛ばした。
グロウスの手を離れた矛は壁を裂き、床へと突き刺さる。
「安心しろ。」
静かな声。
「お前と、お前の主の夢は――俺たちが守ってやる。」
「……なに……?」
直後。
ドン、と鈍い衝撃。
ダースの蹴りが、グロウスの腹を打ち抜く。
「ぐ……っ!」
グロウスはそのまま崩れ落ちた。
「団長……」
「お前……蹴りって、土がないと本当に使えないんだな。」
「うるせぇよ!助けてもらったことには感謝してるがな!」
「ボス!」
「ハウロス、大丈夫か?」
「はい……なんとか。状況は?」
「悪いが時間がない。国軍兵が下の階まで迫ってる。」
「カミルは……?」
「あそこだ。」
カルマの指差す先。
壁にもたれ、意識を失っているカミルとクレディア。
「命に別状はない。だが戦える状態じゃない。」
「……よかった。」
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〈少し前〉
カルマとダースは、国軍兵の足止めをガーディスに任せ、室内庭園を抜ける。
辿り着いた一室。
「なんだ……ここは。」
扉の向こうは、異様だった。
無数の刀が床も壁も埋め尽くしている。
「全部……刀か?」
「進める隙間がある。行くぞ。」
二人は刃と刃のわずかな間を縫い、奥へ進む。
やがて中央付近に、空白地帯が現れる。
「キューー!」
「メラ!?」
カミルの召喚魔獣が駆け寄る。
「カミルがいるのか?」
メラは振り返りながら先導する。
部屋の隅。
血に染まりながら壁にもたれるカミルと、倒れたクレディア。
「カミル!!」
「……メラ……連れてきたのか……」
「大丈夫か!」
「なんとか……だが、もう戦えん……」
全身に走る無数の傷。
クレディアも重傷だが、呼吸は安定している。
「あれが……」
カルマの視線の先。
倒れているラミ。
「ミルズ三傑のラミだ。魔力暴走で刀が無限に増殖した……この有様だ。」
「よく止めたな。」
「部屋が埋まる前に、意識を奪った……それだけだ……」
「時間がない。背に乗れ。」
「……すまん。少し……寝る。」
ダースもクレディアを背負う。
「奥に階段がある。三階へ向かうぞ。」
こうしてカルマたちは三階へ。
そして――
ハウロスとの合流を果たした。
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