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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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75.弓と杖

 カミルはミルズ三傑のラミと向かい合う。

既にカミルの体は傷だらけで満身創痍である。


 (この子…人並外れた反応速度で一向に捕まえられない。)

 

だが、カミルもラミを相手に攻撃を与えられずにいた。

「くそ……うつ手がないな。」


 その時だった。ラミに向かって大きな炎の球が向かう。

火炎爆発(ラルスパーク)


 ラミは増殖した刀で炎の玉を打ち消す。


 クレディアが空に浮き、ラミに向かって杖を構えている。

「何者……?」


「あなたがあのカルマって子の仲間ね。加勢するわ。」

 

「君は確か…カルマにやられて伸びていた…」

「うるさいわね!あの時はちょっと油断しただけよ。」


「だが、どういうことだ?話を聞く限り、君達は王国側のはずだが…」

「団長の命令だから仕方ないでしょう?」


「お互い困ったボスを持ったと言う事だな。」

 カミルはクレディアと共にラミに向かって構える。


「何人集まろうと、私には勝てないわよ。」

 ラミは刀を増殖させながらカミルとクレディアに襲いかかる。


「なんなのよ、これ!

  氷の大壁(レアルウォリア)

クレディアは大きな氷の盾を出し、ラミの攻撃を防ぐ。


 カミルはその隙をついて、ラミの近くまで刀を掻い潜り近づいていた。

「手数が分散したおかげで楽になったな。」

「くっ……」


 カミルは至近距離で2本の矢を放つ。

カミルの弓を引く、素早い動作よりも早く、ラミは自身の刀の刀身を伸ばし、自分の体をぐるぐると巻いていきラミを完全に覆う。


 カミルの矢はすっぽりと覆われた刀身にはじかれる。

「そんなこともできるのか……」


「離れな!」

 クレディアは上空から防御体制のラミに向かって杖を構えている。


熱風ヒート

 クレディアはラミに向かって灼熱の熱風を放つ。


「くそっ!」

 ラミは刀を元の形に戻し、熱風の中から堪らず飛び出す。

そこを予想していたカミルが双刃弓を回転させながら攻撃する。


 ラミとカミルの接近戦での剣の撃ち合いが繰り広げられる。

 

「大地の突棘(アーススパイク)

 ラミがバックステップで一歩距離を置いたところを狙い、クレディアの土魔術が地面から突き出し、ラミの体を傷つける。

「ぐ……」


 (相性の悪い魔術士の方から倒さなければ……)

ラミは度々クレディアを狙い、攻撃を行おうとするが、カミルの素早い近接攻撃が、それを阻んだ。


徐々にクレディアの魔術とカミルの攻撃がラミを追い詰める。

「あなた達侵略者に私は屈しない!」

 

「私たちは侵略者などではない!君は感じないのかこの国の"違和感"に、私たちはそれを正しに来たのだ!」


「……!」

 ラミはカミルの言葉にハッとした。

 この国の違和感…ラミは過去にガーディスと話した内容を思い出した。

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