74.筆頭剣士の謀反
「ユバルバはその後、ありもしない罪を着せられ処刑されそうになったところを王宮から逃げ出した。
ドルドスが真実を知るユバルバを消そうとしたんだ。」
「……」
「ガーディス、最後に一つ聞きたい、
先王ゴードンの死、それは自然なものだったのか?」
「!?……まさか…」
「ユバルバが魔導符を作らされたのは先王ゴードンの死より前だ… 」
ガーディスは拳を握り締め、その顔には激しい怒りの表情が表れている。
「カルマ!外に兵が!」
ダースがゆっくり起き上がると焦った表情でカルマを呼ぶ。
その瞬間、扉を開ける音ともに剣を持った兵が多数、室内庭園に入ってくる。
「王国軍か……!」
すると、ガーディスは剣を抜き王国軍を前に立ちはだかるように足を止める。
「……?」
「なにしてるんだ。おまえ?」
「お前達、先へ進め。」
「……!!」
「何を言ってるんだ?」
ガーディスは剣を抜くと王国軍に向けて剣を向ける。
王国軍も仲間であるはずのガーディスが、自分たちに剣を向けていることに驚いている。
「こいつらの相手は私がする。」
「お前裏切る気か!?」
「この数200人は来てるぞ?」
「カルマ…と言ったな。お前が言った事になぜかしっくり来てしまった。
私はゴードン様に絶対の忠誠を誓っていた。ゴードン様が決めた後継ならその方にお仕えする事に何の異論もなかった。
だが、心のどこかで思っていたんだ。なんでこの男なんだと…
カルマ、ダース、頼む。この国を救ってくれ」
「だけど……」
「いけぇぇぇぇぇ!!!」
ガーディはカルマ達に向けて叫びを上げると同時に剣を持って兵士の群れに向かって突撃していく。
「行くぞ!カルマ!」
「ああ!」
カルマとダースは傷ついた体を引きずりながら、室内庭園を後にする。




