72.連携
「大地操制……」
ダースがガーディスに手を向けると、ガーディスの足元の土が盛り上がり足を固定する。
「よし!」
「魔剣フリージア」
それを見たカルマは剣に冷気を纏わせ、ガーディスに向かって剣を振るう。
しかし、ガーディスは近くの剣に瞬間移動し、避ける。
「ダメだ!こいつは3本の剣の場所に瞬間移動することができる!」
「そんなのありかよ…」
「それなら物量勝負だ!」
ダースは大量の土や石などをガーディスに向かわせる。
カルマもガーディスに向かって手を向ける。
「火炎爆発」
大量の土と、カルマの魔術がガーディスを襲う。
すると、ガーディスは3本の剣を無造作に投げる。
「天旋剣!」
ガーディスは瞬間移動と高速移動を続け、高速の斬撃がダースとカルマの攻撃を切り裂いていく。
気づけばガーディスはダースの背後を取り、剣を振り上げている。
「はや…っすぎるだろ!」
しかしそこにカルマが現れ、氷の剣をガーディスに向かって振る。
ガーディスもそれに気付き、回避する。
「くそ!」
「悪いな。助かった。」
ガーディスはカルマを観察する。
(あの子は、私の動きに慣れてきているな……。)
「ダース、ちょっといいか?」
カルマはダースに何かを伝える。
それを聞いたのち、ダースは大地を操り、大量の鋭利な土の弾丸を作ると、それらをガーディスに向けて放っていく。
「あくまで長距離戦に持ち込むか…
だが、そんなものはこの私には通用しない。」
ガーディスはダースの魔術を斬り落としながら前進してくる。
「これならどうだ!」
さらに大量の土を集め、濁流のようにガーディスに向かって放つ。
ガーディスは地面蹴ると、一点突破で濁流を貫き、一気にダースの元へ距離を詰める。
「……!?」
ガーディスはダースを目の前にして気づく、自身の半身が凍りついていることを……
ガーディスはダースの奥でカルマが腰に納めた剣を握りながら、強烈な冷気を放っていることに気づく。
「魔剣術 構 滴水成氷」
カルマの冷気にダースの下半身も凍りついている。
「味方も巻き添えに...」
ガーディスは足が凍りつき動かなくなっていることを危惧し、瞬間移動をするため自分の剣の位置を確認する。
「そうくるよなぁ」
ガーディスが振り返ると、剣が見当たらない。
ダースが土を操り、ガーディスが残した2本の剣を埋めてしまったのだ。
(こいつら、ここにきて連携を…)
カルマがガーディスへ距離を詰める。
「魔剣フリージア 抜 氷柱烈閃」
カルマの抜刀術がガーディスの腹部を直撃する。
それと同時に氷の柱が放たれ、ガーディスを襲う。
ガーディスは後方へ倒れ込む。
「よし!いいぞ!」
「いや、待って…」
「……?」
「手応えがあまり…なかった。」




