71.共闘
「今のは悪くなかったぞ」
「……!?」
カルマが振り返ると、そこには頬に傷がつき血を流しているガーディスが落ちた剣を握っている。
どうやら、攻撃が当たる瞬間に近くに落ちていた剣に飛んで回避したようだ。
「……っくそ!」
カルマはその場に膝をつく。
「これで終わりだ。」
ガーディスはカルマに前に立つと剣を振り上げる。
その瞬間、大きく開けた窓を破り岩石が庭園内に入ってくる。
「!?」「なんだ?」
「よう。随分と楽しそうじゃねぇか。」
そこには庭園内に転がった岩石の上に立ち上がるエクスプロドのダースの姿。
ダースはカルマに近づき手を差し伸べる。
「どういう風の吹き回しだ?」
「いやぁ、行き違いがあったみたいでな。
こいつら、ミルズからの依頼内容は"家出した王族の子の確保・保護し、王宮へ連れ戻すこと"だったんだが、随分と話が違うみてーじゃねえか。
だから俺も腹が立ってんのよ。」
カルマはダースの手を取り立ち上がる。
「まぁ、そんなことはいい。こいつあれだろ?
ミルズ三傑の筆頭剣士ガーディス……よくお前一人で挑んだな。」
「逃げるわけないだろ…俺はいずれこいつより強い戦士になるんだ。」
「同感だ。だが、まだ死ぬわけにはいかねぇ、今は共闘してこいつを倒す。」
「助太刀か…何人いようが私の敵ではない。」
「随分な自信だなぁ?」
「でもダース、君、室内じゃあ無能だろ?大丈夫なのか?」
「無能いうなよ。まぁこの部屋は土もかなり盛られてるし問題ねぇな。」
「行くぞ!」
カルマとダースはそれぞれ、ガーディスに向かって距離を詰める。
ガーディスは相手が2人になったことで少し警戒をしている。




