カルマvsガーディス
「ふっ、戦士とは本当に馬鹿な生き物だ。」
「なんだと?」
「私は戦士を辞めた身だからこそわかる。
依頼主を変え、主人を変え、都合よく正義を掲げて暴れる理由を探す。
そんな連中を嫌というほど見てきた。……だから辞めたのだ。
お前も同じだ。子供のためなどと、それらしい理由を並べているだけに過ぎない。」
「それは違う。」
「……?」
「確かに、お前が見てきた戦士も“戦士”の一つなのかもしれない。
でも、俺が知っている戦士は違う。
信念や目的のために、自分が傷つくとわかっていても人を守る。
それが戦士だ。」
「理想論だ。現実を知らぬ子供の戯言だ。」
「違う!」
カルマの声が庭園に響く。
「剛剣士ダグラスは魔人軍から人々を守るために世界を駆けた。
狂戦士フィルスは強大な魔人に一人で立ち向かい、他の戦士や兵を退かせた。
お前こそ、自分の見た世界だけが全てだと決めつけるな!」
「……まあいい。」
ガーディスは静かに剣を抜く。
「お前を倒し、世の厳しさを教えてやろう。」
両手に剣を構えるガーディス。
カルマも炎を灯した剣を構え、同時に踏み込む。
中央で刃がぶつかる。
だが、二刀を操るガーディスの連撃は淀みがない。
流れるような斬撃が次々と繰り出され、手数で圧倒される。
「っくそ!」
押し込まれるカルマ。
ガーディスは一本を地面に突き刺し、もう一本で間合いを詰める。
カルマは迎え撃つ。
「魔剣術
炎抜ノ型
炎閃斬」
炎の半円が庭園を裂く。
――だが。
そこにガーディスの姿はない。
地面に刺した剣の位置へ瞬時に移動していた。
「くそ、そんなんありかよ。」
隙を晒したカルマへ、連撃が降り注ぐ。
「ぐあっ!」
身体に浅く深く、幾筋もの傷が走る。
「まだ……だ!」
血を流しながらも、剣を構え直す。
「温存は無しだ……!」
一直線に踏み込む。
「魔剣術
炎 突ノ型
灼螺旋突」
剣から噴き出した炎が渦を巻く。
カルマ自身を包み込み、巨大な火炎の螺旋となって突き進む。
ガーディスは無造作に三本の剣を空へ放った。
次の瞬間、姿が消える。
頭上。
宙に浮いた剣の位置に現れたガーディスが、超高速で斬撃を浴びせる。
「天旋剣」
「がっ……!(速さが段違いだ……)」
背を裂かれながらも、カルマは空中の剣の配置を見る。
ガーディスが次の剣へと移動し、とどめを振り下ろす――
「!?」
振り下ろされた刃を、カルマが素手で掴む。
掌から血が滴る。
「姿が追えなくても……移動先がわかれば予測はできる。」
歯を食いしばり、もう片方の手で剣を振り上げる。
「魔剣術
炎 下ノ型
地砕炎剣」
炎を纏った刃が、大地を叩き割るように振り下ろされる。
轟音。
庭園の地面が、炎とともに爆ぜた。




