67.ミルズ三傑
カルマは2階へと続く階段の兵を蹴散らしたあと、火炎爆発で扉を打ち破る。
「よし、囮役は十分果たした。俺も上の階を目指すぞ。」
カルマは向かってくる衛兵を魔剣で薙ぎ倒しながら2階を探索する。
2階に上がってから衛兵の数がかなり減った。やはり2階からは一般兵はいないのだろう。
だが、急がなくてはならない。軍が動きだし、包囲されればカルマ達はひとたまりもないのだ。
廊下を少し進むと、巨大な扉がある。
「これは..何の部屋だ?」
カルマが恐る恐る扉を開けると、そこには室内とは思えない光景が広がっていた。
部屋全体が屋外のように草木が生い茂り、鳥が飛んでいるのだ。
「これが宮内庭園……」
ボルドーから話は聞いていた。そういった場所があると、だが、これほどのものとは思っていなかった。
その庭園だけ天井もやけに高く、陽が差し込んでおり、地面には土が敷き詰められ、まるで屋外を歩いているような気分になった。
「すごいな..」
「ようやく来たか…」
「!?」
カルマの歩く先に人の姿がある。
それは長い剣を3本背中に差した長身の男で、
カルマは只者ではない雰囲気を感じ取る。
「誰だ!」
「私はミルズ三傑、剣士ガーディス」
「……!?」
カルマはその時理解した。嵌められたのだ。
事前の情報では起こり得ない脅威が目の前にある。
(だとしたら、ハウロスとカミルも危ない……)
その頃、ハウロスとカミルは3階への階段を見つける。
「よし見つけたぞ。」
「順調…すぎる気もするな。」
「ボスの囮が効いてるってことだろ?」
「ふふ、見つけた。入り込んだ鼠が2匹と小鼠が1匹。」
「!?」
ハウロスとカミルが話をしていると、
背後から細長く歪に曲がった刀を持った女が歩いてくる。
「何者だ!」
「それは本来こっちのセリフなんだけどねぇ」
「ハウロス!こいつ普通の兵じゃないぞ。」
「ああ。」
ハウロスとカミルはその女に身構える。
「そうね。普通の兵士とは一緒にしてもらいたくないわね。私はミルズ三傑 無限刀のラミよ。」
「!?」
「なんでこんなとこにいんだよ」
「さぁ、なんでかしらね。」




