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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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天級に匹敵する力


 ラミはカミル達に向かって、歪な刀を振る。


 すると、刀身がぐにゃりと伸び、鞭のようにしなる。


 一直線にカミルへ。


 カミルは反射的に双刃弓を構え、その刃で受け止める。


 金属が軋む。


「ハウロス! バランを連れて先に行け!」


「……! ミルズ三傑だぞ! お前一人じゃ無理だ!」


「今回の任務はバランを四階まで連れていくことだ!

 それに……どちらにしても三人来ているはずだ。」


「……!」


 ハウロスは歯を食いしばる。


 嵌められたのは明白だ。


 ならば――各個撃破しかない。


「……わかった。気をつけろよ。」


「そう簡単に行かせると思って?」


 ラミは刀を翻し、ハウロスとバランへ向ける。


 その瞬間。


 カミルの矢が、連続してラミの死角を射抜く。


「……!」


 ラミは身をひねってかわす。


「何をしている。君の相手は私だ。」


 その一瞬の隙で、ハウロス達は階段を駆け上がった。


 足音が遠ざかる。


 廊下に残ったのは、二人だけ。



「まぁいいわ。あなたたちの作戦に乗ってあげる。」


 ラミは愉しそうに笑う。


「でもね、あなたを殺すことなんてすぐよ。

時間稼ぎにもならない。後悔なさい。」


 刀を構える。


 その刀身が――二又に裂ける。


「……!?」


 二本に増えた刃が同時に伸びる。


 カミルは双刃弓で受け流し、後方へ跳ぶ。


(今の攻撃……)


「なるほど。刀身を操る応徳の技か。ハウロスの魔鋼に似ているな。」


「あら。似たような術を見たことがあるのね。

それなら、初見で二度防いだのも納得だわ。」


「私をあの程度で仕留められると思っているなら、

三傑とやらも大したことはないな。」


 ラミの笑みが深まる。


「言ってくれるわね。なら――手加減は終わり。」


 刀身が震える。


 一本が二本に。


 二本が四本に。


 四本が八本に。


 まるで生き物のように、刃が枝分かれしていく。


「言っておくけど……私の応徳剣術は“形状変化”じゃないわ。」


 刃が空間を埋め尽くす。


「私の力は――“増殖”。」


 一斉に振り下ろされる無数の刃。


(この数……!)


 カミルは弓を回転させ、必死に防ぐ。


 だが、防ぎきれない。


 刃が肩を裂き、脇腹を掠め、脚を穿つ。


 増殖した刀身が、ついにカミルの姿を覆い隠す。


 金属音と肉を裂く音が交錯する。


「ふふ……終わりね。」


 ラミが刃を収束させる。


 床には、血を流し倒れ伏すカミル。


 双刃弓が、かすかに軋む。


「これがミルズ三傑の力。」


 ラミは静かに歩み寄る。


「あなたは仲間を捨てて逃げるべきだったのよ。」


 その時――


 床に落ちた血が、じわりと揺れた。


 カミルの指が、わずかに動く。


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