表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
6/144

黒ローブの魔術士

 カルマは腕で顔を覆い、地に伏せる。

 痛みより、胸の奥が焼けるようだった。


 腕の隙間から見えた。

 人々の後ろで、あの少年たちが笑っている。


 その瞬間、カルマは初めて思った。


 ——どうして、こんな目に生まれたんだ。



 音が、消えた。


 石の落ちる音も、罵声も。

 世界そのものが息を止めたようだった。


 カルマが顔を上げる。


 いつの間にか、目の前に一人の女が立っていた。


 黒いローブ。細い杖。

 だが、その姿より先に理解してしまう。


 ——この人は、違う。


「少し眠れ」


 小さな声。

 それだけで、空気が従った。


 杖が地面に触れた瞬間。


 波紋。


 見えない何かが広がり、世界が沈む。

 人々が糸の切れた人形のように崩れ落ちた。



「な……にを……」


「安心せよ。命までは奪っておらん」


 女は振り返らない。

 20代半ば〜30歳くらいに見える見た目の女は、その見た目に似合わず老人言葉を話す。



 カルマはようやく立ち上がる。


「どうして……」


 女の足が止まる。


 わずかな沈黙。


「……泣いておったからじゃ」


 その一言に、言葉が止まる。




 女は倒れた少年たちに近づく。


 杖が淡く光る。

 だがそれは光というより、現実の綻びのようだった。


 何かが“書き換わる”。

 そうとしか言えない感覚だけがあった。


「…これでええじゃろう。」


「何をしたの?」


「なに。大したことはしていない。ただ、おぬしの目のこと、彼らが目覚めた時には覚えておらんじゃろうな。」


「なっ...」


 女はそれ以上は語ることはなかった。



「お主が、カルマ・ミラ・ファーランじゃな?」


「なんで僕の名を...」


 女が近づく。

 視線が、すべてを見透かすようだった。


「わしはアリディア」


 名だけが落ちる。


「コロラド連邦、ルードミリシオンを拠点にしておる。何か困ったことがあれば、訪ねよ」


 女は歩き出す。


「強くなれ、運命の子よ」


 意味は分からない。

 だが、その言葉だけが胸に残った。


〈頭の中の整理用 メモ〉

アリディア= カルマを救ってくれた魔術士

普段は"ルードミリシオン"という街に住んでいるという。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
xからきました。 緋眼、運命の子、謎の魔術を駆使するアリディア。 ワクワクを揃えていますね! 今後に期待です!
「運命の子」これから何が起きるんでしょうか?アリディア曰く辛く自分卑下するような事が起こるとの事で怖いですが……いかにも主人公らしい設定にワクワクします。カルマならやれる!時間が空いたらまたお邪魔しま…
あー、きました! 『運命の子よ』って、間違いないほどに気になって仕方ないやつです! 謎めいたアリディアも何者か気になります。 気になることだらけでワクワクが止まりません! 〈頭の中の整理用 メモ〉も読…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ