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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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カルマリスタ始動

 作戦決行の前日――

 カルマはフードを深く被り、顔を隠して街へ出た。


 人通りの少ない路地を抜け、人気のない空き地へ出ると、すでにアマンダが立っていた。


「カルマ殿、どうしたのです?」


 呼び出された理由を察しているのか、その表情は硬い。


「明日の作戦なんだけど……」


 カルマは周囲を確認してから、声を落とす。


「ひとつ、追加で頼みたいことがある。」


 そして――

 アマンダに“ある作戦”を伝えた。


 彼女の目が、わずかに見開かれる。


「……本気ですか?」


「うん。これが一番、確実だと思う。」


 短い沈黙のあと、アマンダは静かに頷いた。


「……承知しました。」



― 作戦決行当日 ―


 カルマは一人、王宮の階段前に立っていた。


 空は晴れている。

 やけに静かだ。


「よし……」


 胸の奥で鼓動が強く打つ。


「派手にいくか。ここから始まる、俺たちの初任務だ。」


 階段を駆け上がる。


「あ、こいつ何日か前の!」


「止まれ!」


 衛兵が気づき、怒号が飛ぶ。


 だがカルマは振り返らない。


(囮は目立ってなんぼだろ)


 ハウロスもカミルもいない。

 ここにいるのは、自分ひとり。


 王宮の大扉が迫る。


 待機していた二人の衛兵を一瞬で気絶させ、カルマは右手を扉へ向けた。


 魔力を集中させる。


 掌が熱を帯びる。


「中級魔術――火炎爆発(ラルスパーク)


 炎の球が生まれる。


 回転しながら膨れ上がり、一直線に扉へ。


 接触の瞬間――爆発。


 轟音とともに大扉が吹き飛び、破片が舞う。


「よし、うまくいった!」


 ユバルバの商店で手に入れた魔導書。

 あれは当たりだった。


 崩れた扉を踏み越え、王宮内へ侵入する。


 広いロビー。

 豪奢な装飾。

 そして――混乱。


「襲撃だー!」


「何者だ!!」


 貴族たちが悲鳴をあげ、奥の扉へ逃げていく。


 同時に、衛兵が一斉に取り囲む。


 剣が抜かれる音。


「カルマリスタの初任務だ。」


 カルマは剣を抜く。

 刀身に炎を灯す。


「悪いけど、邪魔はさせないよ!」


 地面を蹴る。



***


― 作戦会議(回想) ―


「王宮の入口は東と西の二つか?」


「基本はそうだ。だが実際にはもう一つある。」


「どこ?」


「北側、炊事場の裏だ。勝手口がある。」


「じゃあそこから――」


「普通に行けば見つかる。」


「普通に行けば?」


 ハウロスがカルマを見る。


「ああ。だから一人が正面から堂々と侵入する。」


「囮か。」


「なるべくド派手に。」


「じゃあ俺がやるよ。」


「え!? いや、ボスはダメです!」


「なんで? 俺の魔術、派手だろ?」


「危険です!」


「危険なのはどこから入っても同じだよ。」


 カルマは穏やかに笑う。


「だったら一番効果的な場所に、俺が行く。」


 沈黙。


 ハウロスは拳を握り、悔しそうに俯いた。


「……必ず、生きて戻ってきてください。」


「ああ、もちろん。」



***回想終了***



 ロビーは戦場と化していた。


「止めろー!」


 衛兵が一斉に襲いかかる。


 カルマは剣を振るい、魔術を放つ。


 炎が弧を描き、床を焦がし、衛兵を吹き飛ばす。


 数が違う。


 だが――


(集まれ、もっと集まれ)


 これでいい。


 これが役目だ。


 カルマは二階へ続く階段を見上げる。


 その先、扉の前には複数の衛兵。


「二階には絶対に行かせるな!」


 叫び声が響く。


 カルマは息を整え、剣を握り直す。


(ハウロス、カミル……今のうちだ)


 炎が、さらに強く燃え上がった

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