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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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作戦会議


「それで、ミルズ兵の残っている勢力は?」


「残りの勢力については、私の方で説明します。」


 アマンダは懐から折り畳まれた紙を取り出し、静かに広げた。そこにはミルズ王国全域の地図が描かれている。


「まず王宮ですが、王族を守るため多くの衛兵が配置されています。ただし、その大半は一階のみ。二階以上は王族と許可された者しか入れない区画です。ですから、一階を突破できれば内部の戦力は大きく減ります。」


「なんだ、意外と簡単そうじゃん。」


 カミルが肩をすくめる。


「ええ。ですが問題は“帰り”です。」


「帰り?」


「王宮内の衛兵は最低限。主力は兵舎や街の外に待機している王国軍です。彼らが到着すれば、包囲されるでしょう。」


「時間との勝負か……」


「王国軍はどこに待機しているんだ?」


 アマンダは地図の数か所を指し示す。


「大きく三か所です。一つ目は王宮近くの兵舎。距離は近いですが、通常は休息中で武装は解除されています。動員には多少時間がかかるはずです。」


「二つ目は南側の正門付近。ここには常時武装した兵が駐屯しています。ただ、王宮は北端にありますので、到達までには距離があります。」


 そしてアマンダは、地図の端――ラダの森との国境付近に付けられた印に触れた。


「三つ目がここ。理由は不明ですが、常に国軍兵が配置されています。王宮からは最も遠い位置にあるため、直接的な脅威は低いと考えられますが……」


「……。」


 カルマはその印をしばらく見つめ続ける。


 森。

 理由不明の駐屯。


(何かを守っているのか……それとも、隠している?)


「どうしたの、カルマ?」


「いや……少し気になっただけ。」


 その後も会議は続いた。侵入経路、王宮内部の構造、撤退ルート。

 そして五日後――決行することが決まった。


 その日はそこで解散となる。



 部屋へ戻ると、カルマたちはバランに作戦の概要を伝えた。


 バランは一瞬言葉を失い、それからゆっくりと頷く。


「バラン、大丈夫だ。俺たちに任せろ。」


「ボス、俺たちの初任務ですね。」


「任務?」


「一国家への反乱なんて……俺たちが戦士だからやるんですよね?」


 その言葉に、カルマははっとする。


 一国家への反乱。


 前の人生では、そんな大それたことを考えたこともなかった。

 ただ流されて、生きて、迷惑ばかりかけて――。


 だからこそ。


 今度は違う。

 見返りがなくてもいい。

 誰かのために、自分の意志で動く。


 それが戦士なら。


「……ここからだな。」


「え?」


「ここから始める。俺の人生。」


 小さく息を吐く。


「人生、リスタートだ。」


「リスタ……ってどういう意味ですか?」


「あー……再始動とか、もう一回始めるってこと。」


「いいですね、それ!」


「え?」


「戦士団の名前ですよ!」


「それがどうしたの……?」


「カルマリスタ、なんてどうですか?」


「えぇぇ……俺まだ戦士にも慣れてないんだけど。」


「非公認でいいじゃないですか。それに、団長の名前を入れるのはよくある話です。」


「カルマリスタ。悪くないと思うぞ、カルマ。」


「んー……まあ、名前で何かが変わるわけじゃないけど……」


「じゃあ決まりですね!カルマリスタの初任務、必ず成功させましょう!」


 ハウロスは拳を握りしめる。


 小さな戦士団。

 けれど、確かに動き始めた。



 それから数日間、各自は準備に時間を使った。


 カルマとハウロスは王宮周辺の偵察と魔術の調整。

 侵入経路の再確認、魔力消費の試算。


 カミルは街を歩き回り、時折火の魔獣を召喚して散歩させていた。


 その魔獣には「メラ」という名が付けられた。


 どうやらすっかり気に入ったらしい。


 少なくとも、しばらくは魔力暴走の心配はなさそうだった。


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