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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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元兵士ボルドー

 ハウロスは宿へ着くと、神妙な面持ちで口を開いた。


「以前この国に来た時、ボルドーという男と知り合いました。元ミルズ国軍兵です」


「元兵士?」


「はい。軍を辞めた理由が、現王ドルドスとの軋轢だったと聞きました。もしかすれば協力を得られるのではと思い、先ほど会いに行ったのです」


「それで?」


「……全面協力する、と。ただし仲間を連れて明日もう一度来い、と」


 部屋に沈黙が落ちる。


「信用できるのか?」カミルが問う。


「正直、わからない。一度会ったきりだし。」


....


「すみませんボス。話を持ってきておいて……」


「いや、十分だよ」

 カルマは即答する。


「情報があるだけでもありがたい。行こう、その男のところへ」


「大丈夫か?」


「うん。会って、話を聞いて、それから判断すればいい」


「……なるほどな」


「では、明日案内します」



 次の日、カルマ達はハウロスの案内でボルドーの元へ向かった。

その中にはアマンダの姿もある。王宮内部の事情を知る者として、カルマが同席を求めたのだ


 辿り着いたのは、札に“close”と掛けられた酒屋だった。


 中へ入ると、無精髭を生やした大柄な中年男が一人、酒をあおっている。


「連れてきたぞ、ボルドー」


「あぁ……お前らか。よく来たな」


 低く太い声。


「話は聞いている。知っていることを教えてくれ」


「まぁ座れ」


 ボルドーは酒瓶を置き、腕を組む。


「お前達のような者が現れるとは思っていた。俺もドルドスとは馬が合わず、公職を辞した身だ」


「それなのに、二年も反乱が起きていない理由は?」


 カルマの問いに、ボルドーは口端を上げた。


「わかるか?」


「三傑……ですか?」


 アマンダが答える。


「ほう。あんた、王宮関係者か?」


「元第一王子グラリス様の秘書官です」


「はっ……そりゃあ厄介な立場だ」


 ボルドーは続ける。


「ミルズは軍事大国じゃない。兵の数も多くはない。だが――戦争でも内乱でも、負けたことがない」


「理由は?」


「ミルズ三傑だ」


 空気が変わる。


「筆頭剣士ガーディス。無限刀のラミ。矛使いグロウス。三名とも戦士ではないが、実力は戦士で言うところの天級相当」


「天級……」


「特にガーディスは実際に元天級の剣士。その中でも上位に並ぶと言われている」


 天級の中でも上位。

 それはこの世界でも頂点に近い存在だ。


 名だたる強者たちの名が挙がる。

 雷剣士ガルム、天才術士アリディア、剛剣士ダグラス、英雄レイン、氷結魔剣士ルドロス。


「その連中に迫る実力……ってことか」


「そうだ。だから正面からでは誰も動けなかった」


 カルマは小さく息を吐く。


「じゃあ、無理なんじゃ……」


「そこでだ」


 ボルドーの目が鋭く光る。


「五日後、隣国バルディッシュで年に一度の貴賓会が開かれる。東側諸国の大貴族が集う場だ」


「……」


「例年、三傑は護衛として派遣されるため、王都を離れる」


 沈黙。


「五日後……」


「その情報は確実か?」


「信じるかはお前ら次第だ。だが事実だ。元秘書官殿、例年の派遣は?」


「……事実です。毎年、護衛のため三傑は国を出ます」


「そういうことだ」

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