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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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カミルの魔術


 翌朝、カルマはカミルに顔を小突かれて起きる。


「おい。起きろカルマ」


「……早いね。」


「当たり前だ。狩人の朝は早い。魔術の練習をするんだろう?いいから早く起きろ。」

 

カルマは目を細めながらカミルの顔を見る。


「……きみ、一応従者なんだよね。」


カルマが怪訝な顔をしながら問いかける。

 

「なんだ。主の自覚がようやく出てきたのか。」


「従者の自覚も持ってほしいものだよ……。」


 

 カルマは起き上がり顔を洗うと、昨日の魔導書を広げ始める。


「カミル、一応お勧めの魔術を4つピックアップしたから、その中から君が選んでくれ。」


「わかった。」


「一応言っておくけど、目的は君の多量な魔力を消費することだけど、できれば戦いの中で実用できるものの方がいいと思うから。」


「私は魔術を使いながら戦うなど、器用なことはできないぞ?」


「簡単な物を選んだから、将来的に実用できれば程度で思ってくれればいいよ。」


「了解した。」


「うん。じゃあ一つ目は〈攻撃系 基礎魔術〉だ。」

 カルマは一つの本を掲げながら魔術の種類を伝える。


「これを選んだ理由は一つ、僕が直接教えることができるから。」


「うむ。なるほど。」


「二つ目、〈強化系 基礎魔術〉


 これは単純に君の戦闘スタイルに合っているから。それに魔力量が多い人と強化系魔術は相性がいい。

 問題はコントロールが必要になるから扱えるかどうかだね。」


「……。」


 カミルは眉を顰めながら聴いている。


「三つ目〈防御系 基礎魔術〉

 個人的にはこれが一番おすすめかな。そんなに難しくない魔術だし。汎用性も高い。

 回復魔術や結界術は専門性が高いからね。防御魔法くらいがいいよ。」


「ふむ。最後は?」


「んー最後は一応入れておいた程度だけど、〈召喚術〉」

「それこそ専門性が高くないか?」


「まぁ、そんなんだけどね。召喚術は少し意味合いが違うんだ。」


「意味合い?」


「召喚術は魔力コントロールも技術もいらない。発動方法は最も簡単なんだ。」


「何か問題があるのか?」

 

「召喚するためには魔獣と契約する必要がある。これが一番問題。」


「なるほど。」


「しかも魔獣が契約に合意の意思を示す必要があるから。何らかしらの方法で服従させるしかない。」


「なるほどな。契約してしまえば発動するのは簡単だが、その契約が困難と…」


「まぁ。まず、魔獣は人を見たら襲ってくるしね。それに、契約の合意の意思を見せるほど知性のある魔獣も少ない。」


「さあ、カミル、選んでいいよ。」

 ……。


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