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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
5/144

畏怖

「ふぅ……」


 カルマは深呼吸し、地面に落ちた眼帯を拾い上げた。


「ごめんなさい……助けてくれて、ありがとう」


 俯いたままの少女。


「大丈夫だった?」


「あ、うん……」


........


 カルマは慌てて眼帯を付け直す。


「怖いよね、こんな目」


 少女ははっと顔を上げた。


「ち、違うよ!助けてもらったのに、怖いなんて……!」


 必死に首を振る少女。


 「さっきの……魔術?」


 「うん。ただの初級基礎魔術だけどね」


 カルマは少し照れくさく笑った。


「あの...私にも、教えてくれない?」


 少女は少し迷ってから、小さな声で言った。


 カルマは一瞬考えた。

 でも最後は、いつもの笑顔になる。


「いいよ。一緒にやろう」


 少女の顔がぱっと明るくなる。



「あと..さ、名前で人は決まらないよ。気にしなくていい」


 少女は少し驚いた顔をした後、俯きながら小さく頷いた。




 ⸻


 それから数日。


 二人は並んで本を開き、魔術の練習をしながら笑った。

 彼女はイリーナといって、カルマによく懐いた。


 カルマは少しだけ思う。

 ノーリエさんの所にも行きたいな、と。


 でもイリーナの嬉しそうな顔を見ると、まあいいかと思えた。


 誰かの役に立てることが、嬉しかった。



 _________


 翌日。


 今日はイリーナは来られないと聞いていた。


 カルマは久しぶりに一人で街へ向かう。


 ——何かが違った。


 最初は分からなかった。


 でも、歩くほどに気づく。


 誰も笑いかけてこない。声が小さい。視線が、刺さる。昨日までの温度が、ない。


 魚屋の主人が声をかける。


「坊主……お前、緋眼なんだってな」


 カルマの心臓が止まる。


 振り返ると、人が集まっていた。

その目は、昨日までと違う。


 遠巻きに見る目。距離を取る足。囁き声。


「不吉な子供だ」

「魔人の仲間か」


 理解が、遅れて追いつく。


 ——ああ。


 知られたんだ。


 石が飛んできた。

痛みより先に、胸の奥が冷える。


 どうして。


ただ、目が赤いだけなのに。


〈頭の中の整理用 メモ〉

緋眼(ひがん)= 赤い瞳のこと。

この世界では赤い瞳の魔人が昔から恐れられているため、緋眼は忌み嫌われている。


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― 新着の感想 ―
話の本筋にもっと早く入って欲しいなと思いました。世界観は良いと感じました。
一気に読んでしまいました!いつ涼太と接点が生まれるのかドキドキしながら読んでます!そうこうしているうちに話が進んで、異世界とつながらなくても面白い物語になるような展開に驚いてます!
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