到着、ミルズ王国
3人はラダの森を進む。
カミルはこの森の地形や道を熟知しており、歩きやすく魔獣に遭遇することもなく進んでいく。
「カミルを連れてきて正解でしたね。」
「どうだ。私は役に立つだろう。」
「うん。そうだね。助かるよ。」
「よし、そろそろ陽が落ちるな。今日はここで野宿としよう。」
3人は荷物を下ろし、火を焚き、夜を過ごす準備をした。
「そういえばカルマ、聞きたいんだが、私の体には魔力が蓄積しやすいのだろう?今後はどう消費すればいいんだ?」
「そうだね。簡単なのでもいいから魔術を一つ覚えれば消費できるね。」
「魔術か……」
「ミルズについたら魔導書が手に入るはずだから、何か教えてあげるよ。魔術が使えるようになるまでの間はまた、この間の結界術を使うしかないかな」
「あれはあまり受けたくないな…」
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その日は森の中で夜を明かし、次の日早朝からまた歩き出す。
「ところでこの旅の目的地はあるのか?どうせまだ戦士教会に行ったところでカルマと私は年齢的に戦士になれないのだろ?」
「そうだね。目的地はコロラド連邦ルードミリシオン。そこにいる戦士の知り合いに相談してみようかと思ってね。」
「ヘリオサマナか?」
「よくわかるね。」
「ルードミリシオンといえばヘリオサマナの本部があるからな。でもそれならちょうど良い。私も名のある戦士団の元へ行きたいと思っていたんだ。」
「あ、もしかしてお兄さんのこと?」
「そうだ。ギルの行方を知っている者がいるかもしれないからな。」
「なるほどね。わかった。僕からも聞いてみるよ。」
「……おいカルマ」
「ん?」
「思っていたんだが、お前はボスとしてはどこが頼りないな。」
「え…?」
「おい。カミル。何言ってんだ。お前も見ただろボスの強さを。」
「いや、そういうことではなく。戦士の長が"僕"っていうのは子供っぽいのではないか?」
「あー、俺もそれは少し思ってました。」
「えー……」
「これを機に"俺"に変えてみてはどうです?」
「俺…かぁ、あんまり良いイメージないんだよな。人を傷つけた記憶が蘇るというか…」
「そう呼んでた時期もあったんですね!それなら戻してみてもいいと思いますよ!」
「あーうん。(時期というか前世なんだけどね。)」
「じゃあちょっとずつ頑張ってみるよ。」
「ああ」「はい!」
「よし、お前ら!俺について来い!」
「おーー!」
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その日の夕方…
「見てみろ森を抜けたぞ」
「おぉ……」
3人の前には広大な平地が広がっていた、そしてその平地の先に都市が広がっており、さらにその奥には山々が見える。
「あれがミルズ王国だな。」
「ああ、それと、奥の山脈がコロラド連邦との境、ベルベスト山脈だ。」
「よしとりあえず陽が落ちる前にミルズに入ろう。」
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3人は平原を越えミルズ王国に到着した。
到着した頃にはすっかり暗くなっていたので、その日はとりあえず宿に泊まることにした。
「この国にはどのくらい滞在するんだ?」
「野宿も続いてたし数日は滞在しようか。
物資の調達と、あとカミルが覚えられる魔術の魔導書を見つけないとね。」
「じゃあ俺が旅に必要なものの調達はやりますので、カミルの魔導書はボスにお願いできますか?」
「うんわかった。助かるよ。」
「カルマは行きたいところないのか?」
「俺も扱える魔術を増やしておきたいからどっちにしても魔導商店には行きたかったんだ。」
「そうか。私は魔導書を見ても何が何だかさっぱりだからカルマに任せよう。私は一度戦士教会を見に行くとする。」
「聞き込みか?」
「まあ、そんなところだ。」
3人は翌日からの方向性が固まったところでそれぞれが就寝した。森を抜けるのに疲れたのか3人共その日はすぐに眠りについた。




