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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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到着、ミルズ王国



 3人はラダの森を進む。


 カミルは森の地形や獣道を熟知しており、魔獣に遭遇することもなく、歩きやすい道を選んで進んでいった。


「カミルを連れてきて正解でしたね」


「どうだ。私は役に立つだろう」


「うん、助かるよ」


 カミルは少しだけ誇らしげに鼻を鳴らした。



「よし、そろそろ陽が落ちるな。今日はここで野宿としよう」


 3人は荷を下ろし、火を焚き、簡素な夕食の準備を始める。


「そういえばカルマ。私の体は魔力が蓄積しやすいのだろう? 今後はどう消費すればいいんだ?」


「簡単な魔術を一つ覚えればいいよ。小さなものでも、使えばちゃんと消費できる」


「魔術か……」


「ミルズに着いたら魔導書を探そう。使えるようになるまでは、この前みたいに結界で調整するしかないかな」


「あれはあまり受けたくないな……」


 拘束された記憶を思い出したのか、カミルは渋い顔をした。



 翌朝。


 森を抜ける道すがら、話題は今後の目的地へ移る。


「ところで、この旅の目的地はあるのか? どうせ戦士教会へ行っても、年齢的に戦士にはなれないのだろう」


「うん。まずはコロラド連邦ルードミリシオン。そこにいる戦士の知り合いに相談してみようと思ってる」


「ヘリオサマナか」


「よく知ってるね」


「ルードミリシオンといえば本部があるからな。ちょうどいい。私も名のある戦士団の元へ行きたいと思っていた」


「あ、お兄さんのこと?」


「ああ。ギルの手がかりがあるかもしれない」


「わかった。僕からも聞いてみるよ」


 その「僕」に、カミルがちらりと反応する。


「……おいカルマ」


「ん?」


「お前、ボスとしてはどこか頼りないな」


「え?」


「強さではない。話し方だ。“僕”は少し子供っぽい」


「あー……俺も少し思ってました」


「えー……」


「これを機に“俺”に変えてみてはどうです?」


 カルマは少しだけ視線を落とす。


「俺、か……あまり良いイメージがないんだよな。昔のこと思い出すというか」


「使っていた時期もあるんですか? なら戻してみてもいいのでは」


「……うん。まあ(前世でね..)」


 カルマは咳払いを一つ。


「よし。お前ら、俺について来い」


「おー!」「はい!」


 ぎこちないが、どこか楽しそうだった。



 その日の夕方。


「見ろ、森を抜けたぞ」


「おぉ……」


 視界が一気に開ける。広大な平地の向こうに都市の灯り。そのさらに奥には山脈が連なっている。


「あれがミルズ王国だ」


「奥の山脈がベルベスト山脈。コロラド連邦との境だな」


「陽が落ちる前に入ろう」



 ミルズ王国に到着した頃には、すでに夜の帳が降りていた。


 その日は宿を取り、簡単な作戦会議だけして休むことにする。


「この国にはどのくらい滞在するんだ?」


「数日はいる。物資の補充と、カミルの魔導書探し」


「では俺が物資を担当します。魔導書はボスに」


「うん。助かるよ。」


「よし、じゃあ私は戦士教会を見てくる。」


「聞き込み?」


「そんなところだ」


 方針が固まると、3人はそれぞれの寝床へ。


 森を抜けた疲れもあり、その夜は誰もがすぐに眠りに落ちた。


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