カルマvsカミル②
カミルは双刃弓を構え、カルマへ一直線に走る。
「……!?」
そのまま、弓の両端についた刃を思い切り振り抜く。
カルマは後方へ跳び、間一髪でかわす。
「近距離はないと思ったかい?」
カミルは勢いのまま身体を回転させ、両刃で連続して斬りかかる。
重く、速い。
カルマは足さばきで距離を保ちながら、ぎりぎりで避け続ける。
(確かに速い……けど、この距離は——)
腰の剣を強く握る。
「魔剣術
炎・抜ノ型
炎閃斬」
炎を纏った抜刀が閃く。
カミルは瞬時に双刃弓で受けるが——
衝撃に押し負け、大きく吹き飛ばされた。
何度か地面を転がり、膝をついて着地する。
「……さすがに重いな」
カルマは一気に距離を詰める。
その瞬間——
一本の矢が、頬をかすめた。
「!!?」
「気をつけないと、穴が開くよ」
いつの間にか弓を構えている。
放たれた矢は、他のゲド族のものとは明らかに違う。
速い。鋭い。視界から消えるほどに。
「見えなかった……」
カルマは剣を構え直し、カミルの動きに集中する。
矢が放たれる。
今度は見切る。剣で弾く。
「ほう……私の矢を見切るか。なら、これならどうだ?」
強く引き絞る。
放たれる矢。
カルマはそれをも捉え、斬る。
「……がっ!?」
はじいたはずなのに、肩が裂ける。
血がにじむ。
「まさか……二本?」
「ふふっ。次は防ぎきれるかな?」
カミルは、二本の矢を同時に番える。
カルマは静かに剣を腰に納めた。
「なんだ? 諦めたのか?」
カミルは警戒しつつも、限界まで弓を引く。
指先から血が伝う。
「行くぞ!」
二本の矢が放たれる。
速い。重い。鋭い。
(避けなければ、致命傷——)
だが、カルマは動かない。
「……!?」
矢は、カルマに届く直前で凍りついた。
白い霜を纏い、軌道を逸らし、背後へと落ちる。
「魔剣フリージア……
魔剣術
氷・構ノ型
霜天の構」
「何が起こったかわからんが、矢がだめなら直接叩く!」
カミルは地を蹴る。
カルマは構えたまま。
「隙だらけだぞ!」
双刃弓が振り上げられる。
「——!?」
その足元が、音もなく凍りついた。
氷は足から膝へ、腰へと一気に駆け上がる。
「くっ……なんだ……!」
次の瞬間、カミルの身体は完全に氷に閉ざされた。
そして——
カルマを中心に、周囲の地面、草木までもが白く凍りついている。




