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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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歓喜の宴


「カミル!」


 駆け寄ってきたミドが、勢いのままカミルに抱きつく。


「心配をかけたようだな、ミド」


「……間に合ってよかった。あなたを失っていたら、ギルに顔向けできないわ」


「すまない。ありがとう」


 


「僕が一日で結界術を使えたのは、ミドさんのおかげなんだよ」


「どういうことです?」


 ハウロスが首を傾げる。


「ミドさんは、この集落で唯一カミルの症状に気づいていた。そして対処法も知っていた。でも……」


「私は魔術士じゃない。結界を張れるほどの技量はなかった」


「そこにボスが現れた、と」


「そういうこと。ミドさんの知識と、僕の魔力コントロール。どっちかだけじゃ無理だった」


 ミドが静かに頭を下げる。


「カルマ君。ありがとう」


「大丈夫だよ。役に立ててよかった」


 カルマは少し照れたように笑った。


 



 


 その晩、ゲド族は宴を開いた。


 焚き火がいくつも灯り、肉が焼かれ、酒が回る。

 歌声と足踏みの音が森に響いた。


 引きこもっていたミドまでもが杯を掲げ、顔を赤くして笑っている。


「ボス、旅って悪くないですね」


「そうだね」


 カルマは火を見つめながら、小さくうなずいた。


 



 


 翌朝。


 荷を背負い、家を出たところでカルマは足を止める。


「……お?」


 扉の前に、カミルが立っていた。


「君に一つ、お願いがある」


「なに?」


「私と、もう一度戦え」


「え?」


「私は戦士ギルの妹だ。そんな私が、意識のないまま敗れたままでいいはずがない」


「勝つために戦ったわけじゃないし、君も正気じゃなかったよ?」


「だからこそだ。今度は意識ある状態で、正々堂々と」


「僕にメリットないよね……」


「私が負けたら、君の従者になろう」


「お、従者ゲットのチャンスですね!」


「いらないよ従者……」


 長老が苦笑する。


「申し訳ない。言い出したら聞かぬのだ」


 カミルが長老を振り返る。


「“アレ”はあるか?」


「ああ。持ってこよう」


 


 森の開けた場所。


 向かい合う二人。


「それが“アレ”か」


「ああ。私の双刃弓だ」


 大きな弓。その両端には刃が仕込まれている。

 射撃も斬撃も可能な武器。


「戦うなら、本気でいくよ」


「望むところだ」


 風が抜ける。


「――いくぞ」


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