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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
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カルマとカミル



 カルマは陽が落ちてから戻ってきた。帰るなり借りてきた魔導書を広げ、灯りの下で黙々と読み続ける。


「ボス、まだ寝ないんですか?」


「ああ、ごめん。うるさかった? もう少ししたら寝るから、先に休んでて」


 



 


 翌朝。


 ハウロスが目を覚ますと、外が騒がしい。嫌な予感がして横を見るが、カルマの姿はない。


「……まさか」


 急いで外へ飛び出す。


 集落の中央に人だかりができていた。ざわめきの中心にいたのは――カルマと、牢から解き放たれたカミル。


 今にも飛びかかりそうな姿勢で、白目を剥いたまま唸っている。


「長老! これは……!」


「カルマ殿が朝早く来られてな……カミルを出してほしいと」


「なぜそんな……」


「悪魔を祓える、と」


「え?」


 ハウロスは息を呑む。


(ボス……悪魔祓いなんて、どうやって――)


 カルマは剣を抜かず、素手で構えている。


 次の瞬間、カミルが地面を蹴った。


 一直線に突っ込み、拳を振り下ろす。


 カルマは真上へ跳躍。


 拳が地面に叩きつけられた瞬間、轟音とともに土がえぐれた。


「……すごい威力だな」


 空中で体勢を整え、手をかざす。


炎の玉(エドラー)


 二発の炎弾が一直線に飛ぶ。


「うがぁぁ!」


 カミルはそれを拳で弾き飛ばし、再び跳躍する。


炎の鞭(フィルウィップ)


 炎が紐のように伸び、カミルの体を絡め取る。勢いを殺し、そのまま地面へ引き戻す。


 着地と同時に左手を地面へ。


範囲氷結(フリーズ)


 足元が瞬時に凍りつき、動きを封じる。


氷の鞭(レアウィップ)


 炎の鞭が凍り、強固な氷となって体を固定する。


 完全に拘束。


 それでもカミルは唸り、暴れ続ける。


「よし……これで」


 カルマはゆっくりと歩み寄る。


 ミドから借りた魔導書を取り出し、剣を抜く。そしてカミルの足元の地面を、一定の形で削り始めた。


「ボス! 何を――!」


「大丈夫。……まぁ、見てて」


 集落の者たちが固唾をのむ。


 カルマの刃が地面に刻む線は、ただの傷ではなかった。


 何かの図形を描いている。


 静まり返った空気の中、カミルの唸り声だけが響いていた。

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