表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
4/144

軽蔑

《魔創暦827年カルマ誕生から7年》

__________________



それから半年の月日が流れた。


「見ててね……」


 カルマの手のひらの上に、ちり、と火花が散った。

次の瞬間、小さな炎が弾ける。


「こ、これは……火花(イグナイト)!?」


「へへ、できた!」


 ノーリエは思わず立ち上がる。


「七歳で魔術を発現させるなんて……君は本当に規格外だ」


 カルマは誇らしく笑った。兄に少し近づけた気がした。



 ⸻


 その帰り道。


 胸が弾んでいた。

早く父さんに見せたい。兄さんにも話したい。


 その時——


 「アラモのくせに生意気なんだよ!」


 声が聞こえた。


 路地の奥、少女を囲む少年たち。


 「やめなよ!」


 カルマは思わず駆け出す。

少女の目は怯えきっていた。


 “アラモ”。


 それはこの世界の3つあるミドルネーム[グラン・ミラ・アラモ]のうちの一つだ。古くは階級の差として用いられていた。そして"アラモ"はその中でも最も低い位にあたる。

 それが理由だと聞いた瞬間、カルマの中で何かが弾けた。


 そんなことで人を決めるなんて。


 くだらない。間違ってる。


 ——許せない。


 「離れろ!」


 カルマは少年の1人にバチン、と頬を叩かれる。


 視界が揺れ、眼帯が地面に落ちた。


 ——しまった。


 左目に空気が触れる。


 「なんだよ……その目」


 カルマはゆっくり顔を上げた。


 怒りで、視界が赤く染まる。

胸の奥が、熱い。燃えるみたいに。


 「ひっ……緋眼……!」


 少年たちの顔色が変わる。


 カルマは知っている。この目が何を意味するか。

でも今はどうでもよかった。


 守りたい。

 止めたい。

 ——それでも足りない。


 一瞬だけ、心の底で別の声が囁く。


 “全部、消えてしまえばいいのに”


 左手に炎が生まれる。さっきより強い、荒い魔力。


 「許さないぞ」


 その声は、いつものカルマの声ではなかった。


 少年たちは悲鳴を上げ、逃げ去った。

路地に静寂が戻る。


 カルマは立ち尽くしたまま、自分の手を見つめる。


 炎がまだ、消えずに揺れていた。


 それは——

 彼自身の心の奥に生まれた“何か”のようだった。


〈頭の中の整理用 メモ〉

3種類のミドルネーム

・グラン

・ミラ

・アラモ

上位-中位-下位と差別的な使われ方をしている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
Xからきました! 導入から引き込まれてサクサク読んでしまいました。 冒頭の異常な程優しい母親、片方だけ赤い瞳孔、これがどのように物語に絡んでくるのか展開も楽しみです。 世界観もよく練られていると思いま…
カルマの無邪気さがまた可愛さを出していい味してますね!! 世界観の作り方とかも凄く良くできていて、読んでて凄く面白いですし、のめり込んでしまいました!! 続きを楽しく読まさせてもらいます!!
カルマさんが嬉しそうにノーリエさんに魔法を見せるのは、無邪気で可愛らしくもありますね。そこから少女を救う、勇敢さも携えられているのも魅力的だと思いました。 緋眼という魔人を彷彿とさせるような眼の秘密も…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ