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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
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旅は道連れ


 カルマが国門の近くまで来ると、カルマを待っていたかの様にカストリアの衛兵隊が並んでいた。


カルマが父の隊だろうか。と思っていると1人の兵士がカルマの前に歩いてくる。


「あ……」


「先日あなたに助けてもらったハウロス・ミラ・トリアです。隊長から聞きました。カルマ殿が今日旅立つと。」


「そこでお願いがあるのですが…」


「なんですか?」


 そういうとハウロスはカルマの前に片膝をつく。



「俺をあなたの従者にしてもらえないですか?」


「へ?従者?」


この世界には主従契約というものが、一般的に存在している。それは師弟関係の様な使われ方をすることもあれば、召使の様な格差を生む使い方をされることもあるが、特に多いのは戦士だ。戦士は1人で活動する者もいるが、戦士団を作ったり、戦士団に加入することが多い。その方が依頼(仕事)が多いからだ。

ダグラスやフィルスはフリーの戦士だが、一般的には戦士団に加入する者が圧倒的に多い。

 その戦士団は基本的に主従の関係で成り立っている。

戦士団の長である団長は団員達と主従契約を結ぶのだ。


「ハウロスさんは僕についてくるということ?」


「はい。既にあなたの父である隊長には許可をもらっています。」


 (父さん……そんなことは一言も…)

 

「んー…でもどうして?」


「俺はこのカストリアの衛兵隊のみんな、特にバトロフ隊長には返しきれない程の恩があります。

ですが、ここは平和の国、恩を返す機会なんて殆どないんです。そんなとき、先日の魔人の襲撃がありました。俺は命に変えても魔人を倒し、恩を返そうと思っていました。

が、しかし俺はあっけなく魔人に倒された。あなたが来なければあの場の全員が無事では済まなかったでしょう。

 カルマ殿、あなたのことは昔から何度も話を聞いてきました。あなたの話をするとき隊長は何よりも嬉しそうに話すんです。

そんなあなたが旅立つと聞いて思ったんです。あなたは既に強い戦士かもしれない。ですがまだ世界を知らない12歳の子供だ。

なら、微力かもしれないですが、その旅を支えようと。

万一、あなたの身に危険が起きるなら俺が命に変えても守ります。

それが、バトロフ隊長への、そして命を救ってくれたカルマ殿への恩返しだと思うんです。

 カルマ殿、どうかよろしくお願いします。」


ハウロスは再び膝をつきカルマにお願いをする。


カルマは少し戸惑ったが、断る方が失礼だろうと考えた。


「まぁ、他国に行ったことはないので付き添ってくれるのは助かるからいいよ。」


「本当ですか!ありがとうございます。」


「よろしくね。ハウロスさん」


「ですから俺のことはハウロスと…」


「あーはいはい。」


 こうしてカルマはハウロスを連れてこの国を旅立った。

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