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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
3/144

魔術士ノーリエの家


《魔創暦826年 カルマ誕生から6年》

___________________



今日も街は平和だ。


 この国カストリアは平和の国と呼ばれる。——魔獣も少なく、戦火とも無縁の場所。


 人々の笑い声、商人の呼び声。



 カルマはその通りを、慣れた足取りで進んでいく。


「おう、坊主! 魚持ってくか?」


 顔馴染みの魚屋が笑う。


「今日はこれから出かけるから、また今度ね!」


「気をつけろよー!」


 カルマは手を振り、商店街を抜けて路地へ入った。


 向かった先は、街外れの古い家屋の地下。魔術士ノーリエの家だ。


「ノーリエさん、こんにちは!」


「やあカルマ。今日も勉強熱心だね」


 細身で長髪、丸眼鏡の男は穏やかに微笑んだ。

街では変わり者扱いされているが、カルマには優しい。


「今日はどんな話が聞きたい?」


「外の国の戦士団の話!」


 ノーリエは少し考えてから口を開く。


「僕がいたコロラド連邦にはね、大きな戦士団が二つあった。その戦士団はヘリオサマナとガルム・プラウド」


「どれくらい強いの?」


「……君の想像の十倍かな」


 「えっ!?」


「ヘリオサマナは五百人、ガルムは千人以上の戦士が在籍している。」


 カルマの目が輝いた。


「すごい……!」


「界級の戦士団だからね」


「界級って一番上だよね?」


「今の時代では、ね。個人の戦士の頂点は界級の下の“天級”だよ。」



 「兄さんと同じだ!」


 カルマは嬉しそうに言う。


 ノーリエはふっと笑った。


「ああ、君はあのダグラスの弟だったね。」


 世界でも名の知れた天級剣士ダグラス。

 今は遠い戦地にいる。


 カルマの胸に、誇らしさと少しの寂しさが混じる。


「僕も、兄さんみたいになるんだ」


「……それは大変だぞ?」


 「いいもん! 強くなって、みんな守る戦士になるんだ!傷ついても倒れても立ち上がってみんなを守る。そんな戦士に...」


 無邪気な笑顔で放たれた言葉。


 ノーリエは一瞬だけ、笑みを消した。


 ——その考え方は、優しい。

 だが同時に、どこか危うい。


 しかしそれを口に出すことはせず、静かに微笑み直した。


「そうだノーリエさん、また魔導書借りていい?」


「ああ、好きなのを持っていくといい」


 カルマは本棚から本を抱え、目を輝かせた。


 まだ訓練は受けられない。だから今は、知識だけでも。兄に追いつくために。


 ——そして、まだ知らない運命へと、少しずつ近づくために。


〈頭の中の整理用 メモ〉

戦士団= 複数人の戦士が集まり任務を受ける組織

ガルム・プラウド= 最もランクの高い戦士団の一つ

ヘリオサマナ= 最もランクの高い戦士団の一つ



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― 新着の感想 ―
1話が短くて凄く読みやすく、最後の整理メモは単語やキャラを理解できて本当に丁寧です! やはり規模の大きい組織というのは心躍るものがあります^_^
日常が描かれ、ごく普通の生活の中に「赤い左目」という違和感が静かに差し込まれます。この時点ではまだ説明されない謎が多く、読者に「何かが始まる前触れ」を感じさせる導入として非常にワクワクし舞台が異世界グ…
Xからまいりました。 とりあえずここまで読ませていただきました♪テンポも良く序章から引き込まれました!これからカルマがどうなっていくのか。5周目の人生というのも気になります。これかはゆっくり遊びに行…
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