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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
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カストリア襲撃⑦


「おまえぇ!」


 その光景を見た瞬間、カルマは地面を蹴っていた。一直線に魔人へと突っ込む。


「魔剣フレイア!」


 炎の剣が唸る。

 だが魔人は予知していたかのように、わずかに上体を逸らして回避した。


 手を離されたフィルスが、地面に膝をつく。


「フィルス!!」


 カルマが一瞬そちらへ視線を向けた――その刹那。


 目の前にいたはずの魔人が、ばちばちと弾ける電流だけを残して消える。


「っ!?」


 気配は、背後。


(速すぎる……)


 振り向く間もない。

 魔人はすでにカルマの背後に立ち、片手を向けていた。


大放電グランチャージ!」


 轟音とともに、雷の奔流が解き放たれる。


(やばい――この規模をまともに受けたら……!)


 視界が白に染まった。


 ……


 しかし、痛みは来ない。


 目を開けると、目の前に立ちはだかる大きな背中。


 大剣を構え、雷を真正面から受け止めているダグラスの姿だった。


「兄さん!」


 やがて放電が収まる。


「弟が来たんだ……座り込んではいられないな。」


 ダグラスは地を蹴り、跳躍。


「地砕剣!」


 振り下ろされた大剣が地面を叩き割る。

 魔人は間一髪で回避するが、凄まじい衝撃波が石畳を粉砕した。


「うっ、うわぁ!」


 スサノーは即座に反撃する。


電磁砲レールガン


 雷光が一直線に放たれる。


「くっ……避ければ街が……!」


「兄さん!」


 ダグラスは退かない。

 大剣を盾に、雷の奔流を受け止める。


「うおぉぉぉ!!」


 雷光と火花が四散する。


 やがて、光が消える。


「はぁ……はぁ……」


 膝をつきかけながらも、ダグラスは立っていた。


 その姿を見て、カルマは理解してしまう。

 ――自分では、まだ届かない。


「カルマ。こいつは〈緋衣の十魔〉の一人――[雷魔]スサノーだ。

 お前が今、戦える相手ではない。」


 低く告げる。


 スサノーが鼻で笑った。


「ふん。人間はいつもそうだ。他人を思いやるふりをする偽善者の集団。

 自分のためだけに戦えば、幾分か強くなれるものを。」


「お前たち魔人には分かるまい。それこそが戦士の強さの源だ。」


「話にならんな……」


 スサノーは冷ややかに続ける。


「お前たちは、我らの目的を“支配”と呼ぶ。

 だが問おう。人間に支配欲はないのか?」


「……」


「魔創神グランがこのグランダムを創って以来、世界は国へと分かれ、統治し、争い、戦を繰り返してきた。違うか?」


「それは世界の繁栄のためだ。

 お前たちのように、無差別に人を襲うのとは違う……!」


「我々も同じだ。支配と繁栄のために動いているだけ。

 そして私は、魔人軍こそがそれを成すと信じた。

 だからこうして〈緋衣の十魔〉としてここにいる。」


 雷が指先で弾ける。


「世界も、人も、時とともに変わる。

 今まさに、この世界は変わろうとしている。


 変わりゆく世界に――貴様らは邪魔なのだ。」


 スサノーが手を掲げる。


 空気が震え、雷光が凝縮する。


「兄さん!」


 巨大な雷が、ダグラスへと降り注ぐ――。


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