カストリア襲撃⑥
グラヴィスはカルマの剣を避けきれず、腹に〈炎閃斬〉を受け、そのまま後方へと倒れ込んだ。
(〈構〉で感知し、〈抜〉の最速の一刀で斬る。
これが僕の考えた、今できる最大の連携――そして魔剣の応用技〈魔剣術〉)
「うぐっ……」
グラヴィスは尻餅をついたまま、カルマを睨みつける。
その腹には、横一線の傷が刻まれていた。
「魔力を集中させて、致命傷を避けたのか……」
「貴様みたいなガキに、俺が逃げることになるとはな……
カルマ……覚えておくぞ!」
腹部を押さえながら、グラヴィスは後退し、そのまま闇の中へと消えていく。
「ま、待て!」
追おうと一歩踏み出した瞬間、膝が崩れた。
技の反動か、それとも受けた傷のせいか。力が抜け、地面に膝をつく。
「カルマ! 大丈夫か!」
バトロフが駆け寄る。
「うん……何とか」
「そうか……。あの魔人もあの傷ではしばらくは動けまい。お前はよくやった。」
バトロフに支えられ、カルマは立ち上がる。
「カルマ、本当に強くなったな。」
「へへ、まだまだだよ。」
「……よく帰ってきてくれた。」
バトロフはカルマの頭に手を置き、ぽん、と優しく叩く。
目元に浮かんだ涙を、そっと拭った。
「だが……今は再会を喜んでいる場合でもないな。」
⸻
バトロフはハウロスのもとへ駆け寄る。
「ハウロス、大丈夫か?」
「ええ、隊長。深い傷ではありません。」
「そうか。立てるか?」
肩を貸しながら支える。
その時、カルマが遠くを見つめたまま口を開いた。
「父さん、母さんは大丈夫?」
「ああ。家の方には被害は出ていない。」
「じゃあ……あとは中央だけか」
カルマは剣を納め、カストリア中央の方角を見据える。
「カルマ、駄目だ。兄さんがもう向かっている。お前は行く必要はない。」
バトロフはその意図を察し、引き止める。
「父さん。僕は兄さんやフィルスには敵わない。
でも、少しは強くなれたんだ。
その兄さんやフィルスが、今戦ってる。
役に立つかは分からないけど――
今行かなきゃ、何のための修行だったのか分からなくなる。」
「お、おい! カルマ!」
カルマは振り返らず、中央へ向かって駆け出した。
⸻
カルマは中心地付近に辿り着く。
爆発音が響く。
「あそこか!」
路地を曲がった瞬間、視界に飛び込んできた光景に息が止まる。
地面に座り込み、項垂れるダグラス。
そして――
鎧を纏った魔人に頭を掴まれ、壁へと叩きつけられているフィルスの姿。
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