カストリア襲撃①
爆発音を聞いたカルマとフィルスは急いで小屋の外へと飛び出す。
「なんだ?」
「あれは……」
外は既に暗くなっていたが、木と木の間から黒煙が見える。
「あの方向はカストリアの街だ……」
「カルマ、準備しろ。いくぞ」
「う、うん!」
2人は急いでカストリアへ向かう。
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2人は森の中を駆け抜ける。
カルマもフィルスの足の速さになんとか付いていけるようになっていた。
「見えたぞ国門だ」
平原の奥には大きな壁と門が見える。カストリアを囲う壁だ。
国門の近くまで来ると外にも衛兵が何やら慌ただしく動いている。
「おい!何があった。」
「あなたは…フィルス殿ですね。バトロフ隊長より聞いています。今、カストリアは魔人軍の襲撃を受けています。」
「バトロフ?誰だ」
「僕の父です。」
カルマの父バトロフはカストリアの衛兵の部隊長だ。といってもカストリアは平和の国、衛兵の部隊長といっても普段は国内の警備ぐらいしか仕事がないらしい。
「状況はわかった。中に入れるか?」
「はい。こちらへ」
2人は国門の脇にある非常用の扉からカストリアの中へ入る。
2人はカストリアの中に入り。唖然とする。
街の中にはところどころから火の手が上がり、魔獣が走り回っている。
「率いてきた魔人はどこだ!」
「国の中央付近に突然現れたそうです。」
「転移魔術か...わかった!私は中央へ行く!カルマ、お前は周辺の魔獣の討伐だ!」
「えっ、僕も……」
「今のお前ならあのレベルの魔獣なら問題なく倒せる。強力の魔人に遭遇した場合は逃げろ。」
フィルスはそういうと走り去る。
(僕も中央へ行くと言おうとしたんだけど…)
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近くにいた魔獣が衛兵に襲いかかろうとしている。
「魔剣フレイア」
カルマは炎の剣で瞬時にその魔獣を両断する。
「お、おお…!」
「すごい…」
カルマはそのまま剣を持ち走り出す。
「カルマ君…!どこへ?」
「この辺りの魔獣を倒しきったら、僕もフィルスの後を追います!」
「あっ、ちょっと待って…」
カルマは衛兵の声が届く前に走り出した。
(家の方角(西部)には火の手が上がっていなかった。母さん達はきっと大丈夫だ。問題はおそらくこの襲撃の元凶が現れた中心街…フィルスが向かったけど、おそらく兄さんもそこにいる……。
僕だって戦えるんだ、ここで逃げていたら何の為に修行したかわからないじゃないか!)
カルマは走りながら自分を奮い立たせる。




