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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編
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団長ガルム


「くそ……まだこれだけの力を…」


 ジャックの幻影体達が、剣を構え、じりじりと距離を詰める。

 カルマとサジは身を寄せ合いながら身構える。

 

 

「うちのが随分と迷惑をかけている様だ……」


 扉が開き、巨大の男が、大きな剣を携えて入ってくる。


「誰だ?」

「あれは……」


 その男は剣を抜くと、体から大量の電気が放電されるとともに、地面を蹴り、瞬時にジャックの元まで移動する。

 

 大男の移動によって周囲には爆風の様な風と、大男の体から放電された電気が弾け飛び、周囲の幻影体が一気に霧散する。


 大男はジャックの頭を掴み、持ち上げバチバチと電気が流れている。

「団長……なぜここに……」


「貴様の元にヘリオサマナの使節団が派遣されたと聞いてな。嫌な予感がしたのだ。貴様自分のしたことがわかっておろうな?」

「……」


「この馬鹿者がぁ!!」

 大男はジャックを壁に打ちつける。ジャックは壁に頭をめり込ませている。


「君達、本当にすまなかったね。大丈夫かい?」


「おっさんは?」

 

「おい!馬鹿、お前知らないのか、この方はガルム・プラウドのガルム団長だ!」


「へー」

 サジが慌てた様子でカルマにその男の正体を伝える。


「すぐにうちの回復術士隊を手配する。君達も怪我をしている。到着するまで休んでいてくれ。」


「よかったな。とりあえず敵対する訳じゃなさそうだ…。」

サジはひそひそとカルマに話しかける。


「ところで……

 うちの支部長をここまで追い詰めたのは誰だい?」


「うっ……」

「俺だけど。」

 カルマはガルムをまっすぐ見つめながら手を挙げる。


 ……

 ガルムとカルマは睨み合い、緊張が走る。


「ふっ、わはははは!

 君がか?これは面白い!ヘリオサマナにこんな少年がいたとは!」


「何がおかしいの?」

 

「わはは……あ、いや、これは失敬。

 ジャックがそちらに敵対意識を持っていたことは気づいていたが、やつはうちの戦士の中でも手練れだ。

 まさか、それを追い詰める戦士が、君みたいな少年だとは驚いてね。君、名前は?」


「カルマ・ミラ・フィーラン」


「フィーラン…そうか、君が……」

 ガルムはカルマの名前を聞いて顔色を変える。


「おっさん。こいつのボスなんでしょ?この件どうするつもりなんだ。」


「おっ…おい!カルマ!すみませんガルム様、こいつはヘリオサマナの協力関係にある少年でして、礼儀がなっておらず……」


「いや気にするな。それに、少年の言い分の方が正しい。ヘリオサマナがこの支部への会談要請があったと連絡を受け、万が一のことを考え、急いで来てみたが間に合わなかった。申し訳ないと思っている。

この事は改めて私からアリディア殿へ連絡する。そう伝えてくれないか?」


「わかりました。」


ガルムはそう言うと、気を失っているジャックを掴み連れて行こうとする。


「そいつはどうするんだ?」


「うむ、まぁ何らか処分せねばならんだろうな。」


「そいつが失敗したっていう西の大国の襲撃事件について、その経緯よく調べた方がいいんじゃない?」


「……?どう言う意味だ。」


「いや、他にもまだ何か思惑がありそうだったから。」


ガルムはその言葉を聞いて、カルマを黙って見つめる。


「ふ…わかっているさ。そんなことは。」

 ガルムはそう言うとジャックを連れ、部屋から出ていった。


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