非常事態
その日の晩、カルマはすっかり陽が落ちて暗くなったレルフの街を歩く。
「いててて、足がもう動かない…」
カルマの足はサリバンとの特訓でボロボロになっていた。
ゆっくりと傷ついた足を引きずりながらも宿まで辿り着く。
「ようやく着いた……」
宿の前までたどり着くと、そこにグラールやサジ、セオドア、リアの戦士隊達が集まっていた。
「お、カルマ君、今帰りですか?」
「ええ、まぁ。ここで何してるんです?」
「いや、今日の会談の件で、アルバート様達の交渉がうまくいっていないんです。といっても護衛の僕らにやれることはないんですが…」
「ふーん。確か、ガルム・プラウドとの魔人軍に対応するための協定でしたよね。」
「それが、ガルム・プラウドのレルフ共和国支部を取り仕切ってるジャックって人が、私達に敵対心剥き出しで話し合いに応じようとしないのよ。」
「そうなんだ、難しいことはわからないけど、予定より滞在時間が長くなりそうってことかな?」
「なんでちょっと嬉しそうなのよ。」
「いや、そんなことないけど。」
カルマは戦士達とそんな話をした後、自室へ戻った。
自室へ戻ったカルマはベットへ倒れ込み天井を見上げる。
酷使した足がズキズキと痛んでいた。
「神速じゃあの爺さんを捕まえられない。やっぱり雷魔術を……」
カルマは意識を失うように眠りについた。
次の日、サリバンの元にカルマが現れる。
「お、随分遅かったのぅ。」
カルマは腕で本を3冊抱えている。
「それは魔導書か?」
「俺は本から学ぶタイプなんだよ。」
「では、早速始めるかの。」
「うん!」
それからサリバンとの修行は続き、3日の時が過ぎた。
カルマはその日のサリバンとの特訓を終え、宿へと到着すると、カルマの部屋の前に傷ついたセオドアが座り込んでいた。
「セオドア?どうした!?」
「あ…やっと戻ってきた。僕たちヘリオサマナの外交官及び、戦士隊は襲撃を受けた……」
「誰に、会談中のガルム・プラウド、レルフ支部の奴らに……」
「なんだって!?」
「ガルム・プラウドの支部の中にまだ、グラールさん達が包囲されたまま取り残されてる……君の力を借りたい…。」
「ガルム・プラウドの支部だね。わかった、すぐに行く。セオドアは俺の部屋で休んでて。」
「悪いな…みんなを頼む…」




