第二十九話 帰り道
ホストはPart化すると言ったな。あれは嘘だ。
「たいちゃん、一緒に帰らない?」
「ん。いいよ」
そういえば奈波の家知らないかも...
「じゃあいこっか」
「あ〜...ちょっとまって、部活の先輩に先に帰ること伝えとかなきゃ」
「りょーかい!先外でとくね〜」
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部長に伝えると「女作ったらたいち君の姉嫌がるよ」とかいわれた。別に彼女じゃないし。
「遅くなってごめん」
「いいよいいよ!早く行こっか!」
「うん」
話す話題がない...三年も離れ離れなんだから仕方がない...よな
「たいちゃんはさ、この三年間ずっとなにやってたの?」
「ん〜...ずっと姉さんの世話と彼女と遊びにいくとかかな?姉さんの世話で遊んでる暇なんて殆どなかったし、遊びに行く機会あれば彼女に費やしてたから」
「え?彼女いたの?」
やっぱそうだよな...俺の顔でできるのはおかしいよな...
「うん。浮気されちゃったけど」
「えぇ〜?ひっど!」
「.....」
やっぱちょっと思い出すだけでも胸が痛くなってくる
「あ、ごめんごめん!嫌なこと思い出させちゃったよね!」
「いや...大丈夫」
「じゃあなんかあみさんのこととか聞かせてよ!」
「あ〜...姉さんね」
ここでVtuberをやってるとか言ったら俺も多分バレるだろうし...
「ちゃんと大学行って法律学んでるって。留年は今まで無いし四限まで結構授業つめこんでるし単位はちゃんと取れてるらしいよ」
「そうなんだ!よかったね!」
「逆に七海さんはどうなの?なんかずっと引きこもってなかった?」
「あぁ!姉さんはなんかVtuberなったらしいよ!」
「え?そうなんだ...名前は?」
まさかの同業者かよ。いつか会うかもしれないのこわ...
「たしか鮫肌イルカ?だっけ。よく知らないけど登録者150万くらいらしい!」
えええええ...姉さんのちょっと下じゃん!
「そ、そうなんだ〜」
「たいちゃん見たことある?」
「いやぁ..しらないなぁ〜」
絶対鮫肌さんとコラボとかしちゃいけないやつじゃん。これ。
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たいちゃんと話してると心臓が喉から飛び出そうなくらいドキドキする。
「逆に七海さんはどうなの?なんかずっと引きこもってなかった?」
私のことを聞いてほしい。あんな姉じゃなく私のことを。
「あぁ!姉さんはなんかVtuberなったらしいよ!」
「え?そうなんだ...名前は?」
「たしか鮫肌イルカ?だっけ。よく知らないけど登録者150万くらいらしい!」
「そ、そうなんだ〜」
「たいちゃん見たことある?」
「いやぁ..しらないなぁ〜」
よかった。一人でもたいちゃんの視界に入れる女を減らしたいし。よかった。
でも元カノはもう近寄らせないようにしないと。忘れさせて私だけを愛するようにさせなきゃ。
ポツ...ポツ
「え?雨?」
「たいちゃんこっから家何分くらい?」
「5分くらい。走ったら二分くらいでつくと思う」
「じゃあ走ろっ!」
「そうだね」
こ、これ...たいちゃんの家にお邪魔できる..テコト!?
後一本はいける!
明日から29日まで一話投稿になります...すみません




