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ウォルヴァンシアの王兄姫~番外編集~  作者: 古都助
~たとえばこんな小話~
82/85

小話~ルイヴェルの嫌いな食べ物について~

これは、WEB拍手にUPしていたものになります。

投稿部数をミスって、WEB拍手の欄にUPするつもりが、

こっちの『たとえばこんな小話』編にやってしまいましたorz

~小話・ルイヴェルさんの嫌いな食べ物~


カイン

「おい、腹黒ドS眼鏡野郎」


ルイヴェル

「そんな名を持った覚えはないんだがな?」


レイル

「すまないルイヴェル。今カイン皇子は少々機嫌が悪いんだ」


ルイヴェル

「別に腹を立てる気にもならないが、何があったんだ?」


レイル

「実は……、ごにょごにょ」

(幸希がアレクに頼まれてカインの食べ物に関する好みを調べた結果、とんでもない大惨事が起こった事を報告)


ルイヴェル

「ふぅ……、くだらない事で機嫌を損ねたものだな」


カイン

「うっせぇよ!! 朝一番でベイマン(ピーマン)部屋中にバラまかれた俺の気持ちがわかってたまるか!!」


ルイヴェル

「たかがベイマンで動じる方が、まだまだお子様だと思うがな?」


レイル

「いや、あの光景は流石に引くレベルのものだと思うんだが……」

(大量のベイマンで溢れたカインの部屋に訪れてしまった人)


カイン

「テメェも俺と同じ目に遭っちまえ!!」

(半泣きの竜の皇子)


ルイヴェル

「ふっ……、この俺に、苦手な物があると思うか?」

(不敵な笑みでドヤァ)


レイル

「作者からは、『ある』と聞いているんだが……」


カイン

「ほら見ろぉお!! やっぱりあるんじゃねぇか!! さっさと吐けよ!! そんで、俺と同じ目に遭っちまえ!!」


レイル

「カイン皇子、とりあえず落ち着こう。ベイマンの海に溺れたのが辛かったのはわかるが、落ち着こう」


ルイヴェル

「お前も大変だな、レイル……。こんなお子様の世話女房の如く気を遣う日々とは」


レイル

「やめてくれ……。それでなくても第三章で、カイン皇子と一緒に行動し過ぎて、世話女房的なポジションが当たり前になってきているんだ……」


カイン

「んな事どうでもいいんだよ!! おい、ルイヴェル!! テメェの嫌いなモン、とっとと白状してもらおうか!!」


ルイヴェル

「好みで言えば、酸っぱい物はあまり好ましくはない。あの口の中が渋くなる感覚は、正直好きにはなれそうにもなくてな」


カイン

「よぉーし!! レイル!! 今から城下に酸っぱいモン買い溜めにいくぞ!! この澄ました眼鏡野郎に、目にもの見せてやる!!」


レイル

「カイン皇子……、それを口に出して大声でやる事をバラしてしまうあたり、あまり意味はないんじゃないか……? って、全然聞いてないな」


――先に部屋を出て行ってしまったカインを追い、レイル退場。


ルイヴェル

「……好ましくはない、が、誰も食べる事が出来ないとは、言っていないんだがな?」


幸希

「……」

(王宮医務室の外で、こっそりと聞き耳を立てていた人)


ルイヴェル

「お前も……、俺に何かを仕掛けようとしても、返り討ちに遭うだけだというのは、――わかっているな? ユキ」


幸希

「――!?!?」

(隠れている事を見抜かれて、声もなく内心で絶叫)

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