アレクさんの髪をいじってみました。
WEB拍手過去お礼小話にUPしていたものです。
幸希
「あの、アレクさんって……、結構髪が長いですよね」
アレク
「そうだな……。気にせず伸ばしていたらいつの間にか」
幸希
「私のいた世界、というか、日本という国では、短髪ぐらいが普通だったんですけど、アレクさんの綺麗な銀色の長い髪を見ていたら、……いじりたくなってしまいますね」
アレク
「いじる?」
幸希
「はい。三つ編みにしたりとか、頭の上まで結い上げてポニーテールにしてみたりとか」
アレク
「ユキがしたいのなら、俺は構わないが」
幸希
「え、いいんですか?」
アレク
「あぁ。お前が楽しんでくれるのなら、俺の髪ぐらい好きにしても構わない」
幸希
「じゃ、じゃあ……、か、飾りとか、色々付けさせて頂いても?」
アレク
「ユキの好きにして構わない」
――二時間後。
ルディー
「……で、どうしてこうなった!?」
幸希
「あ、ルディーさん……。す、すみません。アレクさんの髪があんまりにも綺麗だったから……」
アレク
「幸希、出来たのか?」
(まだ自分のされた髪型に気づいていない人)
ロゼリア
「副団長……、とても、……前衛的、と申しますか、エリュセードに新しい風を吹き込む髪型になられましたね」
(笑いたいのをかなり堪えている)
アレク
「……新しい、風?」
ルディー
「お前な、一回鏡見てみろ……。相当凄い事になってんぞ」
アレク
「わかった……。――!!」
幸希
「ごめんなさい、アレクさん!! 出来心だったんです!! 日本人の黒髪と違って、西洋的な色合いだから、が、頑張り過ぎた結果……、こ、こんな感じに……っ」
――去年に引き続き、アレクで遊び過ぎた王兄姫。
アレクの頭は今、地球の西洋貴族女性(過去)が昔流行らせた、超が付く程の盛り髪スタイルをイメージし、羽飾りや宝石をこれでもかと装飾されてしまっている。
去年の日本兜以上の衝撃がアレクを襲った……。
アレク
「ユキ……」
幸希
「ご、ごめんなさい、アレクさんっ。つい、調子に乗って」
アレク
「……」
ルディー
「まぁ、あれだ。姫ちゃんにも悪気はなかったわけだし、あとでちゃんと戻して貰えばいいだろ」
ロゼリア
「しかし、よく出来た髪型ですね……。副団長、この髪形のままドレスでも着られてはいかがでしょうか? 少々、体格が良すぎる気もいたしますが……、貴婦人の心地が味わえるかもしれません」
ルディー
「やめとけ。俺達が笑い死にするだけだろ……。はぁ、去年の事もあるからなぁ……。セレスフィーナとルイヴェルが見ちまったら……」
ロゼリア
「ですが団長……、正直怖いものみたさが胸の内にあるのですが」
ルディー
「真顔で言うな、真顔でっ。あぁ、でも、姫ちゃんって本当器用だよなぁ……。これ……、どうなってんだ?」
アレク
「……」
幸希
「アレクさん……、あの」
ロゼリア
「放心されていますね……。暫くは放っておきましょう」
幸希
「で、でも……」
ルディー
「前回の兜以上のショックだったんだろうな……。ここに皇子さんがいなかったのが唯一の救いだが、……」
ロゼリア
「団長、『記録』はどういたしましょうか」
ルディー
「ん~……、とりあえず、『記録』しとけ」
ロゼリア
「了解しました」




