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ウォルヴァンシアの王兄姫~番外編集~  作者: 古都助
~WEB拍手小話・季節のイベント編&その他~
72/85

アレクさんの髪をいじってみました。

WEB拍手過去お礼小話にUPしていたものです。

幸希

「あの、アレクさんって……、結構髪が長いですよね」


アレク

「そうだな……。気にせず伸ばしていたらいつの間にか」


幸希

「私のいた世界、というか、日本という国では、短髪ぐらいが普通だったんですけど、アレクさんの綺麗な銀色の長い髪を見ていたら、……いじりたくなってしまいますね」


アレク

「いじる?」


幸希

「はい。三つ編みにしたりとか、頭の上まで結い上げてポニーテールにしてみたりとか」


アレク

「ユキがしたいのなら、俺は構わないが」


幸希

「え、いいんですか?」


アレク

「あぁ。お前が楽しんでくれるのなら、俺の髪ぐらい好きにしても構わない」


幸希

「じゃ、じゃあ……、か、飾りとか、色々付けさせて頂いても?」


アレク

「ユキの好きにして構わない」



――二時間後。



ルディー

「……で、どうしてこうなった!?」


幸希

「あ、ルディーさん……。す、すみません。アレクさんの髪があんまりにも綺麗だったから……」


アレク

「幸希、出来たのか?」

(まだ自分のされた髪型に気づいていない人)


ロゼリア

「副団長……、とても、……前衛的、と申しますか、エリュセードに新しい風を吹き込む髪型になられましたね」

(笑いたいのをかなり堪えている)


アレク

「……新しい、風?」


ルディー

「お前な、一回鏡見てみろ……。相当凄い事になってんぞ」


アレク

「わかった……。――!!」


幸希

「ごめんなさい、アレクさん!! 出来心だったんです!! 日本人の黒髪と違って、西洋的な色合いだから、が、頑張り過ぎた結果……、こ、こんな感じに……っ」


――去年に引き続き、アレクで遊び過ぎた王兄姫。

アレクの頭は今、地球の西洋貴族女性(過去)が昔流行らせた、超が付く程の盛り髪スタイルをイメージし、羽飾りや宝石をこれでもかと装飾されてしまっている。

去年の日本兜以上の衝撃がアレクを襲った……。


アレク

「ユキ……」


幸希

「ご、ごめんなさい、アレクさんっ。つい、調子に乗って」


アレク

「……」


ルディー

「まぁ、あれだ。姫ちゃんにも悪気はなかったわけだし、あとでちゃんと戻して貰えばいいだろ」


ロゼリア

「しかし、よく出来た髪型ですね……。副団長、この髪形のままドレスでも着られてはいかがでしょうか? 少々、体格が良すぎる気もいたしますが……、貴婦人の心地が味わえるかもしれません」


ルディー

「やめとけ。俺達が笑い死にするだけだろ……。はぁ、去年の事もあるからなぁ……。セレスフィーナとルイヴェルが見ちまったら……」


ロゼリア

「ですが団長……、正直怖いものみたさが胸の内にあるのですが」


ルディー

「真顔で言うな、真顔でっ。あぁ、でも、姫ちゃんって本当器用だよなぁ……。これ……、どうなってんだ?」


アレク

「……」


幸希

「アレクさん……、あの」


ロゼリア

「放心されていますね……。暫くは放っておきましょう」


幸希

「で、でも……」


ルディー

「前回の兜以上のショックだったんだろうな……。ここに皇子さんがいなかったのが唯一の救いだが、……」


ロゼリア

「団長、『記録』はどういたしましょうか」


ルディー

「ん~……、とりあえず、『記録』しとけ」


ロゼリア

「了解しました」

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