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episode twenty-nine

遅れました。

ごめんなさい。

 シリウスはシルフィーレを救い出し、ルーベンス王国王都を脱出する。

 しかし、当然追っ手が放たれ徐々に追い詰められる。


 朝日の昇る平原で敵に囲まれた二人は、互いの気持ちを伝えあった。


「シルフィーレ!」


「シリウス!」


 抱き締め合う二人。

 

 重なり合う唇。

 

 そこへ降り注ぐ無数の矢。


 はたして、二人の運命は--


                    FIN





■□■□





「お疲れさまー」


「お疲れさまです!」


「おつでーす!」


 舞台は幕が下ろされた。

 アルカディア戦記はシリーズもので、この劇の行く末はまだ原作がない。

  

 よって、いいところで終わるのだ。

 

 まあきっと、原作者が疲れちゃったんだろうな。

 うん。


 ……ふぅ。


 普通に考えたら、ふたりはハリネズミになって死ぬよね。


 つーか助け出されてから再びピンチになるまで、2、3行って。

 死にたがりかよ。


「と、冬夜……」


 そして、これ。

 舞台を降りてから、俺の足下に纏わり付いてくる春賀。

 離れないと言わんばかりに、俺の服の裾を握って何処までも付いてくる。


 ま、悪いのは俺なんだけどー。


 春賀の攻略を少し急ぎすぎたな。

 しっかりフォロー&イートしなければ。


「春賀、こっち」


「……」


 ぐしぐしと顔を拭って、春賀はくっついてくる。


 俺はそのまま保健室へゴー。


 おっと、いかがわしいコトが目的じゃないぜ?

 人気の無い所に行きたいんだ。

 

 別にいかがわしいコトがry(大事なので2回言います)


 保健室につき、春賀をイスに座らせる。


 俺たちの他に人は居ない。

 

「大丈夫か?」


「……うん」


 コクリと頷く春賀。

 

 よしよし、頭を撫でて目線を合わせた。


「よく頑張ったな」


「うん」

 

「実はさ……あのアドリブ、指示したのは俺なんだ」


「!」


 正直に打ち明ける。


 すべては春賀の為だと嘘八百を並べ、俺が抉った春賀の心を再び俺が埋め戻す。

 最早洗脳に近いな。


 だけど、俺が欲しいのは妄信じゃなくて信頼だから。

 どこぞのテロリストみたいな真似はしない。


 俺を拒むようならそれまでだ。


 だってイチャラブセックスがしたいんだもの!


 ラブラブするには信頼関係が1番だよね。

 

「ごめん、な?」


「……いい」


 優しく抱き締めて、耳許で許しを請う。

 

 オーケーオーケー。


「……ありがとな」


「……う、ん」


 俺の胸に顔を押しつけてる形の春賀は、くぐもった声で返事をした。

 吐息で胸の部分が暖かくなってきた。


「じゃあ、1回出ようか」


「うん」


 その後俺たちは保健室を出て、普通に模擬店や出し物を見て回った。

 加那や七海、冬華らとも合流してあっちへふらふらこっちへふらふら。


 なるほどこれが学校祭か。

 

 楽しいな。


 しかし俺の天職は軍人かと思っていたんだが、案外役者や詐欺師の方が向いていたりするのか?

 演技とか、演技とか。


 本職の人には失礼になっちゃうけど。


 いや、詐欺師に失礼もクソもねーか。

 あるのは前科とガサ状です。 

 なんちって。


 ……寒。


 心の中で寒いジョークを考えながら歩き回り、いつの間にか初日終了の時間が迫っていた。

 

 俺の行くところ行くところ必ず人集りが出来て、結構大変だなーって思ったけれど。

 さりげなく3組の女子達が、俺が見て回りやすいようにしてくれていたお陰で、楽にふらふら出来たのだ。


 ほんっとうにいい娘達だと思う。


 明日はもっと大変だろうな。


 一般公開だし。


 初日の閉幕式を終えて、3組は校庭の片隅でホームルームを行い解散となった。


 裕璃や咲樹などのクラスメイトと他愛も無い会話をしつつ、校門に向かって歩いた。


「じゃ、また明日ね。みんな」


「「「「「「はい、またあした。冬夜くん」」」」」」


 別れの挨拶を告げ、楓さんの車に乗り込む。


 冬華と春賀はまだだな。


 都合がいい。


「お、おかえりなさい……」


「ただいま。それで?」


「は、はい……い、依然何も……」


「そっか」


「も、申し訳ございません……」


 ショボンとしてしまった楓さん。


 可愛い。


「別に楓さん悪くねーじゃん」


 俺は苦笑しながら、彼女の頬を手の甲で少し撫でる。

 そのまま横の髪を耳にかけて、首筋をなぞった。


「ひゃう……うぅ、と、冬夜様……」


「明日もお願いね?」


「は、はい……」


 嬉しそうにもじもじしながら、こちらをチラチラ見る楓さん。

 続きはお預けだ。


「ただいまー!」


「ただいま」


 理由はこの二人。

 サイドミラーに二人の姿が映っていた。


 フッ、状況確認は怠らない。

 これがプロ。


「ひゃう! お、おかえりなさい」


「おかえりー」


 おい楓さんや。

 あんたプロだろ。

 

 焦ってどうする。


「で、では出しましゅ……」


「……プッ」


 やべ吹いちまったww

 出しましゅww


 大草原不可避ww


 あーあ。

 楓さん、真っ赤になっちゃったよ。

 

 明日が心配になってきた。





■□■□





「ただいまー」


 帰宅。

 皆それぞれ挨拶をして、俺は部屋に荷物を置きに階段を上がった。

 

 あっつ。


 部屋のエアコンはタイマーつけてきたけど、やっぱり廊下や階段は暑いな。


 特に上の階。


 この部屋選んだ前の俺、熱い空気は上に行くこと知らなかったのかな?

 バカだな。

 クソニートっぽかったし、仕方がないか。 

 最終学歴小卒とか、履歴書に書けねぇわ。


 俺は自室に荷物を放り投げて、シャワーを浴びに向かう。

 あちーあちー。

 干からびる。


 脱衣場に入ると、そこには先客がいた。


「あ、お兄ちゃん」 


 あ、冬華ちゃん。


「お兄ちゃんも使う? ならお先にどーぞ!」


 何ていい娘なんだ。

 だけど冬華よ。 

 パンツとブラだけで譲られても、お兄ちゃん困っちゃう。


 なら先っちょどーぞ!


 だったら嬉しいです。


「いやいいよ。あー、一緒に入るか?」


「え!? いいの!?!?」


 いいよいいよ、オッケーだよ。


 入れるのは俺、入るのは冬華だけどね。

 冗談です。


 最高に下らないことを考えながら、二人でシャワーを浴びた。

 

「スッキリだね、お兄ちゃん!」


「そうだなー」


 妹よ、お兄ちゃん全然スッキリじゃないのよ。

 生殺しだよ。

 寧ろモヤモヤですから。


 はぁ。


 リビングに出て、冷蔵庫からペットボトルの麦茶を出して煽る。


 うめー。


 ボトルを冷蔵庫に戻して、向かう先は春賀の部屋。


 まってろ股間(ジョースター)

 いま使ってやるぞ。


 クハハ、ディナーの時間です。


「春賀、入るぞ?」


「はい」


 春賀の部屋に侵入。

 ちゃんと許可を取ったので、犯罪ではありません。


 いい匂いのする部屋。

 この間まで素っ気ないゲストルームだったのに、今ではすっかり春賀が部屋の主だ。


「冬夜、どうしたの?」


「ん~、すこし、な」


 そう言って俺はおもむろにベッドへ腰掛けた。


「春賀、座りなよ」


 隣へ座れと春賀に勧める。

 春賀は少し考えた後、首を横に振った。


「私、臭い」


「大丈夫だよ、ほら」


 俺は春賀の手を引いて、ベッドに座らせる。

 隣ではなく、俺の股の間へ。


「……別に臭くないじゃん」

 

 顔の前にある春賀の頭頂部と、首筋の匂いをスンスン嗅いでみた。

 

 石けんと、女特有の甘い香りと、汗のニオイ。


 3つが混ざり合って、なんとも言えないエッチなニオイを醸してる。

 いつまででも嗅いでいられる。

 癖になるニオイだ。


「んん、う、は、恥ずかしい」


 春賀は身をよじってくるが、本気では嫌がっていないようだ。

 俺には分かる。


 ∵ 美男子に密着されて嫌がる女は居ない。


 Q.E.D(証明終了)

 

 しばらくそうして、ライトイチャイチャを繰り返す。


 ここポイント。

 自分からはがっつかず、相手をその気にさせませう。

 そしたらもう完全勝利。


 そろそろいいかな。


「……春賀」


「……冬夜」


 振り返った春賀の顔は、朱色に上気してすっかりオンナの顔になっている。


 最近、舞台で眼帯に慣らすため普段から付けるようになった医療用の白い眼帯。

 その眼帯を取り外し、現れた傷痕に唇を落とす。


「あ……ん、んん……む」


 走り出しのみ、俺から出した。

 そこで春賀はスイッチオン。


 振り返って、俺の頬を両手で挟むと、熱いキスをしてきた。


「ん、んん……ちゅ、ちゅう、とぉやあ♥」 


 何度も。


 何度も。


 春賀の舌が、俺の唇をこじ開けてくる。

 おっと、甘いよ春賀さん。

 その程度じゃ、ディープキスとは言えないなぁ。

 どれ、手本を見せてやろう。


 俺は春賀を優しく抱き締めて、そのまま後ろに倒れた。

 春賀が上に乗る形だな。 


 そこから首筋にキスをした。

 

 ゆっくりと舌先を這わす。


 続いて耳たぶ。

 上、まん中、下の順で優しく甘噛み。

 その際よだれまみれにしないのがポイント。


 耳の凹凸に合わせ吐息をかける。


 次はおでこ。

 

 目尻、鼻梁と順番に攻める。


 やっと頬に辿り着き、唇へついばむようにキスをする。


 上唇、下唇。


 チロチロチュッチュッと、極限まで焦らしていく。

 

「ちゅ、ん、ちゅう……とぉやあ……もう、ん!♥」


 限界、と春賀が口を開いた。

 その瞬間、俺は春賀の口に舌を入れ口内を蹂躙する。

 ぬろり、と入り込む舌。


 歯と唇の隙間、歯ぐき、歯の裏側、口の上部、そして舌。


 順番に優しく舌で舐めてゆく。


「ちゅ、ちゅう……ん、とぉやあ……とぉやあ♥」


 絡み合う舌と舌。


「……ぷはぁ」 


「……あ♥」


 れろお、と互いの唇が離れる。

 つぅと一筋、唾液の後が引いた。


「んん、とぉや、うう♥」


「シたい?」 


 問いかけつつ、俺は手を春賀の秘密基地へ入れた。

 そこはもう大洪水。

 蛇口は開きっぱなしになっているみたいだな。


 手を抜いて、びしょびしょになった指先を春賀に見せつける。


「うう、いじわる……♥ したい、よ……んちゅう♥」


 再びのキス。


 あー、ヤバい。

 笑顔が抑えられない。


 歪んじゃう。


「ククク、いいよ」


 熱い吐息。


 蕩ける春賀。


 春賀の全てが今欲しい。


 コンプレックスの元である傷痕全てに舌を這わせ、入念に解す。


 春賀はもう、か細く喘ぐことしか出来ない。


 俺はもう止まれない。


 止まらない。


 イクところまでイッてやるぜ!!



 

 

 アディオス!

 







読んで下さりありがとうございます。


これからもよろしくお願いします!


それでは。


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