ノアと休日 子供達のプールデビュー
ノアが休みの日に、ユーリア地方の被災地で貰ってきた魚介汁をノアに食べて貰った。
私から給餌して食べさせたら、すっごく嬉しそうな顔で食べてくれた。ノアの嬉しそうな顔を見て私はほっこりした。
私が料理を作れたらいいんだけど、料理の才能が無いからどうしようも出来ない。たまに作ろうかなー?と思うけど、失敗したら食材が無駄になるから尻込みしてしまう。
レシピ通りに作ればいいんだろうけど、なんかアレンジしたくなっちゃうんだよね。レシピ通りじゃ面白くないって。料理に面白さを求めるのが間違いかもしれない。これが失敗の元なんだろうけど。
ノアに給餌が終わったら、カーマインの領都マルクスでノアとデートだ。一緒に散歩するだけで嬉しいんだけどね。
ゆっくりノアと手を繋いで歩いて、富裕層のお店に向かう。優しい時間が好き。
買わないで、ひやかすだけになってるけど、ノアは私にプレゼントを買いたくて仕方ないみたい。
装飾品のお店で、髪飾りを選んで買ってくれた。白い髪飾りだから、暗めな私の髪に付けたら、パッと明るくなる。
汚れ防止と劣化防止を付与して、ノアに髪に付けてもらう。気分が明るい。結局ノアに何を買ってもらっても嬉しい私なんだ。
喫茶店でのんびり隣り同士で座って、他愛のない話しをする。私はこの世界の名前に詳しくないから、子供の名前はノアに付けてもらう。その話しもしちゃう。ちょっと名前をつけるのは早い気がするけど。
多分だけど、お腹の子供を鑑定したら男か女か分かりそうなんだよね。でも、生まれて来てからの楽しみにするんだ。
子供の服やおくるみなんかは地球通販で買う事にしている。
この世界の物より地球の物が柔らかいのが決め手。実はお試しで買って、ノアにも触り心地を確かめて貰った。
教会に行って、神様に子供が出来た事を報告する。
ノアは何の神様を信仰しているのか確かめると、獣神様と運命神様だって。私と出会う前は獣神様だけだったみたいだけど、私と出会ってからは運命神様も信仰するようにしたらしい。照れる。
いい匂いがしたので、匂いの元、パン屋さんで菓子パンを買ってノアと半分こして食べる。「美味しいね」と言い合いながら食べる。幸せ。
このカーマイン領は人族の領地より優しい気がする。娼館なんて無いし、奴隷商も無い。みんな、物心ついた時から自分に足りない番いを意識するらしい。
友達や家族は大切でも、やっぱり1番は番いらしいのだ。借金をして身持ちを崩す人もいない。そうなりそうになったら、農家になるそうだ。いい領地だ。たまに人族が悪さをしに来るみたいだけど、獣人は鼻がいいからその人が良い人か悪い人かだいたい分かるらしい。私もその鼻欲しい。獣人に変身したら分かるかな?にわか獣人じゃダメか。
と言う訳で、獣人が固まって住んでいる訳が分かる。
ルンカさんとの勉強では、仲間意識が強いって事だったけど、あながち間違いじゃない。本当でもないけどね。
今は壁の中にある公園みたいな所を散歩している。マイナスイオンに癒されるー。
もうすぐ妊娠5ヶ月。お腹は隠せないほどの大きさになってきた。メタボって言えば隠せるかも知れないけど。
これから赤ちゃんはもっと大きくなる。筋肉つけないと、お腹の重さに耐えられない。確かプールとかがいいんだよね。ここじゃ出来ないけど。地道に散歩かな。
ノアが子供の鼓動を聴くのが好きなんだよね。寝る前とかにお腹に耳を当ててくる。私は分かんないんだけどなぁ。羨ましい。
ノアが飲み物を買ってくれた。公園の隅に座り、飲み物を飲む。ノアが私を後ろから抱きしめるようにして、お腹を撫でる。日差しが気持ちいいのもあって、うとっときそうだ。妊娠してなかったら、ただの猥せつ行為だけど。少し甘いお茶を飲んでまったりする。
お茶を飲み終わったら、ノアにもたれる。ノアはしっかりと支えてくれる。ノアは白い耳に白銀の髪、青い目に190cmくらいの身長。室内で文官の仕事をしてるのに、しなやかな筋肉が身体についている。獣人の特性かしら。
ウサギは見たから、リスの獣人とか見たい。尻尾が可愛いそう。獣人ウォッチングとかしたい。
この公園でも、丸まって寝ている人が居るけども。あれは何の動物の獣人かしら。あ、ノアがぎゅっとしてきたから、妬いてる。あまり他の人をじっと見ないでおかないと。ノアの腕をぽんぽんとして、なだめる。
立ち上がり、手を繋いでお屋敷まで帰る道を歩く。獣人の特性だろうか?ノアは歩くのを苦にしないんだよね。私はノアと手を繋いでゆっくり帰るのが好き。
お屋敷に帰ったら夕食。料理長に前もって今日は、お寿司にするって言ってあるから、出掛けてた服にクリーンを掛けて、地球通販で高級寿司を注文する。出て来たお寿司の食べ方を皆に教えて、食堂でみんなと食事を取る。付け合わせに味噌汁を出す。
獣人は、わさびがダメだったみたい。わさび入りのは別の日に私が食べるから回収して、わさび抜きを注文する。可哀想な事しちゃった。皆、警戒して食べてる。味は大丈夫みたいで口に合ったもよう。
子供達はいくらと玉子が好きみたい。
大人組はやっぱり大トロやタイやカニが美味しいみたいで、私は、海鮮太巻きなんかも好きなんだけど。いろんな贅沢な鮮魚が入っていて、口の中で楽しめる。
ノアが自分が食べて美味しかった寿司を給餌してくれる。ふむ、ノアは大トロが好きなのね。
さすが高級寿司、筋なんて入っていない。身が厚く切られていて、贅沢。ご飯も口の中でほどける握りだ。安いのは食べる前にご飯が崩れちゃうのもあるからね。
お味噌汁もいただく。久しぶりで美味しい。日本人だって感じるね。染み入る。他の人も味噌汁は大丈夫みたい。
美味しい食事が終わった。今度、食べる時は初めからわさび抜きにしなくちゃ、可哀想だからね。私は好きだけども。たまに鼻がツーンとして涙がでちゃうけど。
ガリも食べないとね。みんなはダメだったみたい。獣人には刺激物が駄目なのかもね。
ノアと部屋に行き、まったりする。本当は侍女の人がいるんだけど、手伝ってもらうのは、朝の支度だけ。ノアとの2人の時間を大切にしたいからね。
番いを持っている獣人は誰もがあつあつだ。侍女の人も年配の方だけど、お子さんもいるからね。ちょうど良いのだ。
だから、カーマインだけは貴族でも、自分の事は自分でする習慣がついているらしい。
お母様もライラさんも私も元々一般庶民。
私は、お世話はいらないって言ったんだけど、お世話される事に慣れないといけないって言われて、朝だけお手伝いしてもらっている。そのおかげで、王宮で褒賞を貰う時にお世話されても狼狽えなかったよ。
ノアと地球通販を見ているときに、ナイトウェアを見ていたら、セクシーな女性用のナイトウェアが出て来ちゃって、ノアが購入しちゃったの。それで、ノアに言われるまま来てみたら、ノアが喜んじゃって今じゃそれが私の寝巻き。ノアが素肌で一緒に寝るのが好きみたい。
この世界には無い服だから珍しかったのかも。お腹を締めつけ無いから良かったんだけどね。
今日もノアに甘やかされて、眠りにつく。幸せ。
翌日は、私は出掛ける予定はないからマタニティドレスを来て、ノアが仕事だから食堂でお別れして送り出す。ドレスを着るとノアの機嫌がいいんだよね。
お母様とライラさんとお話しして、子供がハーフだったらどうしよう?と相談したんだけど「ハーフ?」って通じなかった。しどろもどろに説明したら、そんな事にはならないんだって。
獣人として生まれたなら、獣人として生きていく。人族として生まれたなら人族として生きるんだって。
どちらかしか生まれないから大丈夫らしい。これは、エルフとドワーフも同じらしい。
エルフとドワーフも獣人と同じで、滅多に人族と結婚する人はいないらしい。たまにいるみたいだけどね。ごく少数。
エルフと結婚した人族は、結婚で少し寿命が伸びるようだ。寿命が違いすぎる夫婦を神様が憐んでくれた証らしい。
心が通ってなかったら、まず結婚の印は付かないそうだ。その後、心変わりする人はいるらしいけど。って事は私はノアと結婚するときに心を許していた事になる。ほぼ一目惚れだったかも知れない。
結婚相手を裏切ったら、裏切った本人は印が真っ黒に染まり、裏切られた人は結婚の印が無くなるらしい。
これは心の繋がりの問題で、体だけの場合には考慮されないそうだ。無理矢理襲われても、心が愛する人にあれば大丈夫だそう。
無理矢理襲った相手は神が認めた相手を引き裂く行為だから、天罰が下るらしい。未婚の相手には罰が下らないそうだが。娼婦の人とかいるからね。だから未婚女性は危ない場所に近づかないそうだ。1人の時は人が多い道を歩いたりね。
どうしても、プールの事を考えたら入りたくなってしまった。今は初夏だし。ぬるめの水なら入れるでしょ。
でも、場所はどうしよう。私が勝手に使っていい土地なんてここには無いからなぁ。お兄様に聞こうかなぁ。
お昼に帰って来たお兄様に聞いてみた。土地はあるが、破廉恥な格好を周りから見えないようにすれば、土地を使っていいらしい。
これには喜んだ。ノアが何がいいのか分からず、不思議そうな顔をしていたけれど、夏と言えば海にプールにお祭りだ!お祭りはないけど。海も魔物がいるから危ないし。夢がないな異世界。魔法はあるけど。
執事さんに案内された場所で作業をする。
土魔法で10m×10mのちょっと小さめに、浅い所と深い所を分けて、土をアイテムボックスに放り込む。
創造魔法で、学校のようなプールを創造して造る。
プールの脇に、男性用と女性用の更衣室を創造魔法で造り、完成だ。
あっ!水の排水!スライム10匹ぐらい入れればいいか。買ってこよ。
領都の建材屋に行って、スライムを買いインビジブルを掛けて飛行魔法で飛んで帰る。
プールに着いたら、水の入ってないプールに入り、排水溝を深く掘って買ってきたスライムを入れる。排水の蓋を閉めて、プールから出て、人の目に触れないように2mの壁をプールから離して、創造魔法で造る。
水魔法でぬるめの水を入れれば完成だ!
お母様とライラさんと子供達と遊ぼう!
子供部屋に行き、地球通販で各々水着を選ぶ。子供用のは私が選んで買った。
お母様達は「破廉恥だわ」と言いつつ、楽しそうと思ったのか、控えめな水着を選んでいた。ワンピースタイプだ。私はビキニタイプ。妊娠してるから、お腹を締めつけ無い為だ。格好は悪いだろうが。お腹が出てるから。
みんなで水着を持って更衣室に行く。男性用も作ったけど、子供達だから一緒に着替える。子供達の着替えはすぐ終わったが、お母様方が伸縮があって、きつい水着に苦戦している。手伝って着てもらう。髪も縛る。
プールから出たら、タオルがいるから地球通販で人数分買ってプールサイドに置いておく。地球通販でビート板と浮き輪と空気入れを買って、用意する。
お母様方と子供達にはプールサイドで少し運動をしてもらう。足がつったらいけないからね。ちょっと足や腕を伸ばすのを指導しつつ、急いで浮き輪に空気を送り込む。
子供達はほぼ裸で、外にいるのが楽しいのか走りまわっている。
浮き輪2つに空気を入れ終わったので、お母様方と子供達を呼んでプールサイドに足を付けて入水させる。私は足と手の筋を伸ばして先にプールの中に全身入れる。
子供達をサポートして水に慣れてもらう。お母様方はそのまま入水してもらい、一緒に子供達のサポートをする。子供達にばた足の見本を見せてばた足をさせる。
お母様方は飛んでくる水に「きゃっ」と言いながらも楽しそうだ。子供達に身体の力を抜いてもらい、水に顔をつける練習をする。鼻が痛いみたいだから、治癒魔法を掛けながら練習させる。
水に慣れた所で、子供達には浮き輪を頭から被せてプールにぷかぷか浮かせる。お母様方は子供達の浮き輪のひもを持って水の中を引っ張ってもらう。水の抵抗に驚いているようだ。
そう、プールは全身運動!疲れるのだ。早くも子供達はばた足をしている。自分達で動くのが楽しいみたいだ。お母様方は振り回されている。いいんだ。それもまた楽しい。
私は空気を溜めて、水の中に潜りプールの底から横になり、水面を見る。水の中から太陽の光でキラキラした水面を見るのが好きなんだ。息が苦しくなるまでたゆう。
ざばっと水から上がるとお母様方が心配していた。そんな長い時間潜って無かったんだけどな。
水でずぶ濡れになった私を見て、決心がついたのか、お母様方が水に顔をつける。すぐに息が苦しくなったみたいで「カヨさんは凄いわ」と言われるが、慣れだと言っておいた。子供達は浮き輪に慣れたようで、2人で遊んでいる。
子供達の浮き輪のひもを持って10m駆け抜ける。楽しかったようだ。もっともっとと言ってくる。疲れるまで子供達を引っ張りまわした。
一度、全員でプールサイドに上がり、水分補給をする。水の中の運動は知らず知らずのうちに体の水分が出てしまう。細やかな水分補給が必要なのだ。
お母様方にどうだったか聞くと「意外と楽しかったわ」と返事をもらえた。子供達は聞かずもがな、楽しかっただろう。
夏の間は午後はここで遊ぶのも良いなと思った。
もう一度プールに入って遊んでから、プールを上がり、水を抜いて更衣室に行き、着替える。
皆にドライを掛けて子供部屋まで歩いて行く。
子供達は眠そうだ。ベッドに入ったら爆睡してしまった。初めての水遊びで疲れたんだろう。ちょっとおっさんみたいに寝ている。かわいいが。
今になって、写真を撮れば良かったと気づく。子供達のプールデビューだったのに!今度は忘れないでおこうと決意した。
夕食はプールの話しで、いっぱいだった。子供達も興奮して話している。
お父様方はそんなに楽しいなら、一緒に遊ぼうかと考えたようだ。
私は地球通販で、男性の海パンを選んだ。なるべく地味なものを。こちらの世界の人から見ると破廉恥らしいから。
「休みになったらノアも一緒に遊ぼうね」と誘う。基本的にノアは私の事を否定しない。良い返事を貰う。
次の休みが楽しみだ。




