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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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ユーリア地方の後片付け

 翌朝目が覚めて、朝の準備をしてからクリムを食べて、被害が合った場所以外の兵士を瞬間移動扉で王宮に返していった。避難していた人々も帰るだろう。


 問題は被害があった場所だ。私は被害が出た場所の兵士と話しをして、一度、王宮の判断に任せる事にした。


 瞬間移動扉を役場にセットする。扉をくぐって、近くに居た兵士に被害状況を伝えて伝令が来るのを待つ。王太子殿下が兵士達と来た。


「おはよう、カヨ夫人。近日は頑張ってくれたね。ありがとう。現場には私が行くよ。髪を取ってくれるかな」


 王太子殿下の髪を受け取り瞬間移動扉のポケットに入れる。避難所から帰った兵士達がまた来た。王太子殿下の護衛だろう。

 被害のあった場所に来ると、波のオブジェを見つけて、王太子殿下が笑い出しそうになっていた。笑い事じゃないんだけどなあ。あれは私の努力の結晶なの!


 でも、津波の規模は分かったみたいだ。流された場所を検分している。家の残骸などがあるから、兵士に片付けをさせている。住民もちらほら帰ってきたようだ。王太子殿下を護衛が囲んでいる。


 私もアイテムボックスを使って、兵士が集めた残骸をアイテムボックスにゴミをどんどん捨てていく。

 子供が使ってた遊び道具なんかが、泥にまみれて地面に落ちてると、見るだけで切なくなる。

 でも、もう使えないからゴミとして捨てていく。心が痛いよ。ギリギリまで、避難を呼びかけただけあって、死体がないのが救いだ。

 家族に置いて行かれた人は何を思っただろう。悲しかったに違いない。


 兵士達と時間を掛けて、辺り一体を掃除し終わったのは15時を過ぎた時間だった。片付けた場所に机を出して、キッチン組が作ってくれた食事を並べて兵士や王太子殿下が変わるがわる急いで食べていた。


 住民はほぼ帰ってきており、氷のオブジェを見て恐怖していた。避難指示がなければ、従ってなければ、この大きな波が自分達を押し流していたんだろうから。


 数人の地元の兵士が役場の近くで、地元の女の人達と炊き出しをしている。貴重品を持って避難して家が無事の人はいいが、家を無くした者は食うにも困るだろうからありがたい。


 家を無くした人達が、役場の前にたむろしている。その顔は食事をしながら、不安で彩られている。兵士が道を開けさせて、王太子殿下が通れるようにしてくれている。


 役場に入り、町長と王太子殿下が話しをしている。家を無くした人達の処遇だ。私は口を出した。


「殿下!私は家を用意できます。家を建てる区画を整理していただければ、家を無くした人達の家を用意いたします」


「そんな事が出来るのか!それでは、急いで土地を管理している役人と兵士で、区画を作ろう。町長、協力を宜しく頼む」


「分かりました。出来るのなら、願ってもないお話しです。急いで今日中に区画の整理をして行きます」


 町長が役人に指示を出して、道具を持った数人が兵士と出かけていく。王太子殿下は今回の復旧にかかる税金は免除するとお話しされている。政治の事は殿下に任せて、私は開拓村で作った家の設計図をアイテムボックスから出して、思い出すように見てイメージを固める。鍵は一軒ずつ違う物をイメージする。


 家が押し流された場所まで来て、地面にドライを掛けていく。見える範囲の地面を平らにする。これで、区画を区切るのに作業しやすくなるだろう。


 私は、区画整理した場所から地面を圧縮して、家を建てていく。中に入り、排水やトイレの穴を掘ったり、大まかな家具、ベッドや机を配置する。

 日暮れまでに家が無い人達の為に1軒でも多く、家を建てないといけない。

 この力を与えてくれた、運命神様とメンリル様には感謝しかない。復旧にこんなにも能力が役立てている。


 役人によって、家を流された人達が先導されて歩いてくる。その役人にベッドが少なければ教えて欲しいと言い、スライムがいないから、準備して欲しいとお願いする。その後、家を建てる作業に戻る。


 それを見た住民達が、驚いている。そうだよね、いきなり家が建ったら驚くよね。分かるけど、今日の暮らしの方が大事なの。

 すべて同じ家だが、若干、色が異なっている。家を間違える事はないだろう。鍵は玄関の棚の上に置いている。


 役人から説明を受けて家を割り振られている人達からだろう歓声が聞こえてくる。喜んでくれるなら嬉しい。悲しいより嬉しい方が良いからね。


 日暮れまで家を建てた。建て過ぎたくらいだ。けれど、生活をしていくには家の中は足りない物だらけだ。国が援助するだろう。


 王太子殿下に瞬間移動扉は役場に当分つけたままでいて欲しいとお願いされた。私は了承する。

 王太子殿下と王宮の兵士達と、瞬間移動扉を使って王宮に帰る。王太子殿下は今回の褒章があるだろうから、手紙で連絡すると言って王宮の中に入って行った。


 私は人気がない場所から、領地のノアの部屋に帰る。ノアは起きていた。ノアを見た私は安心してノアに駆け寄り、何かわからない感情で涙を流し子供のように泣いた。ノアは静かに私を抱きしめて頭を身体を撫でてくれた。ベッドに寝かしつけられて、ノアの匂いに包まれながらこてんと夢の中におちた。


 ノアはやっと帰ってきた番いが、心を痛めて泣いているのに何も出来ない自分がはがゆかった。でも、危ない所から無事に帰って来てくれて嬉しかった。番いを抱きしめながら、ここ数日落ち着かなかった気持ちが落ち着いているのを感じて、幸せの中で眠った。

 どうか、私の元から離れないでと願いながら。





 翌朝、私の方からノアにベタベタして、寂しさを紛らわせていた。ノアは、いつになく積極的な番いに嬉しそうにしていた。


 食堂に行き、家族のみんなに迷惑をかけた事を謝った。みんな「大切な事をしていたんでしょう?」と逆に褒めてくれた。心がポッポッと暖かくなった。

 久しぶりにまともな食事をいただきながら、カヨは家にいる幸せを噛み締めた。


 仕事に行くノアにちゅっとキスをして、ぎゅっと抱きしめた。ノアが覆い被さるように抱きしめて来て、お父様に怒られていた。


 男性陣を送り出した後、お母様方にユーリア地方に行ってくるがお昼には1度帰る事を言い、瞬間移動して被災地にやって来た。


 海が凍っているから、漁業が出来ない。それ以前に漁船が全て壊れてしまっているので、食事が足りない。そこは国からの支援で賄ってもらうとして、私は海を遠い場所から飛行魔法で空を飛び、氷を溶かしていくのだった。


 子供達が私を見てきゃーきゃー言っているのを、空を飛んでいるのが珍しいのかなと思い、そのまま作業を続けた。


 お昼に屋敷に帰り、ノアを出迎えてハグをした。昨日からノアが近くにいてくれるので、私の心が安定してきた。ノア様様だ。家族と美味しい昼食を食べながら、ユーリア地方の話しをする。お母様方は「まあ、それは大変ね」と言い、お父様やお兄様は政治的な観点から、王家の動きが早くて素晴らしいと言っていた。


 私はお父様に、王太子殿下が褒章があるとおっしゃっていたが、どんな褒章かと聞くと「難しいな」と言われた。勲章を貰う事もあるし、金銭で労力に対する褒章もあると言われた。王家の意向しだいだと。


 あまりかまえなくてもいいかな、と気を楽にしてちょっとノアに甘えた。ノアは嬉しそうだった。


 昼食を終えてからも、ユーリア地方に行き、氷を溶かした。一気に溶かすと海岸線だけ水が多くなるから、少しずつ溶かして行く。


 凍らせた波が多かったから、時間がかかる。ほぼ半日掛けて凍らせたんだものと思いながら、災害は起こる前も起こってからも大変なんだなぁと考えた。



 災害が起こってから、3日で海の氷は溶かし終わった。水温が低いから、魚が戻ってくるには時間がかかるだろう。


 漁業をする人の為に、帆船を買おうかと思ったが、何故か地球通販には、芸術的な帆船しか出てこなかった。これでは整備が大変だと思い、漁船で検索してみると、エンジン付きだがシンプルな物が多い。

 一つ魔道具化して買い、取り扱い説明書を読んで、何とか使えるように練習した。1日はそれで終わった。アイテムボックスに漁船をしまい帰る。 


 次の日は、魚を求めて出発だ。1人で漁船を運転して、かろうじて陸が見える所で止まった。

 雷魔法を海中に撃ち込んだら、沢山の魚が浮いて来た。私は慌てて念動力を創造して、浮いた魚を全部集めて、1つずつ食べれるか鑑定していった。食べれない魚は5%ほどで、ほとんど食べれる物ばかりだった。中には海の魔物もいたようで、そうした魔物は美味しいと鑑定で出たので、ご機嫌で陸に帰還した。食べれない魚はアイテムボックスのゴミ箱に捨てた。


 漁船をアイテムボックスにしまい、炊き出しをしている所に行き、魚が沢山獲れたのでお裾分けした。久しぶりの魚に喜んでくれた。

 海鮮汁を作るみたいで、出来上がりを待ち、出来立てをご馳走になった。海の旨みが凝縮されていて、とても美味しい食事だった。悪阻の私にも食べられる汁物でありがたい。身体に栄養が染み渡ってくるような味だった。さすが漁業の町だと思い、地元の味は美味しいのだと実感した。


 屋敷の厨房に取って来た魚を差し入れて、料理を作って貰う事にした。料理長は若い時に海の魚を料理した事があるみたいだけど、苦戦していた。周りのコックさん達が興味深く、料理長に魚の捌き方や料理の仕方を教わっていた。

 ここは内陸だから、川魚しか獲れないのだ。海の魚とは、味なんか全然違う。厨房が魚の匂いで満たされた。ちょっと、うっとくる匂いだったので、自身にクリーンを掛けて厨房から逃げてきた。


 みんな獣人なので、厨房から香る匂いに興味津々だった。


 私の夕食は、白身のさっぱりした味付けだった。ノア達他の家族は、魚の美味しさに感動していた。ティモシー君とウィル君は初めて食べるみたいで、メイドさんが骨を取ってあげていた。美味しさに満足そうだった。

 海辺に私が行けるようになったので、今後は食事に魚が出てくる割合が増えそうだ。




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