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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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ユーリア地方の危機 1

 翌日には結婚相談所でコリンとイーサンとソフィアに私の仕事を見学してもらい、1人で受付出来るようになってから、基本の受付はコリンにしてもらって、イーサンとソフィアは本を読んで勉強してもらう。人が増えて来たら2人共仕事をして、休みは3人で回してもらう事にした。


 読心が出来るのは私だけだから、結婚相談所に来れる時は出来るだけ来るようにしている。偶にタチが悪い人が来るので、体格のいいイーサンに出てもらう事にしている。


 なんだか見ていると、イーサンとソフィアに気がありそうな人がちらちらいる。結婚相談所って結婚相手を探す所だからわかるけど、2人は真偽判定を持っているから、ちょっと人を見る目が冷めてるんだよね。2人にも結婚していいよって言ってるんだけどね。


 コリンは初めに来たサヤちゃんと仲が良さそうにしているんだけど、煮え切らないんだよね。男ならはっきりしろい!サヤちゃん奥手だから男から攻めないといけないんだぞ。他人が口を出す問題でもないから見守っているけど、悶々とする。絶対気があるのに。読心があるからわかるんだぞ。2人が危なくなったら口だそう。


 そんな訳で結婚相談所は順調です。



 もうすぐ夕方になる時間、私はカバン屋さんに来ていた。ここのカバンのマジックバッグの売れ行きがいいのだ。

 マジックバッグを買う人は富裕層や商売人。目が肥えてる人達だけだ。それだけ資産を持ってるって事だからね。そんな人達が買っていくバッグ。やっぱりいい物だ。だから仕入れにやって来た。


 カバン屋に入ると皮製品独特の匂いがする。私は良さそうなデザインのカバンを手に取っていく。ここは信用できる気がするんだ。

 主人が作っているって言っていたから数はあまり作れないのかも知れない。1人で作るのは大変だからだ。

 そんなバッグを買い占める勢いで手に持つ。地球通販のブランドバッグもいいが、この世界の職人さんが作るバッグもいい。一概にどちらがいいとは言えないんだ。

 手に持ったカバンをカウンターに置く。


「お会計、お願いします」


「また来てくれたんですね。ありがとうございます。全部で金貨52枚です」


 私は金貨52枚を払う。安すぎる気がするが、店の経営に口を出すつもりはない。


「ここのバッグはいい物ですね。また来させてもらいます」


 私はアイテムボックスにカバンをしまう。


「ありがとうございます。また来てくださいね」


 気のいい返事を聞きながら帰る。夕食の時間が近づいているのだ。遅れる訳にはいかない。


 私は人気のない所から、瞬間移動でノアの部屋まで行った。そこから食堂に歩いていく。

 お母様達が居たから挨拶して席に着く。その後男性陣が来た。ノアとお帰りなさいのハグをする。

 私だけ違う食事を取る。本当はみんなと同じごはんが食べたいけど、今だけのはずだから料理長の気遣いごはんを食べる。

 どうも、米やお腹に重い物がダメみたいなんだよね。まだ悪阻は軽い方らしいんだけど。酷い人だとお湯の匂いだけでもダメな人がいるらしいからね。そんな人は何食べてるんだろう?


 人は生まれてから苦の娑婆だっていうけど、お腹にいる子には楽しい世界であることを願う。


 食事が終わって、ノアと部屋に行く。

 最近この時間が好きなんだよね。ノアがゆったりと私を抱きしめてくれて、1日の話しをするの。ノアが妊娠してからさらに優しくなってくれて嬉しい。

 ちょっとイタズラ心が湧いて来た。読心使っちゃおうかな?読心On!


『カヨ可愛い可愛いでも我慢だ我慢ベッドに連れていきたい駄目だ妊娠してるから可愛い可愛い可愛い……』


 はい!Offー!!頭が煩悩だらけだよ!心と体と言動が合ってないよ。ノア病まないでよ〜。

 ノアの心が落ち着くようにもっとピッタリくっついていた方がいいかな?

 ノアの身体にぎゅっと抱きつく。一瞬ノアがビクッとしたけど、ちゃんと受け止めてくれる。優しいキスもしてくれる。ごめんね。もっとノアの事も考えるから。


 ノアと手を繋いでベッドに寝る。安心して眠れる。



 カヨは良かれとノアにひっついてるが、男の身体と心を理解していない。獣人のやっと番いが見つかって数ヶ月の蜜月の時期に子供が出来た事に、ノアが嬉しくも複雑な気持ちでいる事を知らない。

 勝手にわかった気がしているだけだ。それでもカヨは無防備にノアを信用して寝ている。ノアの気疲れはまだまだ続くだろう。








 翌朝、男性陣を仕事に送り出した後、何をしようか考える。のほほんと果物の収穫もいいなぁと考えていた時、右手が硬直した。いきなりの事でびっくりしていたとき頭に声が右手の甲から上に映像が浮かんだ。カヨの身体は神気で光っていた。それの内容を知ったカヨは王宮の前にいきなり転移した。目の前に門番がいる。


「な、何奴!不信しゃ「今すぐ!国王陛下をお呼びして!これは神官からの要請です!」」


 門番は混乱していたが、カヨの手の甲の印と内容が理解出来たら、慌てて王宮に使いを出した。


 カヨは初めての神託に疲れてその場に座りこんだ。門番に要請を受けた兵が、カヨを守るように取り囲んだ。カヨが来て約20分後、近衛兵に囲まれた国王陛下が王宮前に現れた。


「カヨ夫人どうしたのだ、こんな朝早くから?」


「国王陛下!神託が下りました!ユーリア地方に明日の昼頃津波が押し寄せてきて、そこに住む人すべてを飲み込み、死の大地と化してしまいます!助けて下さい!」


「何!?本当か!?それが本当なら大変な事になるぞ!今すぐ兵を向かわせて住民を避難させなければいけない!急ぐぞ!」


「国王陛下!私は人より沢山の能力を持っております。お役に立てる事はありませんか?」


「……カヨ夫人も着いて参れ!」


「はい!」


 カヨは疲れた身体を立ち上がらせて、陛下に付いていく。兵士が周りを囲み、守られるようにして王宮に入った。


 王宮の人々は朝からただならぬ様子に、邪魔すまいと壁に寄って避けて行く。その中を国王陛下とカヨは進んだ。国王陛下は歩きながら兵達に指示を飛ばしていた。


 大きな部屋に入る。そこは国王陛下と各大臣が大事な会議をする場所だった。陛下に指示された兵士が、大きな地図を持って来て机の上に広げた。


 王太子殿下と各大臣も慌てて部屋に入ってくる。カヨは1つの席に促されて座った。それほど神の力を人の身で受けるのは、身体に負担が掛かる事だった。だが、今は気力を振り絞らなければならない。

 陛下が立ったまま声を張り上げる。


「神官が神託を持ってきた!内容は、明日の昼頃ユーリア地方に津波が押し寄せてきて、そこに住む民を飲み込んでしまうというものだ!これを阻止せねばならん!会議だ!」


「「「「「はい!」」」」」


 皆の声が揃った。


「海辺は遠い。間に合わんではないか!?」


「いや、塩の流通の為に少し離れるが瞬間移動扉が王都と繋がっていたはずだ。そこを使えばなんとか……」


「兵士は人数が多いほど動きが遅くなる!少数精鋭で行かねば間に合わんのではないか?」


「まずは近くの領都に緊急通信で連絡しなければ」


 私は地図を眺めて大臣達が言う話しを聞いていた。瞬間移動扉があそこにあって、1領地くらい離れた場所がユーリア地方。頭のマップにチェックを入れる。そこに兵士を送りこんで、人海戦術で民を非難させるのね。それなら!


「はい!!注目!!」


 議論していた物達が一斉にカヨを見た。


「瞬間移動扉を避難に向かう兵士の近くにセットして、もう片方の対になった瞬間移動扉を私が持って、王都の瞬間移動扉から繋がっているユーリア地方の近くの瞬間移動扉まで移動して、そこから飛んで行きます!ユーリア地方に着いたら、対の扉をセットするので兵士の方の髪を用意しておいて下さい!」


 会議室がシンとなった。大臣達が口を開こうとしたときに国王陛下が声を出した。


「カヨ夫人!それは可能か!?1人で万の民の命を預かる事が出来るか!?」


「出来るんじゃなく、やらなければいけないんです。出来なければ私が見た神託のように民が死んでしまいます!」


「その言葉!信じるぞ!誰かカヨ夫人を救助に向かう兵士の所と、王都に設置してある瞬間移動扉まで案内してくれ!」


 私について来てくれた兵士が先導して歩いてくれる。私の後ろにも付いてくれる。急いで行かないと。

 私は兵士に付いて歩き出した。後ろで大臣が騒いでいるが知るもんか!


 身体が辛い飛んで行こう。私が浮かぶと回りの兵はギョッとしたようだが、一緒に歩いてくれている。それを見ている王宮の人達の方が驚いている。こんな時じゃなければ、笑ってしまいそうだ。


 兵士の訓練場にきた。兵士が止まり「ここに瞬間移動扉を設置して下さい」と言ってくる。私は大量に作ってあった瞬間移動扉を出して、セットする。ポケットに私の髪を入れる。


 また兵士が先導してくれる。馬車に乗って行くようだ。私は車をアイテムボックスから出して、兵士に乗って案内してもらうように頼む。3人乗って来た。そうなんです。この車4人乗りなんです。他の方すみません。


 私は兵士の案内に従って車を運転する。都民の高級住宅街に来て、大きな建物の前で止まる。

 アイテムボックスに車を入れて、兵士の人について行く。大きな扉を開けてもらって、立ち番していた兵士が驚いている。

 一緒に来た兵士が立ち番をしていた兵士に説明している。そうか、本当は瞬間移動扉を使うには、予約と身元をはっきりさせないといけないんだ。私は、お兄様から貰った身分証を見せる。一緒に来ていた兵士も身分証を見て驚いている。

 何か変なことしたかな?通っていいと許可が出る。門番に私の髪を2本渡して、通れるようにしてもらう。


 私はついて来てくれた兵士の方達にお礼を言って、瞬間移動扉をくぐる。


 この先に行ったら、自分との勝負だ。





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