瞬間移動扉と結婚相談所
今日は王宮にお呼ばれした。瞬間移動扉の事だ。
普通の大きさでも馬車が通れるくらい大きいけれど、デザインを変えれると聞いた国王陛下がデザインを決めたいと言ったので、先送りになっていた案件だ。
王太子殿下が対応してくれたので、この間の事件のお礼を言った。国を守る者として当然の事だと言われた。王太子殿下、素敵。
「神の怒りもあったしな」と言われても私はクエスチョンだ。私が知らない事に気づいてくれた王太子殿下が説明してくれた。
毒を盛るように指示していた先代と実行犯の料理長が、神の怒りを受けて顔に罪人の印を付けられたらしい。ルーシーさんのお父様が、事件に気づけなかった責任をとって、当主をルーシーさんのお兄様に継がせたそうだ。お爺さま以外の男爵家の人は正しい行いをしたので、男爵家はそのまま存続させるらしい。
それを聞いてホッとした。私のせいでお取り潰しにならなくて良かった。みんな、いい人ばかりだったから。
神の怒りは一瞬だったけども、見ている人もいるので人の口に戸は立てられないから諦めて欲しいと言われた。ルーシーさん達が不利益を被る事が無いといいけど。私の正体もルーシーさん達にはバレたらしい。まぁ些細な事か。
説明は終わり、私は貰ったデザイン画を見て、作れるかイメージした。作れそうだったので、王太子殿下に作れますと大丈夫の返事をした。
今日は国王陛下はいない。忙しいんだって。そうだよね、一国の王様だもの。王太子殿下に聞いたら、普通の一般の民とも謁見する時間を設けているらしい。一般の民の生の声を聞く事も大事だと言って。予約待ちは凄いらしいけど、素晴らしい考えだ。またこの国の良いところが知れた。王様が好きになったよ。もちろん恋愛的な意味じゃないけどね、人としてって事。
王太子殿下に案内されて、広いダンスでもするような所に案内された。この場所で、46セット瞬間移動扉を作って欲しいそうだ。初めの1個はデザインが固まるまで時間がかかるけど、その他は慣れてくるので時間はかからない。
最初の1個を作った後はせっせと1つずつ作っていく。数を数えながら、作っていくので時間がかかる。46セットって多いなぁ。
この間の王太子殿下の執務を手伝っている男性が助手についてくれた。大分楽になった。男性、メイソンさんが数を数えてくれる。壁に立て掛けながらだから、ホールが扉でいっぱいだ。最後の方は床に置いていく。全部終わった所でメイソンさんが、もう一度数えてくれて数は合っていたらしく終わりだ。
王太子殿下からお願いがあるらしく、始めの部屋に戻った。
王太子殿下からのお願いが、自分の子供にプレゼントしてくれた、車のおもちゃが欲しいとの事だったので、車のお店に展示してあるような車のおもちゃ100台くらいと、それを入れるケースをプレゼントした。
王太子殿下が狂喜したので、イタズラ心が沸いてラジコンを魔道具化して出して動かしてみた。王太子殿下が興奮したので、使い方を教えたら夢中で動かしていた。王太子殿下には大分お世話になっているから、これぐらいはプレゼントだ。
でも、だんだん王太子殿下が車好きになって行く事に不安になっていく。また、車の注文が来たりしないよね?
王宮での仕事もこれで終わり。後は国王陛下と王太子殿下に頼るしかない。1人でも多くの子供達が幸せになりますように。
そういえば、国策で塩の流通を国が管理するのに、ツブラの時に販売した瞬間移動扉が活躍しているらしい。
そういや、いつのまにか塩が安くなっていたなぁ。馬車くらいは通れる大きさだから、いっぱい運べるんだろなぁ。自分が売ったものだけど、それを王家が役立ててくれている事が嬉しい。今の王家好きだな。優しい。私に見せている顔が優しいだけで、本当は優しさだけじゃ国は動かせないんだろうけども。
これで、ひとまずの予定は終わった。今度は、自宅にて勉強させているコリンの為に新しい店を建てないと。
コリン1人じゃダメだから、もう2人借金奴隷を買って来ないと。
私は瞬間移動で自宅の玄関に移動した。コリンを呼んで一緒に出かける。外に出て扉に鍵をかけて、奴隷商にGoだ!
歩いて行く途中にコリンに、店で一緒にコリンの下で働く借金奴隷を2人購入する事を話す。コリンの意見も聞きたいから、一緒に働きたい人がいれば怪我や病気は治すから、教えるように言う。
コリンも一緒に働く人だからか、やる気に満ちている。いい事だ。
奴隷商に着いたら、いつものやり取りで中に入る。商談室で待っているとハリーさんがやって来た。
「今回も当店を利用していただきありがとうございます。カヨ様のお買い物が終わりましたら、奴隷の治療をお願いできるでしょうか?」
「分かりました。契約通りにお願いします」
「心得ております。今回はどんな奴隷をお求めで?」
「素直で人を見る目がある人がいいですね」
「その条件の奴隷だと……難しいですな。人の心の中は分かりませんので、人を見る目があるかどうかは分かりません」
「それでは、出来るだけ多くの奴隷を見せていただきたいです」
「分かりました。こちらへどうぞ」
ハリーさんとも、そこそこの付き合いだから私の性格を知られているな。案内されるまま、コリンとついて行く。
地下1階に降りると、1人ずつ紹介される。真偽判定を使いながら話しをしていく。コリンにも質問させる。前提として、若いコリンの下で働かないといけないので、自分より若い人に従いたくない人は働けないのだ。若いコリンに嫉妬している人もいるからね。
最終的に5人まで絞った。後はコリンの判断に任せる。コリンは顔が綺麗な身体の大部分がヤケドしている男性と生まれつき奇形だろう女性を選んだ。職種を考えれば当然かもしれない。コリンには商談室で待っていてもらい、新しく入って来たらしい奴隷達に治癒魔法で治療していく。やっぱり双子の女性を治療したときから、治癒魔法がスムーズに通っている気がする。私にも患者さんにも治療が早く終わる事はいい事だ。制約魔法も同時にかけていき、治療を終わらせる。
ハリーさんが、治療した奴隷のお金を計算している時に、奴隷との契約を他の従業員の女性にしてもらい、契約が終わって私とコリンと買った奴隷2人になったら奴隷2人に治癒魔法を掛けて身体を治した。2人共驚いた後、静かに泣いていた。コリンと2人で自己紹介をして、男性がイーサン、女性がソフィアと言う名前だった。
ハリーさんが来てイーサンが金貨500枚でソフィアが金貨450枚だった。治療の代金のほうが安かったので、残りの金貨50枚を払い、書類を貰って奴隷商を後にした。
全員にクリーンを掛けて、お店を順に回って2人の服と下着、靴下に靴と日常で使う雑貨を選んで貰い購入していった。
家に帰ったら、昼食の時間が近かったので、荷物はリビングに置いてもらい、コリンに2人を案内させて、食事もする様に指示する。
私は、お屋敷に行って食堂に行く。待っていると子供達が来たので戯れて、可愛い可愛いってした。本当に可愛いんだもん。お兄ちゃんのティモシー君はもうそろそろかっこいいって言ってもらいたいみたい。生意気だぞ〜、可愛いけども。きゃっきゃしていると、大人組が来た。
ノアとお帰りのハグ。私から他の人の匂いがするとやきもち妬いたみたい。仕方ないよ、仕事だもん。椅子に座り昼食を食べる。ライラさんの妊娠の時も料理を作っていたのか、料理長の妊婦さんの食事がマッチし過ぎて凄い。美味しくてむかむかしない。料理長に任せておけば食事は安心だ。
そう考えると、獣人は鼻がいいから人族より悪阻が大変なのかもしれない。ライラさんが大丈夫なように作ってたんなら、私なんかはちょろいもんだよね。
ノアとお別れのハグをして、自宅に戻り2階に奴隷2人の部屋を作る。本人をイメージして、カッコいい部屋と綺麗な部屋にしてみた。いいんじゃない?1人で満足して1階に行く。3人はリビングでくつろいでいた。
イーサンとソフィアに制約魔法をかけて、真偽判定を付与した。2人共苦しがっているので、治癒魔法をかけて楽にしてあげる。2人に人の言っている事が本当か嘘かが分かるようになったよと言えば、驚かれた。コリンと3人でお話しして、納得できたみたい。2人に部屋を案内して、今日はお休みして明日からコリンの指示で動いてねと部屋を後にした。
キッチンに行き、ダンテに今日は新人の歓迎会だよ!とレッサードラゴンの肉を出した。孤児院出身の2人はまだ驚いていたけれど、ダンテはもう驚かない。貫禄がついてきた。
私は外に出て、新しい店の内装をイメージする。美容室の横に外観は3店舗と同じの看板が付いている店をイメージをして、地面を圧縮して平らにならす。イメージが固まったら創造魔法で店を造る。出てきた店の鍵を開けながら店内を見ていく。結構大きめに作って、個室や写真撮影の場所もあるのでちょうどいい。裏は家の中と繋がっている。
家の庭が当初よりも大分狭くなってしまったが、また新しい店が作りたければ、次は土地を買えばいい。
私は椅子やカーテンなどを買って、設置していく。ボールペンも複数置いておく。紙と定規を出して椅子に座り、作り付けの机に向き合い質問用紙を作って行く。
私は創造魔法で読心を造り、On・Off出来るようにする。これは私には挑戦だった。だって人の心がわかるのだ。怖いし好奇心もある。胸がドキドキする。
私は3階に行って、空き部屋に机と椅子を置いて地球通販でコピー機を魔道具化して壁側にセットする。A4のコピー用紙をセットして、さっき書いた質問用紙を沢山コピーしていく。コピーしている間に地球通販で、大きめのファイルを複数買ってアイテムボックスに入れる。椅子に座りコピーが終わるのを待つ。懐かしい音だなと思った。ちょっと、うとっとした所でコピーが終わった。
コピーした用紙をアイテムボックスにいれて、新しい店舗に戻る。コピーした用紙と何も書いてないA4の用紙を3つある引出しの中に分けて入れて、ファイルは作り付けの棚に並べる。地球通販でクリップボードを3つ買い、机の上に置く。準備はこれでいいかな。後ろの机の上に履歴から買ったカメラとフォトプリンターをセットする。これでよし!
何のお店を開くかといえば、『結婚相談所』だ。そのための3人に真偽判定だ。店がカップルを作るのだから、それなりに責任がある。人の悪い人と善人をくっつけたら、結婚詐欺に遭うかもしれない。そんな事が無いように会員制にして、結婚の印が無い事も確認する。男性と女性双方に身なりの指導もして、ベストカップルをつくるのだ。これは、ノアと結婚してから考えたのだ。ノアは強引だが優しいし私を愛してくれる。大切に思ってくれる。この幸せを世間に知らせたいと思うようになったのだ。
その為の本をずっとコリンに読ませていた。準備は万端だ。
私は散髪屋に行く。モニカさんに新しい店の宣伝をお願いする。モニカさんは気楽に受け入れてくれる。
「何のお店を作ったの?」と聞いてくれるので、結婚相談所だと伝える。ちょっと意味が分からなかったようなので、説明すると「それはいいわね〜」と同意してくれる。モニカさんに宣伝をお願いしたら完璧だ。モニカさんの口コミは侮れない。この方法で魔道具屋と美容室が上手くお店の経営が出来ているのだ。
孤児院に行ってくると言って、この場を離れた。前に買ったお土産をまだ渡していない事に気がついたんだ。アイテムボックスが時間が止まっているといっても、忘れすぎだろ私。
孤児院にぽてぽて歩いて行く。この領都も治療をしてから、かなり活気のある街になったな。病気や怪我で引きこもっていた人達が働きに出てきたんだろう。なんだかいい気分になって来た。小さくお腹を撫でて「君が生まれてくる場所はみんな元気だよー」と声をかけた。まだ声なんて聞こえないんだけどね。
孤児院に着いたら厨房に行く。バズさんにお土産を人数分渡して、果物も渡す。「私、妊娠したんですよー」と言えば、厨房にいたみんなが「おめでとう」と言ってくれた。幸せな気持ちになって赤ちゃんの所に行く。前より大きくなった赤ちゃんが出迎えてくれた。「あ〜う〜」と言っている。可愛い。重くなった赤ちゃんを抱っこして。ゆっくり揺らす。出会った頃の痩せた面影が遠く感じる。この子はみんなに愛されているんだ。今日は嬉しい事が多いな。赤ちゃんがおねむになって来たので、ベビーベッドにおろして、ほっぺや手、足をつつく。かわいい。ほっぺをつつくと嫌がるようにする。赤ちゃんは何してもかわいいな。
赤ちゃんはゆっくり眠ってもらうことにして、畑に行く。小さい子供達が遊んでいる。やっぱりかわいい。ケンカしている子を離してやって、頭を撫でくりまわす。かわいい。ミーチェちゃんは魔法の練習かな?小さい子供達と泥団子作って遊んでいると、院長がやってきた。水魔法で手を洗い。院長の所へ行く。
「久しぶりですね。カヨさん」
「久しぶりです。院長。差し入れに来た帰りです。院長に報告があるんです。私妊娠しました」
「あら!まあ、おめでたいこと!ここでママになる練習でもしていってね」
「ありがとうございます。院長。今年は卒業する子はいないんですか?」
「今年はもう居ませんね。カヨさんの所に雇ってもらったので」
「そうですか。今年は安心ですね。院長も結婚を考えられては?」
「私はこの孤児院の母になれれば充分ですよ」
「院長は優しすぎますね」
「そうですか?」
院長と世間話しをしながら、近況報告をしていく。院長と話すと和むなぁ。まだ若いけど、お母さんて感じの雰囲気を感じる。包み込む愛だよなあ。
少しお話ししてから帰った。
お店を見ながらフラフラしていると、アメ色の作りの丁寧なカバンが売っていた。一目惚れしてお店の人に聞けば、ショルダーバックに出来るみたいなのでしてもらった。こんな所に良いカバン屋さんがあったんだなぁ。
「すみません、私、カヨ・カーマインと申します。ここのカバンを仕入れさせてもらって、マジックバックとして売り出してもいいですか?」
「お貴族様ですか!?どうぞどうぞこんなカバンで良ければ」
「貴族と言っても以前は一般人です。こんなカバンじゃなくて、良いカバンじゃないですか。私、一目惚れしたんですよ」
「そうですか。嬉しい事を言っていただきありがとうございます。主人が作っているんですよ」
「良いカバンです。他にも選んでくるので、そのカバン預かってもらえますか?」
「いいですよ。ゆっくりご覧になって下さい」
私は他のカバンも見に行った。いろんなタイプのカバンがある。ここの主人はいい趣味してるんだなぁ。マジックバックが売れてるのは男性が多いんだよなぁ。女性は容量が小さいタイプを買って行くけども。やっぱり長く使えるしっかりしたカバンも人気がでそう。
私はカバンを10個ばかし買ってアイテムボックスに入れて、預かってもらってたショルダーバックをもらって帰った。
こっそりマップにチェックを入れて。




