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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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王宮での治療と男爵家

 翌朝、顔をちゅちゅする、ノアの行動で目が覚めた。久しぶりの一緒の朝だ。


 ノアと手を繋いで食堂に行く。家族のみんなから妊娠を祝福された。照れた気持ちで席に着く。

 私の料理は準備されていなかったので、アイテムボックスからサンドイッチを取り出した。料理長が観察している。妊婦の私にどんな食事を出せばいいかわからなかったのだろう。

 料理長でもガン見されれば照れる。ノアが髪を引っ張ってきた。妬いているのだ。お父さんになるのだから、余裕を見せてもらいたいものだ。


 朝食が終われば、男性陣は仕事だ。ノアが私を抱きしめてくる。私も抱きしめ返すと、満足そうに息をもらして仕事に行った。


 私はインビジブルを掛けて、変身魔法で真面目な治癒師になって瞬間移動で王宮近くまで移動した。人目が無くなった所でインビジブルを解いて、王宮まで歩いて行く。


 門の所で身分証を出して、国王陛下から話しがきていると思うがと門番に言った。確かに話しがきていたようで、神官の印を見せて欲しいと言われた。門番に見せると手を擦るなどして、偽物では無いと確認された。案内の人が来てくれて、付いていく。最初は王族から、治療をしていくそうだ。


 ずいぶんと歩いた所で華やかな扉の部屋をノックした。中から応答が合ったので、案内の人が「治癒師様が来ました」と答えた。中から扉が開き、綺麗な格好をした女性3人と1歳くらいの子供がいた。

 順番に紹介してもらった。王妃様と王太子殿下の妹姫様、王太子妃様とその子供の第一王子様。


 凄い面々で、めまいが起きそうになる。ここでもキラキラ家族。モザイク必須だわよ。扉を閉じて、必要最低限の人数になると、王妃様が声を掛けてくださった。


「はじめまして、カヨ夫人。私は王妃のメルダリアと申します。カメラと言う珍しい物を譲って下さり、感謝します」


 私の正体が分かっているようだ。変身魔法を解いて元の姿に戻り、右手を胸に当てて深くお辞儀した。


「もったいない、お言葉ありがとうございます」


 変身魔法を解いた途端、ほうっと感心したような吐息が複数聞こえた。

 近くに寄ってくれと言われたので、おずおずと殿下達に近づいていった。一定の距離で止まると、もっと近くと言われて、手を伸ばせば身体に触れる位置で止まった。

 「神官の印を見せてほしい」と言われて、右手を差し出したら手を取られ、3人にかわるがわる手を取られて、きゃっきゃと見られた。こうして見るとみんな普通の娘さんみたいだ。迫力あるけど。

 健康診断をしてほしいと言われて、1人ずつサーチを掛ける。王妃様が若いように見えるけど、身体に結構ガタがきている。姫様や王太子妃様はポリープのような物が身体に出来ている。生活するには問題ないが、全員に治癒魔法を掛ける。王妃様が1番治癒魔法の恩恵があったようで、お褒めの言葉をいただいた。


 部屋にいる侍女達にも治癒魔法をお願いされたので、サーチを掛けて治癒した。侍女の人は身体が軽くなったので、笑顔でお礼を言われた。


 私は地球通販で、日本産の高級シルクの布を3人分と車のおもちゃを買い、目の前に出てきたそれらを、慌てて手でキャッチして、侍女の人に王族の方にプレゼントですと渡し侍女から贈り物を渡してもらった。


 王族の方たちは喜び、お礼を言われた。あんまり長くいるとボロがでるので、他の方の治療がありますので、とまた真面目な治癒師に変身して引き下がってきた。おあー!緊張した〜!


 案内の人に次は国王陛下と王太子殿下と大臣方です。と言われ、気が遠くなりそうになった。会議室?に案内されて、私が来たことを告げられると、一斉に席を立ち、身分が高い方から治療のようだ。だって国王陛下が1番前にいるんだもん。


「カヨ夫人。妊娠が分かったそうであるな。喜ばしいことよ。大変だっただろうが、民達の治療大義であった」


「国王陛下と王太子殿下のお力添えがあっての事です。感謝致します」


 順番に治療していく。年の人はどうしても身体の何処かに異常がある。正常に戻していく。大臣方の治療が終わったら、お暇する。案内係の人に「順番に各部署を回っていきます」と言われて、自分の体力が心配になった。


 私じゃ何の仕事をしているか分からない部署を順番に回っていった。普段は関係者以外立ち入り禁止の場所なんだろうな。仕事出来ますって顔や立ち姿でわかる人が沢山いた。そんな人達に感謝の言葉を言われたら、面映くなる。

 そんな中で1人、遺伝子異常の方を治療した。家族も治療した方がいいと言えば、その方の休みの日を教えていただいて、後日家に伺う事になった。待ち合わせは王宮前だ。私が住所を言われても分からんのだよ。


 下働きや厨房、兵士の皆様方、庭師まで全員治療が終わった。兵士の人がどんな訓練をしているか分からないが、頭が陥没している人がいたぞ。他にも古傷が治った人が沢山いたらしい。怪我しないでくれるといいんだけど。そうはいかないんだろうな。皆、神官様が治療してくれると、ありがたがってくれた。神官の印にキスされそうになった時は驚愕したが。みんな神様を敬っているんだな。


 食事を王宮で食べていかれて下さいと言われたけれど、今の私は妊娠中ということで遠慮させていただいた。疲れたが、最後に案内係の人に治癒魔法を掛けてお暇した。


 私は自分にインビジブルを掛けて、領地の屋敷に行き、変身を解いてノアの部屋で休んでクリムを食べた。


 クリムの実が妊娠中の人にこんなに効果があるなんて知らなかった。栄養化が高いから、クリムの実とちょっと他のものを食べるだけで身体に支障が無い。クリムの実、愛好家と化してしまいそうだ。



 2時間ほど、自宅に帰った。散髪屋に行き、カルロスさんとモニカさんがいたので、声をかけて妊娠した事を伝えた。喜んでくれたので、モニカさんに、クリムの実がつわりにいい事を教えた。モニカさんのお腹は少しふっくらしてきた。


 お客さんが途切れた所で地球通販のマタニティウェアをモニカさんに見てもらい、服を選んでもらう。モニカさんは感心して「こんな服があるのね」と数着選んでいた。プレゼントすると笑顔でもらってくれた。

 モニカさんとママ友だ。嬉しいな。


 モニカさんに初めての出産はどんな風だったのか聞く。初めては分からないことの連続だったみたいだ。子供を産む時は覚悟をしておいた方がいいと言われた。今から言われても怖いよ。先輩ママ友助けて!


 可愛いミーチェちゃんを産んだ実績を頼らせてもらおう。クリムの実をせっせとモニカさんに渡した。賄賂だ。「旦那さん独占欲強そうだからね〜」とモニカさんに揶揄われた。独占欲はちょー強いですよ。でも、そんな所に安心することもあるから、破れ鍋に綴じ蓋?って言うんだっけ?そんな感じだよ。


 久しぶりにミーチェちゃんに会ったら、ちょっと大きくなっていた。子供って成長早いよね。抱きしめたら、抱き返してくれた。そんなことが飛びあがるくらい嬉しい!ミーチェちゃんに首からカメラをかけてあげて、使い方を教える。子供は簡単に携帯とか使えるようになるから、ミーチェちゃんもすぐに覚えるでしょう。

 カルロスさんとモニカさんとミーチェちゃんに並んでもらって、アップの笑った顔と全身を撮ってあげて、フォトプリンターの使い方をカルロスさんとモニカさんに教える。綺麗な写真が出てきたから、おー!きゃー!と2人で大騒ぎ。写真立てを2人に渡して、1枚は散髪屋に飾って置くようだ。もう1枚は部屋に飾って置くらしいよ。写真を入れる、アルバムも渡しておく。


 私はカーマインの屋敷に帰り、家族で夕食を食べる。

 子供が出来てからノアは結構ご機嫌だ。無意識にお腹を撫でてくる。妊娠2ヶ月だからそんなにお腹出てこないよ。

 でも、いいパパになりそうで良かった。子供を鬱陶しがる人もいるからね。






 文官の遺伝子に異常がある人、ルーシーさんと待ち合わせの日。真面目な治癒師に変身して、王宮の前で待っている。

 仕事着ではないルーシーさんが「お待たせしました、今日はよろしくお願いします」と来た。私も「よろしくお願いします」と一緒に歩き出す。


 ルーシーさんは貴族の3男で、今日の為に家族全員を屋敷に呼んで集めたのだと言う。領地持ちで無い貴族だったので王都内にお嫁に行っている、お姉さんやお兄さんも呼べたようだ。ルーシーさんの家は男爵で、王宮からは遠いようだった。

 私はアイテムボックスから車を出してルーシーさんに助手席に乗るように促した。ベルトを付けてあげてドアを閉める。運転席に座り、ルーシーさんに道案内をお願いする。

 ルーシーさんが驚いていたので、魔道具だと教えた。今持っているのは王宮と1貴族だけと教えると、とても珍しい物と気づいたようで、落ち着かなかった。

 ルーシーさんの案内通りに進んでいけば、車ならばすぐについた。


 門の前で降りて、アイテムボックスに車をしまい、門番に顔を見せて通してもらう。

 家の中のリビングに行くと、子沢山の家系なのだろう、沢山の人がいた。紹介されたが誰が誰だかわからない。今日限りだからいいかと思い、開きなおる事にした。

 ルーシーさんの血縁とそれ以外に分かれてもらい、それ以外の人をサーチで見ていく。大きな怪我や病気の人はおらず、数人に治癒魔法をかけただけで終わった。

 問題は、ルーシーさんの血縁者だ。ルーシーさんは前に治療したので、ルーシーさんの子供をサーチして見る。遺伝子に異常がある。

 ルーシーさんに説明して、血縁者を治療していく。

 前の村でもそうだったが、治療に少し時間がかかり、患者は苦しみを感じる。小さい子供はお母さんかお父さんに動かないようにしてもらい、創造魔法と治癒魔法で治していく。


 2時間ほどかかったが、全員治すことが出来たとルーシーさんに報告した。家族のみなさんにお礼を言ってもらえた。

 「帰ります」と言えば「昼食を一緒に食べていかれは」と誘われるが「妊娠しているので無理です」と断ったが、ルーシーさんのお爺さまが頑なにシェフに私が食べれる物を作らせるとおっしゃったので、お言葉に甘える事にした。


 神官の印を珍しそうにルーシーさんの家族に眺められたり、小さな子供と遊んだりした。


 食事の用意が出来たので、食堂にみんなで行き席に案内された。冷製スープとパンが出て来たので、これなら食べれるかもしれないと食事をいただいた。


 異常はすぐに出た。お腹が痛いのだ。慌てて赤ちゃんの事が頭に浮かび自身に治癒魔法を掛ける。椅子から立ち上がり、横になれる場所を提供してもらおうとしたが、足がもつれて倒れてしまった。私は強くお腹に治癒魔法を掛けた所で、気を失ってしまった。


 ルーシーとルーシーの家族は慌ててカヨに近づいたが、カヨの回りが魔法で繭状になっており、近づけない。ルーシーのお爺さまが声を出した。


「この女は、ここで始末する。一族の秘密を知られては貴族社会で我が家はやっていけない!皆!この事は秘密だぞ!」


「何が秘密ですか!?俺たちの病気を治してくれたのに、恩を仇で返すなんて!カヨさんに何をしたんです!?」


「即死毒をスープに混ぜただけだ。もうすぐその女は死ぬ」


 その時、空から稲妻が走った。2本の稲妻はルーシーの男爵家のお爺さまと料理長に落ちた。近くにいた者は驚いて、恐る恐るお爺さまを見た。顔に黒い模様が出来ていた。神の怒りだ。神の怒りを知る大人たちは、神官に手をかけたお爺さまを神が許さなかったのだと考えた。


 それからは手分けして、家の護衛兵に王宮の兵士を呼びに行くよう言い付けた。料理長も捕縛した。証拠のスープはそのままに、子供達を別の部屋に移す。


 ルーシーの家族の心は一つだ。何故こんな事になってしまったのか。善意の治癒師に、我が家のお爺さま。皆、嘆いた。


 王宮の兵士が来た。ルーシーが状況を説明していく。説明が終わった後は兵士が毒に詳しい者を呼びに行かせる。部屋の状況はそのままだ。


 その時、カヨに変化が訪れた。変身魔法が解けたのだ。周りにいた者は驚いたが、その後さらに驚く事になる。


 神の光がカヨに満ちた。結婚した者なら見た事がある。神の祝福の光だ。皆、呆然とカヨを見た。1・2分ぐらいした後、祝福の光も、魔力の繭も消えていた。

 カヨは下半身から出血していた。家の女達を呼び、女性兵を側に付かせて看病させる。カヨは息をしていた。元々カヨは状態異常無効を持っていたが、お腹の子供は持っていなかった。だから、毒は子供に作用した。


 女性達に身を清められて、安静にさせていた時、王太子殿下が来た。兵士に事情を説明させ、カヨを見た王太子はここにいる者に緘口令を敷いた。ルーシー達家族は王太子がカヨの事を知っていた事に驚いた。

 倒れた治癒師、知らない女性、神の怒り、神の祝福の光、王太子殿下の緘口令。ルーシー達家族の心の中はぐちゃぐちゃだった。



 カーマイン家では、王太子殿下からの使いが来てコナーに事情を説明。コナーが急いで領地の領主館に行き、カヨが毒を盛られて意識不明な事を伝え、それを聞いたノアールが気を昂ぶらせて王都の屋敷に行き、王太子の使いと共に男爵家へ来た。


 男爵家は家に来た獣人の身なりの良さに、遠巻きに眺め、カヨの手を頬を触る手にカヨの旦那様だと知る。王宮から来た鑑定士と治癒師の見立てでは下腹部から出血したが胎児は無事との事だった。

 それを聞いたノアは一度強くカヨを抱きしめて、そのまま抱き上げた。王太子殿下に馬車を借りてカーマイン邸に行く。領地のノアの部屋に寝かせて。その隣で、カヨの手を握り締めた。




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