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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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情報共有の魔道具と念話

 獣人には通じなかったけど、人族には私の変身魔法が使える。

 私は久しぶりに真面目な治癒師になって手甲を外し、カリオンの役場に来ていた。

 お兄様から貰った紹介状を右手で渡し、待合室で待つ。すぐに呼ばれて3階まで上がり、すぐ近くの部屋に通された。

 何処かで見たような、体が逞しい初老の男性がいた。代官・リンダーンだ。


「私はチャシマ領の代官リンダーンだ。カーマインの領主は善人で知られているが、この手紙は本当だな?嘘ではないな?」


「本当です。神に誓って」


 私は言い切った。リンダーンは神に誓った私に納得したらしく、今日から4日待ってくれと言われた。いつものパターンなので、了解した。場所は役場の1階だそうだ。いつも役場だが、他に広い場所が無いのか、住人が知ってる有名な場所がないのか疑問に思う。他に偉い人が独断で使える場所がないのかもしれない。

 代官は私の手を見せて欲しいと言って来たので、見せると感嘆の息をもらした。


「こんなに近くに神官の印、神の印を拝めるとは、なんてありがたい。貴方が、信じている神を教えていただけるだろうか?」


「運命神様と眷属メンリル様です」


「運命神様とは。この行いも運命神様が許してくださっているのだ。貴方の心が澄んでいる証だ。ありがたい」


 代官様は最後まで祈っていた。代官様が神官に選ばれるんじゃないかと思った。

 帰り道はインビジブルを掛けて帰った。


 こっそり代官が、住んでいる場所を特定しようとしていたが、途中で見失い断念していた。こんな行動が神官になれない理由なのだが、本人は知らない。政治の中枢に関わるほど、神官にはなる適正は失われるのだがこの世界の人は知らない。酸いも甘いも知っている大人こそ、神官には向かないのだ。ただ純粋な神を思う気持ちが神々に力を与えることが出来る。神々は純粋な我が子のことが好きなのだ。





 カヨは魔道具屋に新たにミシンの魔道具を販売していた。使い方をお客様に教える為に、パルコとロアに使い方を教えている。初めは苦戦する2人だったが、ミシンは慣れたらすぐに使える。いろんな縫い方が出来るのだ。楽しくなってくるだろう。器用な2人はすぐに覚えていた。



 話しは変わるが、商業ギルドやお金があるギルドは、ダンジョンから出た情報共有の魔道具をギルドマスターが管理している。新たな商品や魔道具や技術が持ち込まれる度に情報共有の魔道具で確認しているのだ。だから、開発者が情報を盗まれたりしない限り、2番目に持ち込まれるものはすぐに分かるシステムになっているので排除される。商業ギルドの安心のシステムはこうして管理されている。




 私はタエのいる美容室に入った。3回脱毛しただけで恥ずかしくないほど毛が除去されている。タエに脱毛を始めるように指示した。

 タエは脱毛を始めるなら、もう1人美容室に人が欲しいとお願いしてきた。私は了解の意を示し、孤児院に向かった。


 院長に相談して、人が好きな良い女の子はいないか聞いてみた。ついでに男の子も。院長は私の格好を見て驚いていたが、旦那様がプレゼントしてくれたと言うと納得してくれた。

 旦那から嫁に結婚の印が見える服を送るのは、他の男に向けた牽制があるらしい。まぁ、俺の嫁に手を出すなって事らしく、そういう目で見られるようだ。顔が熱くなった。


 男の子は14歳の子がいるが、女の子はまだ13歳らしい。院長にどうしようか相談すると「本人の希望次第です」と言われた。面談する事にした。


 応接室を貸してもらい、2人と面談する。男の子には、魔道具の販売を手伝って欲しいと言う。ちょっと悩んでいるみたいだった。女の子には、美容室と言うお店で美容品を販売したり、脱毛を行なう施術や説明をお客様にしてもらう仕事だと話した。給料は1ヶ月金貨20枚。

 2人共悩んでいたので、来週に返事を聞きに来ると話して、今回はお開きにした。


 帰るまで、小さな子供と遊んだ。最後に少し大きくなった赤ちゃんに会って帰った。



 マルクスのお屋敷で夕食を食べてはち切れそうなお腹で厨房に行った。料理長に私の食事を少し減らしてもらう為である。お腹が空いている時には食べれるが、たまに食べきれない時がでてくる。そんな時はノアの口に放り込んでいたが、根本から直さなくちゃいけないと思い来た。このままではノアが太ってしまう。

 料理長に食事は美味しいのだが、料理が多いことを言い、もう少し減らしてもらう事をお願いした。そんなに少なくて良いのか心配されたが、大丈夫と言い、減らしてもらうようにしてもらった。獣人はよく食べる人が多い。その分よく働くが。小動物の獣人は食欲はあるが食べる量は少ないらしい。私はお目にかかったことはないが。

 何故かこのお屋敷、肉食獣の獣人で構成されている。番いの夫婦で働いている人ばかりだが。肉食獣と小動物のカップルはいないものか、いたら萌えそう。


 そうそう、こないだ知ったのだけど、この領には成人した獣人で番いがいない人に限り、役場で申請したら番い探し援助金が出るらしい。全て税金で賄われているようだ。なんて素晴らしい制度だろう。お兄様に虹貨100枚ほどあげてしまった。少しでも寂しい人が出ないといいな。



 そんなこんなで、カリオンの領都で治療の日。

 早朝、インビジブルを掛けて真面目な治癒師になり空を飛び、役所まで来た。こっそりインビジブルを解除して役場1階に行く。椅子は用意してくれていた。

 アイテムボックスから、机とお金を入れる箱を出して、役人さんに持ち場の指示をする。


 治療の開始だ。私がカーマイン領に向かって治療していたのが伝わっていたらしく、待っていたと言ってくれる人が多かった。ありがたく思いながら、口コミすげぇと思った。そう言う人には今からは王都に向けて治療をしていくと宣伝しておいた。

 この世界はお偉いさんが持つ通信魔道具くらいしか、情報を迅速に伝える手段は無い。ここまで話しがきたのは、商人ネットワークだろう。私が情報を流した事で助かる命があるといいんだけど。


 さすが人族の多い領都。人数がぱねぇ。なかには御触れが出てから来た人もいるらしく、列が短くなるどころか長くなっている気がする。かなり急いで治療する。脳に腫瘍が出来ている人が来た。こう言う人は時間がかかる。繊細な部位だからだ。経過を見ながら治癒魔法をかける。完全になくなってから再度サーチをかける。まだ他にも残っている。魔力を多めに流しながら無くなるように祈る。サーチをかける。他に問題は無い。大丈夫だろう。おにぎりを渡して帰ってもらう。


 お昼が来た。役人さんに交代して休憩するように言いながら、私はおにぎりを食べる。治療も継続する。食事をしながら私が治療しているのは患者さんにはすぐ分かる。治療が完了したら治癒魔法の光が出るからだ。安心してくれる。

 領都では年老いた家族を養える層が多いからか、ボケてしまった両親を連れてくる人も多い。出来る限り治療するが、加齢の為、再発する可能性があることは伝える。家族は正気に戻ってくれただけで嬉しいみたいだが。

 生まれつき奇形な人や身体に自信がない人は治癒魔法と創造魔法を使いながら治していく。遺伝子情報を正しくしてあげるだけだ。された本人は身体が生まれ変わったように感じるだろう。


 人数が多かったから、治療時間最長の翌朝までかかってしまった。手伝ってくれた役人さんや兵士の皆さんにおにぎりをご馳走していく。皆お腹が空いていたので、貪るように食べた。お腹が落ち着いたら、果物バスケットを配っていく。全員にお礼の言葉を込めて。お金と机を閉まったところで、代官に呼ばれる。


 代官にもおにぎりを渡して、代官が急いで食べている正面でお茶を飲んだ。朝だもんねお腹空いてるよ。役人さんで関係ない人は夕方に帰っていたけども。元気な人が今日の役場をまわしてくれたらいいよ。


 代官が食べ終わったら、今回の感謝と勧誘?王宮治癒師にならないか聞いて来た。私は自由でいたいとお断りした。その後紹介状を渡して貰い。果物バスケットを渡して、お礼を言い失礼した。帰る途中でインビジブルを掛けて、変身魔法を解いて自宅に帰る。


 自宅の寝室からノアの部屋に行き、クリーンを掛けて夜着に着替えておやすみする。


 お昼にノアに凄い力で抱きしめられて起きた。ノアを抱きしめ返して「どうしたの?」と聞く。昨日1日私がいなかったと言い、私の存在を確かめているようだった。ノアにアイテムボックスから出した食事をせっせと食べさせながら、何も問題なかった事を言う。

 向かい合わせで座って腰を離そうとせずになされるままになっている。こんなノアは初めてで戸惑う。デザートの果物を食べさせて食事は終わり。また私を抱きしめたけれど、安心したのか午後の仕事に行ってくれた。私も昼食を食べて、二度寝した。起きたのは4時頃だった。着替えて子供部屋に行くと、お母様方と子供達が寝ていた。

 お母様方に今日のお昼のノアの調子を話して何か問題がないか聞く。


「獣人はね、多かれ少なかれ番い相手に執着があるのよ。だけど、その中でもノアは執着が強いタイプなのね。だから1日姿を見せないと貴方に何かあったんじゃ無いかと心配になってしまうの。一種の子供返りよ。貴方が逃げず給餌した事でノアの心の安寧が保たれたのね。あんまり気にしない事よ」


「ミリアンも執着するタイプだと思ったけれど、ノアは特別ね。子供が出来たら落ち着くわ。お母様の言ったとおり気にしない事ね」


 結構普通の事として流された。普通なのかぁ。心を疑って不安にならないけど、執着されすぎるのも不安だね。夕食の時は不安にならなければいいけど。


 子供達が起きて部屋で遊んでいる。子供部屋は遊具だらけだ。お母様方も隙があれば写真を撮っている。ハマったな。ティモシー君がお兄さんぶっている所も可愛い。お兄さんだが。18時になり夕食だ。


 食堂に行ったら、いつもより長い時間、離してくれなかった。私に給餌してこようとする。受け入れて食べさせてもらったぶんをフォークで渡して食べさせる。食事が終わったら部屋でノアとお話しだ。


 ノアと手を繋いで、ノアの部屋に行く。部屋に着いたら速攻抱えられてベッドに一直線だ。


「ノア!ノア!お話ししましょう?」


 ベッドに押し倒されたままノアの頬に触れる。


「ノアどうしたの?お昼からおかしいよ?私はノアと結婚したんだから、今更どこにもいかないよ?落ち着いて?」


「君が、カヨが居ないと寂しいんだ。君と出会ってから私は、カヨが居ないと生きていけない……」


「大丈夫。ノア、まだ言っていなかったけど、私、不老なの。いきなり死ぬような怪我をしない限り、居なくならないから。それとこれから長い人生、ノアにも付き合ってもらわないと私が寂しいから付き合ってもらうよ?その手段もあるの。ノアは私と若いまま2人で生きていくの。その覚悟がある?」


「私はカヨと一緒にいたい。君と長い人生を過ごせるなら、そんな嬉しいことはない。君と一緒に生きていくよ」


 私はノアにキスをした。神聖なキスに感じた。私の気持ちをノアが受け止めてくれた。嬉しい。


「ノア、好きだよ。いつでも一緒にいようね」


 ノアの頭を抱きしめる。ノアは落ち着いたみたいだ。寂しかったのか、そうか。私は創造魔法で、劣化しないお互いに念話ができる魔道具のネックレスを作る。それをノアに付けて、私にも付ける。


「ノア、このネックレスはね相手が近くにいなくてもお話し出来るの。心の中で私に話しかけてみて?」


『カヨ、聞こえる?』


『聞こえるよ、ノア』


 ノアは嬉しがって私に抱きついてきた。2人幸せな夜だった。




 朝起きてノアと食堂にいく。念話ではノアが好き好きうるさいくらいだ。私も好きだけども。不安が解消されたなら、良かった。


『カヨは食事、好き嫌いはある?』


『この世界の食事は美味しいものだらけで、嫌いなものはないな』


 ノアが念話を気に入ってしまった。ノアをより身近に感じてしまう。

 食事が終わったら、ノアが私に抱きついて念話で言う。


『カヨ、離したくないよ』


『私もだけど、仕事に行かないと』


 ノアにお別れのキスをする。ノアはご機嫌で出掛けて行った。他の家族も慣れたものだ。


 今日はルーフバルコニーで1日果物の収穫だ。


『カヨ、今何してるの?』


『果物の収穫だよ』


 収穫鋏でちょきちょき果物を収穫していく。収穫は好きだけど、誰か人を雇いたいよ。


 お昼になり、屋敷の食堂に行く。ノアが抱きしめてきた。


『カヨ、美味しい匂いがする』


『果物の収穫していたからね』


 ノアは私の行動を知ってご機嫌だ。なんかストーカー、一歩手前な気がしてきた。


 昼食が終わり、中庭で子供達とお母様方と飛びながら遊ぶ。最近ティモシー君がアクロバットな動きをするようになって来たんだよね。これが運動神経の違いか。


 子供達のお昼寝の時間にお母様方に聞かれた。


「ノアとカヨさんがいつもイチャイチャしてるのは、そうなんだけど、今日は何だかおかしかったのよね」


「そうです。なんか口数が少なかったわ。行動は新婚なのに、雰囲気が熟年夫婦みたいな」


 結構、見られてるなぁ。


「昨日の晩からノアと念話で話しているんですよ」


「まあ!念話!内緒の話しがし放題じゃない!」


「そんなに良いものではないですけどね。静かにしてても頭の中で好き好きいわれても」


「ま!羨ましい!そんな事を頭の中で話していたんですね」


「……お母様方もいります?」


「ええ!欲しいわ」


「あると便利ねぇ」


「お相手は誰にします?やっぱり旦那様ですか?」


「1人にしか念話出来ないの?旦那様とかお母様とか」


「私のはノアとしか念話できませんが、作るときに変えることは出来ますよ」


「それじゃあ、旦那様とお父様とお母様がいいわ」


「私もライラさんと旦那様とミリアンがいいわねぇ」


「ノアが仲間外れにしたと怒りません?」


「いやだ!今はあの子、カヨさんの事で頭いっぱいよ」


「私とお母様は社交で必要になるから欲しいだけよ」


 それならと、私は貴族の奥様が持っていてもおかしくない、どんな服を着ても合う劣化しない、大粒のダイヤモンドの念話のネックレスを4つ創造した。

 お2人に2つずつ渡す。


「これで、いいですか?」


「あら、すっごい綺麗!皆お揃いなのね」


「凄い物をありがとう。カヨさん」


「いいえー」


 夕食の話しは念話のネックレスの話しになった。ノアが機嫌を損ねると思ったけれど、終始にこやかだ。気にしすぎかな?






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