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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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獣人の番い 1

 朝起きて、自宅にいるみんなと朝食を食べる。食べ終わったら各々、仕事の準備に取り掛かる。


 キッチンに行きダンテに食べ残りの食事が無いか確認する。結構マジックバッグに保存してくれてあったので全部貰い、アイテムボックスの中に入れていく。

 ダンテに追加のお金を渡し、また少し出掛ける事を話して玄関に行く。



 靴を履いたら、インビジブルと結界を自分に掛けて、瞬間移動で進んだ街道まで行く。飛行魔法で高い所を飛びながら道を進んでいく。

 途中にある村を上から眺めると、もうほとんど獣人ばかりだ。人族は見当たらない。

 怪我と病気の人を探知で探し、ピンポイントで降りて行き治癒魔法で治すと、また上空へ上がる。それを何回か繰り返す。

 同じ人だと分かってるんだけどね、肉食獣人の人が体格良くて怖いのよ。だから、こっそりと治療してた訳。治療した人には、バレるんだけどね。全員終わったら退散〜。


 次の村に行ったら、広場で子供達が元気に遊んでた。思わず和んで見ちゃったんだけど、獣人同士の遊びってアクロバットなのね。運動神経よくてびっくりしちゃった。以外と戦闘民族なのかもね。

 この村も、ピンポイントで治していく。季節風邪のせいかなぁ、病人が多い。今すぐ死にそうって人はいないんだけど。


 また道を飛んでいく。何か金属が当たる音がする。森に入り、音の元まで飛んで行く。近くに来たら見えた!獣人の人がキメラ?っぽいのと、戦っている。スポーツを観戦するように見てしまう。格好からいって冒険者の人達かな?連携が素晴らしい。優勢とも劣勢とも分からない。悲しいかな私の戦闘経験の無さが目に現れてる。じーっと見てると、大柄な獣人の男の人がキメラの首を斬りつけた!キメラが悲鳴を上げている。すかさず弓を持ってる人が矢を飛ばす。目に刺さった!ちょっとグロい。キメラがあたり構わず騒ぎだした。獣人の人達は様子見。弓の人だけ構えて矢を放つ。もう片方の目にも刺さった!あの人凄い!思わず拍手しそうになってすんでで止めた。音たてたら邪魔になる。重剣士の人が隙を見てもう一度傷口を切りつけた!きゃー!首が半分千切れてるよー。血も飛び散ってる!スプラッタだ!危険は無いみたいだから、去ろう。

 空高く飛び上がり、また道を進む。ちょっと鳥肌が立った。冒険者の人達は命かけてるんだなぁ。




 カヨが去った後


「おい、どうした?」


「誰かに見られていた……」


「敵意は?」


「無いが……」


「無いならいいだろう」


「そうだな。気にしすぎか」


 こっそり見ていたが、気がつかれていたカヨだった。獣人は鼻がいいが、冒険者ともなると感覚も鋭い。強い血臭の中でもバレていた。冒険者達は倒した獲物を解体していった。




 思わず冒険者の戦闘を見てしまったというか、見に行ってしまったカヨはどこか血の匂いがするような気がして、自分にクリーンをかけていた。なむなむ。成仏して下さいよー。


 大きな街に着いた。人目がない所でインビジブルをといて、歩いて門まで行く。並んでいる列の最後尾に並び、前の人に「ここって何て街ですか?」と聞く。ちょっと訝しげにしたけれど「領都マルクスだよ」と教えてくれた。お礼にりんごを渡した。「美味しいですよ」と言えば、いそいそとしまい込んでいた。照れ屋なのかな?


 門番に「人族が何の用だ?」と聞かれたので「観光です」と答えておいた。身分証に怪しい所無いもんと堂々としていた。入って良いと言われたので、身分証を返してもらい中に入る。

 領都と言うだけあって綺麗な街だ。昼食を食べようと歩き出したら、誰かに手を掴まれ、後ろから抱きしめられた。カヨはいきなりの事にびっくりだ。心臓が凄い勢いでドキドキしている。周りに居た人達も驚いたようで、こっちを見て固まっている。結界が反応して無いって事は傷つける意思は無いと言う事だ。


「誰ですか!離して下さい!」


「私の番い、ずっと待っていた。いい匂いだ……。名前を教えてくれるかい?」


 番いって獣人の夫婦の事だよね。たまに多種族にいるって言ってたけど私!?

 周りは、ああ〜みたいな納得の表情をしだした。「おめでとう!」と何人にも言われる。周りは祝福ムードだ。男の事を知ってる人がいたのか、周りで「ノアール様おめでとうございます!」って言ってる人もいる。偉い人なの?


「貴方は誰ですか!?」


 身体をくるんと返されて、向かい合わせにされる。モザイク掛けたいようなキラキラのイケメンがそこにいた。目が死にそうだ。体勢も意識したら顔から火が出そうになった。


「ノアール・カーマインだ。運命の貴方に会えるのをずっと待っていた。私の番い……」


 言いながらすりっと頭に顔を擦り付けてきた。気絶したい。でも出来ない健康な身体だからね。腰はガッチリ固定されている。肩も腕を回され掴まれていた。


「離して下さい!ノアールさん!」


「君に名前を呼ばれるなんて、幸運な男だ。よければノアと呼んでくれ」


「初対面の人にそんな呼び方出来ません!」


「貴方の名前を教えてくれたら、離すよ」


「カヨです!名前を言ったんだから離して下さい!」


「カヨ、ああ愛しい名前だ……」


 身体は離してくれたけど、手が繋がれている。ブンブン振り回すけど離れない。歩き出したら着いてきた。


「カヨ、何処にいくんだい?」


「お昼だから昼食、食べにいくんです!」


「私の屋敷に招待しよう」


 目の前が眩んだ後、何処かの家の中にいた。瞬間移動だ!


「何を!「大丈夫、私の家だから。昼食を食べよう」」


 繋いだ手を引っ張られる。執事みたいな人に「食事、1人追加で」と言っている。


「ノア!仕事中に何処に行ったんだ。皆驚いてたぞ」


「兄様、私の番いが現れたのです。待ってなどいられません」


「おお!本当か!おめでとう、ノア」


 目の前の男性と軽い抱擁をしている。兄様と言っていたから家族か。


「彼女か!はじめまして、私はここの領主のミリアン・カーマインだ。妹殿、お名前を聞かせてもらえますか?」


「カヨです。はじめまして」


 お兄さんもキラキラ。お兄さんが領主ってことは領主の弟!なんでそんな身分なのよー普通でいいのに。

 番いは神様に導かれるんだっけ?神様公認てことでしょう?嫌悪感はないし、諦めるしかないか。でも、こんなにキラキラしてなくてもいいと思う。運命神様〜メンリル様〜助けてー。私の心臓が壊れるー。


「そんなに緊張しなくてもいいよ。家族になるんだから」


 なんて答えたらいいのさー。愛想笑いしとこ。


「さあ昼食だ!他の皆にも紹介しよう!皆驚くぞ」


「はい、兄様。カヨ、行こう」


 引っ張られるままついていく。大きな部屋に入った。食堂か。いい匂いがする。なんか振り回されて、お腹空いてきた。


「ミリアとノアも来たか。ノアがいなくなったと聞いて……そこのお嬢さんは誰かな?」


「私の番いのカヨです。彼女を迎えに行っていました」


「おお!やっとか!おめでとうノア!」

「ノアおめでとう、めでたいわぁ」

「ノア様おめでとうございます」

「おじさま、おめでとう」

「おめでとー」


「ありがとう、みんな……」


 何か、キラキラ家族良い雰囲気。家族仲は良いのかな。


「さあ、お嬢さんを紹介してくれるんだろう?」


「私の番いのカヨです。カヨ、自己紹介を」


「人族のカヨと言います。よろしくお願いします」


 私は胸の上に手を置いて挨拶した。


「カヨさん、よろしく。ノアの父のアルソンだ」

「カヨさん、よろしくお願いしますね。ノアの母のマレリーナと言います」

「ミリアンの妻のライラと申します。カヨさんよろしくね」

「僕は父ミリアンと母ライラの子、ティモシーと言います。よろしくお願いします」

「ぼくはウィルよろしく」


「は、はい。よろしくお願いします」


 カヨは苦笑いだ。ティモシー君とウィル君は可愛いが。いきなりハイソな仲間入りだ。


「さあ、おめでたい事です。食事にしましょう!」


 もう逃げ出さないと思ったのだろう、手を離し、ノアールが椅子を引いてくれた。


「カヨ、ここに座って」


「ありがとうございます」


 カヨも諦めて座る。ノアールの隣りだ。食事は全部置いてあった。マナーなどは気にしなくていいようだ。斜め前の子供達が可愛いすぎて、目を引く。いや、今は食事だ。スープを飲もうとしたら、ちぎったパンを口の前に出された。


「カヨ、口を開けて」


 こういうのは恥ずかしがった者が負けるんだ。カヨは平然と口を開けた。口の中にパンが入ってくる。無心で咀嚼する。飲み込んだ後また口の前にパンがある。口を開ける。中に入ってくる。出ていく時に唇を触られる。気にしない。


 女性陣が盛り上がる。


「ノアが求愛給餌だなんて、明日は雨かしら?」

「いやだ、こちらまで照れてしまうわ。若いって良いわね」


 いやいやいや。盛り上げないでくださいよ。そっとしておいて。また口の前に出されるが、ノアールの方を向いて言う。


「1人で食べれますモガっ」


 口の中にパンを突っ込まれた。


「そんな事言わないで。私達は番いなのだから」


 やめないって事ね。諦めろと。

 パン1つが無くなるまで延々続けましたよ。食事1つで疲れる。だんだんキラキラに抵抗がなくなってきたぞ。そうだ、人は慣れる生き物なんだ。




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