孤児院で生活 17
今日は雨が降っている。私がこの世界に来て初めてじゃないかな?夜に降っていたんじゃなけりゃ。
子供達は畑に出られない。ゆっくり出来るんじゃないかな?それとも室内で遊ぶのかな?
私とカルロス夫妻はまだ法律の勉強だ。私が挨拶の仕方を聞いたので、ルンカさんが考えていた以上に世間知らずと思われたようだ。世間知らずですけどね。法律の日常で使われる例みたいなのも教えてくれる。至れり尽くせりだ。それで勉強がゆっくり進む原因でもあるんだけどね、わかりやすいからいいんだ。
そういやバズさんに聞きたいことがあったんだ。食事の時に聞こう。
王宮にて
「おお!メルセ良くやった!凄い成果ではないか!!」
父上は今、魔法使い殿から虹貨10000枚と引き換えに貰った魔道具の目録を読まれていた。父上が褒めてくれるが、私が強く希望したのはキャンピングカーという物だけだ。
「リンダーン代官のおかげです。あの方が冷静ではなかったら得られなかった品々です。褒美を与えてやって下さい」
「分かった分かった。そうしよう、だが大臣たちにはどう説明したものか……」
「大臣達には瞬間移動扉と隠し立て出来ないキャンピングカーを貰ったと言えば良いのです。宝物庫は王族が管理しているのです。分かりません。父上マジックバックに手を入れれば目録が分かります。今すぐ毒無効の指輪と自動結界人用の指輪を王族全員にお渡し下さい」
「ああ、そうだな、そうしよう。本当に良くやってくれた」
父上に褒められるのは素直に嬉しい。誇らしい気持ちになる。強く感情を揺さぶられたが、魔法使い殿には感謝だな。
「これから忙しくなるぞ、メルダと瞬間移動扉の使い方を相談しておったのだ」
「母上と……」
「メルセにも協力してもらうからな」
「分かりました微力ながらお手伝いさせていただきます」
孤児院では夕食の真っ只中だ。バズさんに話しかける。
「バズさん、食事に果物が出て来ませんが何か理由でもあるんですか?」
「ああ。カヨさんは知らないのか。単純に値段が高いからだ、果物を育てている農家もあるが、すぐに虫食いに合うから出回らないんだ。冒険者がたまに野生の果物を持ち込むがやはり高い。虫食いに合うって事は美味しい証拠なんだけどな」
「そうですか」
そんな理由があったんだな。残念。虫食いに合うってことは絶対美味しい筈なんだけどな。異世界の果物一度食べてみたいなぁ。
それから1月くらいたった
その間に孤児院に1人子供が加わった。2歳くらいの子供だ。
行商人だと言うおじさんに連れられて来た。院長はおじさんにお礼を言って子供を引き取った。
院長にどういう事なのか聞きに行ったら。子供を育てられなくなった親が行商人にお金を払って孤児院に連れて行ってもらうそうだ。このような親はまだ子供に愛情を持っている人だからいいらしい。名前と誕生日と年齢が分かるからだそうだ。それに、この街まで連れて来るように頼む人は子供に今より良い暮らしをして欲しいと思っているそうだ。何故か?それはこの街が国の直轄地だからだそうで、そこでなら不自由無く暮らしてくれるだろうと思っているらしい。
子供を孤児院に預けに来る人にも色々事情があるんだなぁと考えさせられた。
髪は親が切ってくれていたみたいなので、服と靴だけ、支給した。親に愛されていた子なんだな。と思うと切なかった。
ルンカさんとの法律の勉強は終わった!気持ち的に長かった。これで、孤児院にきた当初の予定が終わった事になる。でも、私たちが住む場所がないから、探さないといけない。
それに私には夢があるのだ!あれは中学の頃、将来なりたいものを書いてと、私は自分の店を持ちたいと書いたんだ。気持ちのどこかに残っていて、お店を持ちたいからツブラとして大きなお金を手に入れる為にも頑張った!大金過ぎるが、多くて困る事は無いんだ!不動産は役場で紹介してもらえるとルンカさんに聞いた。準備は万全だ!
役場に行き、土地を見に行くと言うと、カルロス夫妻も着いて来るらしい。「土地が手に入ったら一緒に住みますか?」と聞けば夫妻は2人共嬉しそうに頷いてくれた。私も1人だと寂しいから、ちょうどいい。
院長に出かけてきますと言い、カルロス夫妻と一緒に役場へ行く。
役場が管理している理由は、土地は全部国のものであり、売買する時に税金も購入代金に含まれるからだそうな。一度買ってしまえばそれ以上お金はかからないが、家を買うお金は高いという事なのだ。土地+家+税金の金額がかかるらしい。これだと誰も家を買えないんじゃないかと思うでしょ?そんな人のために分割払いが出来る制度がある。月に幾らかのお金を役場に返済するのだ。返済が終われば自分の家。まとまったお金が無い人のほとんどはそうしているそうだ。そういう人には、庶民街が人気だそう。
役場に着いた。中に入り職員の人に土地を買いたいと告げれば、応接スペースに案内された。木で出来た机と椅子だが、書類を見せて貰い、サインなどを書くにはちょうど良さそうだ。
担当の男性が来て挨拶してくれる。
「不動産を担当している、ガーウィンと申します。よろしくお願いします。さて、土地を買いたいとか、どのような土地を探されているのでしょうか」
正面の椅子に座り沢山のファイルらしき物を机に置き話し出した。私は、家は建て替えるから古くても良い事、土地は広めが良い事、お店を開きたい事、孤児院からなるべく近いところがいいと話した。ガーウィンさんはふんふん頷いて何枚かの書類を出して見せてくれた。土地は広いが建物が古く誰も住みたがらない物件をチョイスしてくれたようだ。実際に見てみたい事を言うと、案内してくれるそうだ。ガーウィンさんは、ファイルを片付けて、書類と建物の鍵を持ってきて「行きましょう」と案内してくれた。
紹介してくれる建物は全て家が古いが、立地条件が良さそうな土地だった。カルロス夫妻と話をして、市場と孤児院に近いが、土地が広く静かな住宅地を選んだ。庶民でお金持ちが住んでいる区画だ。建物は古いけれど、井戸が土地についていた。買取価格を聞くと、建物の値段+土地の代金+税金で、虹貨2枚とミスリル貨6枚の値段だった。今の私は金持ちだ、買えるが庶民の私は値段にびくついてしまう。だって、2億6千万だよ!もう少し安くなりませんか?と聞けば建物が古いし取り壊し予定なので、ミスリル貨3枚値引きしてくれた。声を掛けて良かったが、値引きも大胆だな。虹貨を3枚出して支払いしようとすると「役場に戻ってからにしましょう」と言われた。
役場に帰るとまた応接スペースのところに案内され、ガーウィンさんは必要書類を揃えに行った。
戻って来たガーウィンさんは、まずは購入代金支払いをというので私は虹貨3枚取り出して、ガーウィンさんがお釣りを返してくれた。土地の売買契約書に値段と自分の名前、ガーウィンさんの名前が書いてあることを確認してサインをする。後は、土地の権利書と家の鍵をくれた。今日はありがとうございました。とお互い挨拶して、孤児院に帰る。
モニカさんに、どんな家を建てるのか出来れば店の店員として雇って欲しいと言うので、私は考えていた事をモニカさんに話す。「モニカさん散髪屋をしてみませんか?」と。モニカさんはびっくりした顔をして、私なんかの技術じゃ、と後ろ向きな発言をするので、「モニカさんのカットの腕は私が保証します」と言うと、照れたようにありがとうと言い、散髪屋さんやってみようかな!と前向きになった様だ。帰ってからどんな家を建てるか一緒に考えましょうと言う。
孤児院に帰るとお昼にはまだ早かったようで、3人で食堂の椅子に座り、借金奴隷を2人買う予定だと話す。
そこで、コピー用紙を出して3人で家の間取りを考えて行く。ミーチェちゃんも1人で眠れる歳になって来たので、1人部屋を作る。1階はお店を2店舗作り、トイレと洗濯場にキッチン、リビングにお風呂を作る2階はカルロスさんと借金奴隷達の部屋を作り、3階は私のスペースにすることにした。私は1階の食事を食べる所に神棚を作りたい事と地下室が欲しいと言うと採用された。建物の材質はどうするか聞くと、土台は石造りにしてあとは木の温もりを感じる家にしたいと希望が出た。塗装は白がいいと私が言えば、モニカさんはステキと夢見る乙女の顔をした。お店と家は一体型にして裏で行き来出来るようにした。庭も残すようにした。
昼食を食べてから私は買った家に行く。古い家はアイテムボックスの中に入れた。地面が荒れていたので、土魔法で草を抜く。ガンジキで掃除をして生ゴミ処理機を履歴から購入し、雑草を放り込んだあとアイテムボックスに仕舞った。土地が真っ新になったので家を建てる予定の場所を、平らになる様に慣らして、地盤が揺るがない様に圧縮した。私も大分創造魔法を上手く使えるようになって来たので、このまま家を建てる事にする。集中して、紙を見て一つ一つ確認するようにイメージした。魔力は出しっぱなしである。この方がイメージした内容を留めておけるからだ。すべてイメージが出来たところで、地面に手をついて創造魔法を行使する。ばんと何も無かった所に大きな家が出来た。角地なので創造魔法で柵を作り設置した。
もちろん魔道具だ。防犯の為外から柵を掴んだら電流が流れるようにした。ちょっとバチっとするだけだが。一緒に作った鍵で店側から鍵を開けガラス扉に創造魔法で作った「準備中」の看板を散髪屋と私のお店に2枚付けた。看板はモニカさんが作りたいかも知れないので、後付け出来る使用だ。家具はカルロスさんやモニカさんの希望で選ぶ事にした。鍵を掛け、今日は孤児院に帰る事にした。




