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1/2)と書いてあるのは後で追加するパターンです。

(結局思ったより長くなってしまったので分割しました)

「初めまして、私の名前は鶴岡(つるおか)(みつる)っていうんだ。それでこの息子は(こう)という、ところで、君達のテーブルに息子を混ぜてもらっていいかな?いい席が見つからなくてね」


 って、よりにもよって一番最初に現れんのがドSの攻略対象とその親かよ!

 ああもう!このゲームの世界を恨みたくなってくる!


「初めまして、私は日陰です。混ざるかどうかは美春ちゃん次第ですわ」

「初めまして、私は小鳥遊美春と言いますの。こちらは私のお父様ですわ。席に混ざることに関して私は構いませんが、このテーブルには男の子はおりませんよ?あちらに鶴岡様を見つめている方たちがおりますので、そちらに行くことをオススメいたしますわ」

「ご紹介されました、美春の父、(しげる)と言います。娘と同じくあちらの席に行くことをオススメします」


 おおう!?いつの間に美春ちゃんのお父様が!?

 それに鶴岡って白鳥家より家柄は立派だよね!?

 すっげぇ!小鳥遊家すっげぇ!!!

 これは素晴らしい友達ゲットしちゃったんじゃないか!?


(私の可愛い娘に男などいらぬ!)


 …親バカかい!

 あ、突っ込んだらなんか大事なものが削れた気がする…。

 さっきの感動返せ!美春ちゃんよこせ!

 おっと、正気に戻れ私、まだ会話は終わってないぞ。


「あはは…、ではあちらに行かせてもらいますか…。でもせっかく自己紹介したんだ、会話などさせてくれないだろうか?」

「まぁ、私は構いませんが…、面白い事などありませんよ?」

「ああいや、ちょっと気になることがあってね、聞きたいことがあったんだよ、白鳥日陰(・・・・)ちゃん?」


 ちっ!やっぱりこいつは私の事をあらかじめ調べて来やがったな!

 ってか息子の洸は一言も話さないでこっちをジロジロ見やがって気持ち悪いな…。

 ああ、白鳥家だと分かって美春ちゃんと美春ちゃんのお父様が目を見張ってこっちを見てるよ…。

 こんな白鳥家で友達を失うなんてやだぁ!


「そうですか、私には話したいことなどありませんが、とりあえず洸様には下がって頂けますか?先程からジロジロと見られて不快ですわ。できれば二度と関わりたくないほどには」

「そうか、申し訳ない。洸、お前はあちらの席に行ってなさい。それと、女の子をジロジロ見るものではない。あとでしっかり注意させてもらうぞ」


 洸様は少しだけショックな顔をした後すぐに顔を切り替え私をすこし睨んでから言われた通りの席に向かう。

 …これは後で面倒になりそうだな、違うクラスとはいえ一応対策を練っておくか。


「…それで、お話とは?先に言っておきますがあの白鳥家とはなんの関係もありませんわよ」

「聞きたいのはそれなんだよ、君はちゃんと白鳥家と血の繋がった家族で…」

「申し訳ありませんが私は部屋に監禁されており一度も外に出た事がありませんし、一度だって家族だと思っていただいたことなどありませんわ。故に私には白鳥家とは別の白鳥ですの。あまり私に深入りしていますと本物の白鳥家という方々に睨まれますわよ?それと、そうやって自分の調べた情報を自慢するかのように開示するのは勝手ですが、一般的に知られていない情報を言うのは「貴方の近くに情報を渡すスパイがいますよ」って教えているようなものですわ。白鳥家を相手にするならば気を付けるべきですわね」

「…なかなかにお手厳しい御嬢さんのようだね。まぁいいや、私は失礼させてもらうよ。君は白鳥家とは関係のない他人だと分かっただけでも十分だ」


 そういうと私を睨みながら息子のいる場所へ去っていく。

 親子そろって二流だな。

 あんなのはどうでもいい、今は美春ちゃんだ。


「え、えと、白鳥様?この学校にいる時点で庶民というのは嘘なんだろうなって思ってたけど…まさか白鳥様だったなんて…。」

「ふぇぇ…美春ちゃん、その話し方はやめてぇ…」


 必殺、縋り付くだ!

 外聞だとか知ったことか!美春ちゃん以外今はどうでもいい!


「ちょっ!?日陰ちゃん!?」

「私はあの白鳥家とは関係ないよぉ…私は私だよぉ…あれと関係ない以上は庶民し、美春ちゃんはそんな私と仲良くしてくれるって思ってるの…」

「日陰ちゃん、無表情で涙流されると怖いよ!分かった分かったよ!日陰は私の友達だよ!お父さんも文句ないね!」

「ああ、日陰ちゃん、私の娘と仲良くしてくれるかな?できれば娘によって来る虫を追い払ってほしいのだが」

「お父さんっ!?」

「ええ、もちろんです!虫が来たら火炎放射器で燃やすつもりで仲良くさせていただきます!」

「日陰ちゃんも物騒だよ!?」

「ははっ、頼もしい子だな、これなら娘の学園生活に安心できる」

「もー!2人してからかわないでよ!」

「「え?本気のつもりだけど?」」

「…2人とも…もう仲良くなったんだね、なによりだよ…」


 親公認のお友達になりました!いぇい!


「そーいえばさ、言いたくないだろうけど白鳥家と何かあったの?」

「えっと、部屋に監禁されて外に出てないのと、食事はコンビニおにぎりとかの不味いものばかりだったのと、存在を使用人含めて拒絶されたくらいだよ?」


 一切嘘は言ってないですよー。

 周りに耳を澄ませてこちらの会話を聞いている令嬢さん達の親に聞こえるように、あんまり気にしてない風で話す。

 普通娘は可愛いものだからね、幸せになってもらいたいだろうから、家庭事情が気になったりするんだろうな。

 さっき鶴岡様が来て目立ったせいで注目を集めてしまったし、ちょうどいい。


「それって日陰ちゃん大丈夫なの?」

「大丈夫じゃないようにするためにしてるんだよ?まぁ私は見ての通りいろいろと壊れちゃったみたいだけどね」

「…」


 美春ちゃんが私を抱きしめてくれる。

 ああ、いい匂いだしあったかい…。

 でもなんだろう、この罪悪感は…。

 まさか前世で歯並びが悪かったから無表情で目が死んじゃってま~す!なんて言えないよなぁ…。


「え、と、美春ちゃん?」

「大丈夫だよ、何かあっても私は日陰ちゃんの味方だからね」

「あ、ありがとう」


 あ、なんか涙出てきた。

 日陰になってから涙もろくなったなぁ。

 そんな私を濡れるだろうに抱きしめてくれる美春ちゃんの優しさに感動…。

 実は歯なら(ry ………やめよう感動破壊。

 美春ちゃんのハグを満足するまで満喫してから周りを見るとちらちらとこっちを見てる人がいる。 

 イケメン共(攻略対象者)にほとんど目がいくからそこまで目立ってないのが救いだ。 

 あ、美春ちゃんのお父さんは優しげな眼でこっちを見てる…。

 なんかだんだんと恥ずかしくなってきた。


「えっと、ほんとうに大丈夫だよ美春ちゃん」

「うん!私がいるもんねー」

「ふふっ、そうだね」

「美春、私はこれからちょっと回らなきゃならないから失礼するよ。日陰ちゃん、美春をよろしくね」

「はい、わかりました!」


 美春ちゃんのお父様が離れていく。

 まだパーティーは始まったばかりだ。

 それに注目は私から外れていないから安心はできない。

 ふむ、これは一か八かで利用するとするか…。


「あ、美春ちゃん。白鳥家に陽向様がいるでしょう?」

「あ、うん、かっこいいよね。…あ」

「気にしなくていいよ、かっこいいのは事実だし。でもね、あれには、いや、あの家族には関わらない方がいいよ」

「日陰ちゃんの事があるし関わるつもりはないよ、むしろ今は敵だと思ってる」

「…敵対とかしないでよ?復讐だとかに興味はないからね?」

「むぅ…、美春ちゃんがそういうならそうするけど…」

「私が改めて言いたいのは、あの家族は気持ち悪いからあまり関わるなってことよ」

「ふむふむ、一応なんで?」

「私を見れば分かるだろうけど、あの家は陽向様を中心に動いているの、跡取りだからとっても可愛いのでしょうね。だから少しでも陽向様の機嫌を損ねれば私のように家族全体で自分で言うのもなんだけど、悲惨な目に合うわ」

「うわぁ…」

「それだけなら、まだいいのだけれど、陽向様は昔から溺愛されて育ったから何かがあればすぐに人のせいにするのよ。そしてその罪は身近にいるものに着せられる。そして、家族はその嘘があからさまでも信じて罪を着せられた人に嫌がらせをするの」

「それって、まさか…」

「そう、私もそうやって拒絶されたの、それを見た使用人は白鳥家を敵に回したくないから陽向様の言うことを従順に聞くから味方なんて一切いないわ。だからあそこに嫁ぐということは人格を崩壊させてしまうか、陽向様の従順な下僕のようになって一生を過ごすかの二択になってしまうわ。はっきり言って陽向様の両親は何があろうと陽向様の味方だから役に立たないよ」

「け、警察とかは?」

「無駄よ、それだけの権力が白鳥家にはあるもの。無駄に抗おうとすれば私みたいに監禁されてしまうでしょうね。そしたら…従順になるか人格が崩壊するまで陽向様のオモチャにでもなるのかもね?」

「…」

「あ、そうそう、残念ながら祖父母に関することは一切分からないから何かの役には立つ可能性があるかもね?連絡が取れるのならばの話だけれど」


 美春ちゃんが唖然として沈黙してしまう。

 周りの大人たちも会話を止めて考えに没頭している。

 たぶん今考えに没頭しているのはハーレムに参加している令嬢の親かな?

 そうじゃない人は白鳥家との関係を作るか避けるか考えているのだろう。

 そうだ、考えろ、疑え、その考えはきっと間違ってなんかいないよ。

 嫁げば幸せな未来が待っている可能性はとても薄いのだから…。


 話は大分オーバーな気がするけどまるっきり嘘ってわけじゃないからきっと大丈夫だと信じたい。

 この話が一人暮らしするまで白鳥家の人間に気付かれないことを今から願うか。


「美春ちゃん、お料理が出てきたよ、食べましょ?」

「あ、うん…その…私は日陰ちゃんの傍にいるからね?」


 美春ちゃんは頭がいいなぁ、小1なのに大体の事は察したみたいだね。

 大人たちも食事が始まる前に娘の救出に動き出している。

 何人かが一斉に娘を連れだすなんて普通は変に思うだろうがあのバカ共は気が付かないだろうな。

 陽向は私が何かをしたと察するのだろうが沢山の親がいる前じゃ下手な行動はしないだろう。

 学園生活で気付かないように動かれているかもしれない。

 陽向に対しての油断は命取りだ、見てはいけないが動きには目を離すな、常に冷静になって行動をしろ…。


 陽向は、何人かの令嬢がハーレムから外れた事に異変を察し、日陰を見て目を細める。


 ゆっくりとゲームの世界が壊れていく。

 この先にはいったい何があるのかは分からないけれど、決して幸せで生温いものではないんだろう…。


 神様、いるんだったら見ていろよ。

 私というイレギュラーが世界を歪ませたその先を…。


 こうしている間にもパーティーは進む。

 パーティーで食べた高級料理の味は少し苦い味がした。



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