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続きは改稿にて追加しますのでご注意ください。(追加しました)
申し訳ありませんがご了承ください。
ぐっもーにん!朝だよ!
今日は待ちに待った入学式です!
今日やるべきミッションは3つ、1つでもミスすれば学園生活が面倒になる。
ミッション1、今日は物語をぶち壊して一人暮らしをすること!可能なら家族という事実をなくしたいからその約束、いや契約をする!
ミッション2、攻略対象者に靡かない同性の友達を見つけること!出来ればそれなりに権力や脅しに耐えられる人!
ミッション3、攻略対象者の絡みを確実にかつ自然に回避する、また、無理矢理の友人認定されたならしっかりと潰すこと!
あとは陽向の行動には要注意しておかなければ何されるか分からない。
念のため小等部の間に少しずつでも白鳥家の評判を下げないといけないな。
今日から高校卒業までにゆっくりと沈めていくとしよう。
塵も積もればなんとやら、嫌味メイド含めて絶対に許さんからな!
さぁ、この扉を開けたら戦闘開始だ…。
「おはようございます、今日の朝食です。それと学校に向かう車は陽向様とは別に用意しておりますので間違いないようにしてください」
そういや朝ごはんがまだだったね…。
今日の朝ごはんは…食パン単体ですか…。
せめてジャムとか焼くとかして…もういいよ、考えるだけ無駄だね。
「あ、そうそう。 陽向様 の!お父様が庭にてお待ちです、今すぐに向かってくださいませ。」
「分かりました」
「それと陽向様の朝ごはんはトリュフ入りのスペシャルパスタです。とても美味しそうでしたよ」
…殴りてぇ…。
はぁ、こいつマジムカつくわ。
こっちの顔をニヤニヤしながら見やがって…悲しむか悔しがる反応が見たいのか?
残念ながら嫌味メイドなんかに見せる表情は持ち合わせておりません。
いちいち相手が私の反応を見て楽しもうとする時に、無表情でよかったと心の底から思うよ…。
嫌味メイドが視界から失せたのを確認した後に庭にいるというお父様(仮)に会いにいく。
結局、朝ごはんは食べれないのか…。
「遅いぞ!いつまで待たせるつもりだ!」
庭について早々に暴言かよ。
「申し訳ありません。あの、私に用があると聞きましたが?」
「そうだ!貴様に素晴らしいプレゼントを用意している。感謝するがいい!」
お?もしやあれか?あれなのか?
…とりあえずニヤニヤすんな、無駄に若いからロリコンの変態に見られてるみたいな気分になって寒気がするわ。
「はい、なんでしょうか?」
「これだ、お前は明日から一人暮らしをするように!分かったな!?」
そう言いながら、あらかじめ用意していたのだろう2枚の書類を取り出して私に押し付ける。
【マンションの管理者交替手続き】
マンションで一人暮らしキター!
思ったより早いけどまあいい。
それにしても都会のタワーマンションだとか予想外だ、良い方の予想外だからいいけど。
やっぱ金持ちの価値観にはついていけないわ、金持ちって感じた事この瞬間までなかったけどね。
転生初日から不味い飯だったし…。
っと、後はダメ元であれも聞かなきゃ、この馬鹿1人というチャンスはしっかり利用しなきゃ次は何時になるか分からないからな…。
「はい、素晴らしいプレゼントありがとうございます。申し訳ありませんがひとつ、わがままを言ってもよろしいですか?聞いても決して不愉快には致しません」
「一応聞いておく、なんだ?」
「はい、お互いに弁護士の下に離縁したいと思っております。これが白鳥日陰としての最後のわがままにしたいと思っております」
「んなっ!?」
「昨日、沢山の法律等の本を読みました。そして、20になるまで離縁には養子縁組しない限り不可能だと分かりました。なので弁護士の下20で離縁をするという契約書を作成したいのです」
「…まあいいだろう、だが、契約するからには確実に内容を守って貰うからな?」
「はい、ありがとうございます。そして、この話は契約するまで内密にお願いします」
「ふんっ!分かっている!入学式とパーティーが終わったら運転手に呼びにいかせる、その後は俺と弁護士事務所に向かって契約だ。契約が終わったら貴様はマンションに帰れ、貴様の部屋にあるものは全て契約の間にマンションに送らせる。間違っても俺の家に勝手に来るんじゃないぞ!分かったな!」
二度と監獄の中になんか行くかよくそったれ!!!
とりあえずミッション1クリア!
こいつ、社長とは思えない信じらんないレベルの馬鹿だな…。
同じ学校に通う私達の扱いに雲泥の差がある事を、白鳥家がどれほどの影響力があるのかを、一切理解出来ていない。
社長にしては働く時間が異常なまでに短い事に違和感があったが、やはりこいつは社長に就任したばかりで風評被害というものが会社に打撃を与える事を分からない辺り白鳥家はいずれ落ちぶれる。
今は前社長が指揮をとっているんだろう。
だから子供を優先してしまっている。
おかげさまで離縁出来そうだ。
普通は政略結婚だとかに使うだろうにそんな事も分からない馬鹿で助かった。
ゲームでも日陰には婚約者はいなかったが単に親が馬鹿だから政略結婚の意味と価値が分からなかったのだろうな。
とんでもない無能だな。
陽向が学園で優秀だから家族も優秀だと思っていたが、そうでもなかったんだな。
ふふ、幸先は上々だな。
「では私は学園に行きますので失礼します」
「貴様はメイドが用意したレンタカーだ、俺達の車に乗るんじゃないぞ、いいな」
「はい」
学園まで別々か。
クソ家族の顔も見たくないから拒絶は私にとってありがたいね。
部屋に戻って制服に着替える。
やはり金持ち御用達の名門ってとこか?
肌触りが素晴らしく出来ていて、有名なデザイナーが考えたんだろうとても可愛らしいデザインだ。
実際はゲーム会社のオタクだろう人が自分の妄想で女の子に着せたいデザインなんだけどね。
制服よし!髪よし!忘れ物なし!
クソ家族の出発を確認してから玄関を…いや、家という名の監獄から出てさようなら!
入学式、なにがなんでも残りのミッションクリアして楽しんでやる!
気合いを入れ直した私は外に出てリムジンの近くにあるレンタカーに向かう。
って…うわぁ…。
学園までの送り迎えはよりにもよって嫌味メイドかよ…。
き、気合いだー!
こいつとも今日でおさらばだ!
うん、そう考えると楽になる。
じゃ、改めて、学園へレッツゴー!
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はい、学園の駐車場に着きました!
車の中での話はどうでもいいよね?
嫌味メイドが「なんでお前なんかを送らなきゃいけねぇんだよ」とか「じゃんけんの罰ゲームとはいえ嫌だわぁ」とか無視してるのに一方的に言われ続けていただけですよ?
あ、やばい、だんだんと真っ黒な何かが奥底から出てきそう…。
ああ、学園の駐車場に着いたところだったね。
感想を言わせてもらうとさ、お金持ち御用達ってのは分かってたよ?
でもさ、この東京ドームくらいありそうな駐車場、それを埋め尽くすかのようにリムジンやらフェラーリやらがそこらかしこにあるとさ、なんかこう…高級車のありがたみが薄れるというか…。
可愛いものも多すぎると怖くなっちゃうみたいな?
車から降りた私は嫌味メイドを無視して駐車場から校門まで歩いていく。
大きめの舌打ちが聞こえた気がするけど気のせいだろう。
駐車場から1分ほど歩くと校門が見えてくる。
車の中で削られた気合を入れ直し、校門をくぐると、ところどころに人だかりが出来ている。
…いくつかの人だかりの中心に攻略対象者がいるのは気のせいだと思いたい。
深呼吸をして辺りを見渡すと、右隣で新入生に先輩たちが一人一人に名札を配っている。
ついでにこれから通うクラスも教えてもらえるのね。
ではさっそく名札を貰うとしますか。
「あの…」
「あ、はい!お名前をどうぞ!」
「白鳥日陰です」
「白鳥日陰様ですねー…。っとあったあった、って白鳥様っ!?」
名前を聞いた先輩が目を見張ってこちらを見る。
ああ、そうか、私一応立派な家柄のご令嬢ですもんね。
元が庶民なのと扱いの悲惨さですっかり忘れてた…。
けどもうその家は私には関係ないんだよね…。
「ええ、そうですが…私は庶民です。あの白鳥家とは全く関係がございませんのでそんなに驚かないでください。」
「えっ?で、ですが白鳥は…」
「もう一度言いますが、私は庶民でありあの白鳥家とは無関係です。それをあの白鳥家に言うと、不快だと言ってあなたのお家が大変なことにされますよ?」
「ひぃっ!わ、わかりました!っと、これ名札です!えと、ご入学おめでとうございます!」
「すいませんが、クラスは?」
「はい!1-Aです!」
ふぅ、なんとか名札を貰えました。
けどあんまり騒いでほしくなかったなぁ…。
ほら注目集めちゃってるよ…。
全く、君達どんだけ耳が良いんだよもう…。
………人だかりの中心さんがこっちをガン見している気がするのは気のせいだと願いたい。
おいばか!ゆっくりこっちに来るな!!!
「やぁ初めま…」
「あの、すいませんが近づかないで貰えます?」
「あっはは…お手厳しいな…僕は鷺沢秀介って言うんだ。よろしくね?」
だから近づくなって言ってんだろ!小学生からチャラいのかこいつは!?
はぁ…、チャラ男は質が悪いからな、関わる可能性を可能な限り排除しておくか。
周りには人がいないとはいえ出来るだけ小声で、しかしはっきりと。
「…だから近づかないで下さいよ…。鷺沢様は御令嬢様達とずっとベタベタといちゃついておりましたので、大量の香水が混ざった悪臭が漂ってきてますよ?はっきり言いますと、吐き気がします」
「そ、そんなにきついかな…?」
おお、イケメンスマイルが引き攣ったぞ!ざまあ!
ちなみに少しとはいえ悪臭がするのはほんとだよ。
「ええ、たぶんお金持ちの方々には大丈夫なのかもしれませんが、私は庶民ですので割と鼻がいいのです。なのでこれから入学式だというのにそんな悪臭を私から漂わせたくないのです。ですから私はこれで失礼させていただきますね?」
「わ、わかったよ…ごめんね?」
よっしゃ!回避成功だな!
でも念のために学校でも近づけないようにするか…。
取り巻きが私を白鳥家の人間だと勘違い(間違ってないけど、私自身にはなんにもないからね)してくれたおかげで私と鷺沢の周りに取り巻きがいない、こっちを眺めているだけだ。
こんなチャンスはチャラ男だし二度とないかもしれないしね。
取り巻きがいたらこんなざっくりと言えないよ…。
「あ、そうそう。私を白鳥家の人間だと勘違いしているみたいですが違いますよ。それと学校でも一切関わらないでくださいね?会うたびに消臭スプレーをかけなければ耐えられそうにないので…(これからは消臭スプレー持ち歩かないとな)」
「ちっ!んだよ紛らわしい!二度と関わるかよ!ばーか!」
あーちょっとやりすぎたかな?
まぁ学園生活はいじめと攻略対象に関わるようなことさえなきゃそれでいいって感じだし、まあいいか。
ちなみにちゃんと消臭スプレーは持ち歩く予定です。
わざと耳を澄ませてギリギリ聞こえる程度の小声で嫌味を付け足したからね。
小声で聞かれていないだろうけど、攻略対象者に喧嘩を売ったのは怖いから急ぎ足で玄関まで向かう。
あいつが私の嫌味を言わないことを信じよう。
前世のチャラ男は女の嫌味を言わないって理由付きで言ってたし大丈夫だよね?
理由はたしか…「女の嫌味を女に言うと信用を失う可能性に繋がるんだ、仲良くしていても、私も裏で他の女に嫌味を言われてるかも…って不信感持たれたら避けられちゃうからね」だっけ?
それを私に言ったってことは女として見られてないか興味がなかったとかなんだろうな、ムカつく。
若干イライラしながら玄関で靴を履き替えて1ーAの教室に向かう。
矢印の書かれた紙の指示通りに進むと1-Aの教室を見つける。
この戸を開けて教室に入れば学園生活のスタートだ。
入口で止まっていると誰かに話しかけられたり邪魔になるだろうから思考を止めて戸を開き中に入る。
ふむ、40人クラスで入っているのは半分程度か。
黒板を見ると席は自由と書かれていたので明るそうな女の子が隣になる壁際の真ん中辺りに座る。
窓際は日が眩しいし日焼けするし、窓開けられたらノートや教科書が開いてイライラするし寒いし、とにかく私の中で窓際にいいイメージがない。
隣に人がいる場所を選んだのは後で面倒な人が来るのを避けたいからだ。
隣の子は貴族感は薄いけど可愛い、というよりこの学校に通うほとんどの子は美男美女だらけだ。
金持ちは美男美女が寄ってくるから一番いいのを選べるからね、羨ましすぎるよ…。
お、隣の人がちらちらこっちを見ているな、嫌な顔されなくてよかったぁ…。
これから仲良くできるかもしれないし、しっかり挨拶しなくちゃね!
「初めまして、私は日陰って言います。庶民だけど、これからよろしくね?」
「う、うん!私は小鳥遊美春って言うんだ!家はオモチャを作ってる会社を経営しているんだ!庶民だとか関係ないよ!御令嬢らしくないけど、これからよろしくね!」
よっしゃ!面倒そうな子じゃない!むしろいい子だ!ぜひお友達に!!!
唯一の懸念は攻略対象者に靡く可能性だけど、こればっかりはさすがに調べようがないんだよなぁ…。
「うん!あの、それで…、私、友達がいないの…友達になってくれる?」
「いいよ!これからよろしくね!日陰ちゃん!私も名前で呼んでいいよ!」
「ありがとう!よろしくね!美春ちゃん!」
「いやー、仲良くできてよかったよ。ぶっちゃけさ、最初は…というか今もなんだけど無表情だからもしかしたら仲良くできないかもなぁって思っちゃったよ」
「…目が死んでるし無表情でも話しますし感情豊かですから」
「ご、ごめん…」
「いいですよ、美春ちゃんとは友達になったんだし、これから分かってもらうから」
「えへへ、りょーかいだよー」
これは一生ものの友達になれそうな予感。
私、美春ちゃんのためなら何でもできる気がする。
小1とは思えないコミュ力と優しさに私は感動したよ…。
あ、いけない…涙が止まらない…。
「おっと、日陰ちゃん、そろそろ入学式だよ、一緒に体育館にいこっか!」
「うっ…ぐすっ…、うん、行こう」
「な、なんで泣いてるの!?」
「初めての友達と…美春ちゃんの優しさに感動しちゃって…」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟なんかじゃないよ」
「と、とりあえず泣き止んでさ、入学式いかなきゃ、ね?」
「うん、ごめんね、すぐ泣きやむから」
ハンカチで涙を拭いて気を引き締める。
日陰になって初めての優しさに涙腺が緩んじゃったよ。
クラスの人はあまり気付いてないみたいでよかった。
これ見られたら面倒なことになってたよ。
日陰の記憶を探っても、最近のや大事な事は意識すれば思い出せるけど、それ以外は霧がかかったように思い出せないんだよね。
無理に思い出そうとすると頭が痛くなるし、記憶探って思い出すのは前世の私の記憶がほとんどだ。
それに、寝て起きるたびに日陰の記憶は薄くなっていく。
怖いような気がするけど、あっても役に立つような記憶はほとんどないだろうし、嫌な記憶ばかりだから別にいいけどね。
でもまだ今日は終わってない。
ひとつのミスがこれからの学園生活の命取りになるかもしれないんだ。
美春ちゃんと仲良くするためにも、可能な限り注意しないと。
「これでよしっ!美春ちゃん!一緒に行こう!」
「全くもう、びっくりさせないでよー」
美春ちゃんと手を繋いで体育館へ向かう。
なんか乙女ゲームだとかどーでもよくなってきた。
これからの学園生活、楽しみだなぁ…。




