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天才令嬢アリス様が征く異世界パーフェクト攻略記  作者: 三色ライト
3章 白百合騎士団編

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65話 一方その頃なのじゃ

 妾はニコラ。この世界の首都、【クイーン】が陥落して、事実上新たな首都になったと言っても過言ではない【イリス】という街の領主をしているのじゃ。


 しかしつい先日現れた麗しい金髪の女性に妾は敗北し、この領地は事実上その女性の物となった。これからその女性を師事し、鍛えてもらいながら一緒に【イリス】の運営を……と思っておったというのに……


「なぁ〜んでこうなるのじゃ……」


「ユリアン、もっと早く!」


「『忍法:爆裂手裏剣』」


 ここは【イリス】領主塔の地下にある秘密の闘技場。そして目の前におるのはロマンとユリアン。師匠から鍛えてくれと言われた2人じゃ。赤いウェーブ髪の方がロマンで、青いポニーテールの方がユリアンなのじゃ。


「妾は妾の修行がしたかったというのに……ほれそこ、腕の振りが遅いわ。視線はもっと上げよ、腕だけに集中するでない」


 ユリアンが手裏剣を投げる前に指示を出す。本当に妾がこんなことをして成長に繋がるのじゃろうか。


「ニコラさん、こうでいいのですか?」


 ユリアンが矯正した投げ方を見せてくる。


「うむ。それで良い。が、妾のことは師匠と呼ぶように!」


「は、はいなのです……師匠」


 うむ。教える側は常に師であるからな。

 ユリアンとロマンは年齢のわりにはかなり強い方じゃな。同い年のころの妾よりは強いことは明白じゃ。じゃが……何か1つ壁を感じる。レベル15付近で訪れる壁じゃな。師匠は恐らくそこを乗り越えさせてくれということだったのじゃろうが……可能なのじゃろうか。


「ほれロマン。腕が止まっておるぞ。剣を振るのじゃ」


「は、はい!」


 ……逃げ出せばこやつらのせいにして妾の修行ができると思ってかなりキツい修行を組んだのじゃが……こやつら逃げんのぉ。流石師匠が連れていた者たちなだけはある。


「よし、休憩じゃ」


「「はい!」」


 見所はそこだけじゃなく……


「ロマン、お水なのです」


「ありがとうユリアン」


 この姉妹……尊い波動を感じるぞ。妾は隠しておるがこういう爽やかな女の子たちの関係が大好物なのじゃ。ユリアンの方は気にしていなさそうじゃが確実にロマンの方はユリアンを意識しておるのぉ。あの水も間接キスを狙っておるのじゃろ? 妾にはわかるぞ。


「ニコラさ……師匠、あと何分休憩していいですか?」


「んー? もう昼だし、40分くらいは良いぞ」


「じゃあロマン、ご飯を食べに行くのです!」


「あっ、ゆ、ユリアン!」


 ユリアンがロマンの手を取って行ってしまった。ロマンのやつめ。髪色くらい頬を真っ赤に染めおって。


 さてと、妾も昼食とするとするかの。【イリス】の街には色々な街の料理が楽しめる屋台があるから飽きぬわ。今日は何を食ってやろうか。


 領主塔を出るとすぐに【イリス】の街の熱気に包まれる。そうそう、これが【イリス】じゃな。


 今日は……好物のチキンでも食べるとするか、と思いチキン屋へ行くとユリアンも買っておった。


「なんじゃ、ユリアンもチキンか」


「師匠もお肉派なのです?」


「まぁ……どちらかと言えばの」


 何と比べて肉派なのかはわからぬが。


「ロマンが野菜を食べろと口うるさく言うのです!」


「……バランス良く食べい」


 食の好みは髪色のようにくっきり分かれとるのか。面白い双子じゃの。


「さて、食べ終わったら修行じゃぞ。いいな?」


「はいなのです!」


 元気じゃのぉ……妾もこんな時代があったのじゃろうか。はるか記憶よ。


 闘技場へ戻り修行を再開。午後は妾vsユリアン・ロマンの実戦形式になる。


「『忍法:分裂手裏剣』」


「『忍法:一突き』」


 ユリアンもロマンも直線的な戦いじゃの。この程度なら……


「『サイクロン』」


「なっ!」


「きゃ!?」


 ほれ、竜巻でどうとでも返せるわ。


「お主らには経験が足りぬ。しかし師匠について行く以上そんな言い訳は通用せぬじゃろう? ならば習え! 妾は曲がりくねった戦法も得意じゃ。吸収せよ」


「「はい!!!」」


 性格と素直さは願わくばそのままであって欲しいの。と思いつつ、再度ユリアンの手裏剣もロマンの真っ直ぐな短剣の突きもはじき返す。いっちょあがりじゃな。


「ほれ、立てるか?」


「立つのです!」


「立ちます!」


 ……良い目をしておるの。よし、ならばもう少し揉んでやるか!


「その意気じゃ! 今日は倒れるまでやるぞ! 『サイクロン!』」


「ぐぬ……!」


「うっ……!」


 さぁて、2人はこの風、どう攻略する?


「そうか! こっちも風で……! 『忍法:爆裂手裏剣』」


 ほう! そうきたか!

 ユリアンは手裏剣を地面に投げ、爆発させる。その爆風でもちろん『サイクロン』の風は弱まった。


「ここが道なのです! ロマン!」


「うん! 『忍法:辻斬り』」


 爆風でできた『サイクロン』の「穴」に向かってロマンが駆け出す。短剣を構え、妾の直前で停止させた。


「……うむ。良くやった! これが直線的でない戦い方よ」


 素直に褒めるとぱあっと笑顔になったユリアンとロマン。うむ、可愛いではないか。


「やったのです! ロマン!」


「やったね、ユリアンのおかげだよ!」


 お互いに功を譲り合う2人。余計な世話かも知れぬが、一応口を挟んでおくかの。


「お主ら2人の功じゃ。ユリアンの発想と行動力、ロマンのユリアンを信じて突っ込む大胆さ。両方が無いと生まれぬ賛辞だったでな」


「「はい! ありがとうございます!」」


「よし、今日はこれにて終了! 明日からはクエストにでもいって完全実戦とするぞ!」


「「はい!!!」」


「風呂にでも行くか。【イリス】の温泉街は世界一であるでな♪」


「「やったー!」」


 ……大変な任務じゃ。人を育てよというのも。しかしまぁ……これも悪く無いのかも知れぬな。もしかしたらこの2人、師匠がお帰りになられる4ヶ月後には化けておるかも知れぬ。さぁ……どうなるか、楽しませてくれよ? ユリアン、ロマン。

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