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天才令嬢アリス様が征く異世界パーフェクト攻略記  作者: 三色ライト
最終章 決戦編

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108話 vs魔王ですわよ②

「アリス様の横にいたいという気持ち。それを否定するつもりはありませんよ」


「……その場所は日本では、地球ではないということね?」


 柚子の答えに対し、さらに質問を重ねる。


「はい。ここ異世界で誰も敵のいない中、アリス様のお側にいます。それがアリス様にとっても、私にとっても幸せなんです」


 何度も確かめ合ったこと。でも、何度も信じたくないと思ったこと。柚子は何があっても、どんなところでも横にいてくれると思っていた。その考えを改める必要があるわね。


「柚子、賭けましょう。貴女が勝ったらわたくしを、わたくしが勝ったら貴女を自由にできる。どうかしら?」


「いいですよ。アリス様は私とこの世界に残る。それは……もう決定事項ですけどね」


 わたくしを相手に、絶対的な勝利を確信している柚子。手足を切り落としてでもわたくしをこの世界に留めておきたい願望がそのまま力になっているようね。

 冷静を装っているけれどもちろんわたくしは内心焦っている。柚子の……言ってしまえば裏切り行為はわたくしの心をひどく削ってくるものだった。


「さぁ……行こうか、夢を叶えるために。[アマノムラクモ]」


 柚子の刀の輝きが増す。主人の意思に応えるように紫と橙のオーラが刀から溢れ出した。

 剣術で柚子には勝てないとはいえ……漆黒の大剣を失ったのは痛かったわね。柚子に近づかれたらそれで大ピンチを迎えてしまうのは厄介だわ。


「はあっ!」


 速い……! やはりレベル100になった柚子はとんでもないわね。


「『飛翔』」


 少し分が悪いと判断して空へ逃げる。勝つだけなら上空から魔法の連撃でいいわよね。なら……


「『ライトニング』『ライトニング』『ライトニング』」


 空から地上の柚子に向けて雷を落としまくる。爆発的な雷のせいで地上の様子は見えないけれど、この程度で倒れる柚子ではないでしょう。


「やあっ!」


「なっ!?」


 煙の中から柚子が向かってきた。そう、空であるはずのこっちに向かってきたのだ。


「くっ!」


 柚子は当然のように空で立ち止まり振り返ってわたくしと目を合わせた。


「……飛べるのなら協力して欲しかったものね」


「ごめんなさいアリス様。飛べることも忘却させられていたので」


「『神刀:陽光斬』」


 橙色のオーラを纏わせた刀を振り、斬撃を飛ばしてきた。これをどうにかするのは難しそうね。でもそれをどうにかするのが天才たるわたくしの使命なのよ!

 イメージするのは『絢爛の炎』。わたくし最強の魔法を柚子に浴びせるわけにはいかない。そんなことをしたら柚子が死んでしまうもの。斬撃に対応するくらいならこれでいいわね。


「『絢爛の炎:斬』」


 わたくしの魔力を炎に変え、形を整える。この間わずか1秒。そういえばわたくし、天才でしたわね。


 わたくしの『絢爛の炎』が剣となる。この魔法はあまりに威力が高いがゆえ、今にも暴れそうではあるけれどなんとか剣の形で留めることに成功した。


「やあぁぁっ!」


『絢爛の炎』で作った剣を振る。柚子の斬撃に対し思いっきりぶつけた。

 ぶつかり合った斬撃は空気を大きく歪ませるほどの衝撃波を生み出していく。この衝撃なら大陸まで届いているかもしれないわね。


「……流石ですね、アリス様」


「そうでしょう? ならわたくしに従って一緒に日本へ帰るわよ」


「そういうわけにはいきません」


「……」


 なかなか上手くいかないわね。こうなったら情に訴えるしかないかしら?


「そういえばユリアンやロマンにラファエルさん、エデンさんやルカさんはどうなったかしらね」


「アリス様……私の記憶が戻るもう1つの条件は魔王軍幹部全員の討伐です。つまり……」


 エデンさんやルカさんはとりあえず勝ったことは確定。ということね。一応安心だわ。


「みんなと紡いだ思い出を、歩いてきた奇跡を、貴女は捨ててしまうのかしら?」


「はい。ユリアンちゃんやロマンちゃんの記憶を消すのは後ろめたいですけど……アリス様のためなら安いことです」


「ふぅん……」


 どうやら今のも本音のようね。


「雑談はこのくらいでいいでしょう。『神刀:陽光連斬』」


 斬撃の数を増やしてきた……! シンプルだけど1番いまのわたくしにとっては痛いですわね。


「燃やし尽くしなさい! 『絢爛の炎:斬』」


 最大出力の炎で斬撃を消し去ろうとする。でも柚子もフルパワーで撃った斬撃に、わたくしの剣では及びそうになかった。


「くっ……なら! 『風雷坊:斬』」


 余った左手に雷と風を混ぜた剣を出現させる。とっさの判断にしてはよくできたものじゃない。


「はぁぁぁ!!」


 右手に『絢爛の炎:斬』を、左手に『風雷坊:斬』を構える双剣持ち。このスタイルでなら柚子を追い詰めることだってできるかもしれないわね。


「やっぱり簡単にはいきませんか……」


「それはこちらのセリフよ、柚子」


 なんとか柚子の気を引いて反撃に出るしかない。柚子の気をひく方法を必死に探すけれど……見つからないわね。いや……あるわ! 1つだけだけどある! わたくしの勝てる未来が。

 余計なプライドは捨てなければならないけれど……今はそんなこと言ってられる状況じゃないわね。何が何でも勝つわよ、柚子!

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