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終章−2 サナの記憶
あの孤児院で倒れた夜――、七歳のサナに大量の毒に関する知識と技術が流れ込んだ夜。
もうあれは、十五年も前の夜。
サナはシャラにガラス瓶を渡し、家へ帰る。
そう、帰る。
サナは、帰る場所があることに幸せを感じている。
シャラが残していった腕と耳。サナが薬を作るのに、十分過ぎるほどのサンプル。
徹夜を繰り返し、完成させたあの薬。
シャラの腐食を止めることは出来るだろう。
既に失った身体を再生させることは出来ないだろう。
後は勝手にすればいい。
もう、貸しもなければ借りもない。
これでいいでしょ? ロードン?
サナは微笑んだ。




