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333『四阿にて』

 アンナリーナもスタンピートをけしかけた事があったが、侵略しようとは思わなかったし、その後国の成り立ちは変わったが、祖国は今も健在だ。


「これほどの規模のスタンピート、人の手で起こされたものではないと思うの。

 でも、何らかの事象であそこのダンジョンがスタンピートを起こす事を予測して、準備していたとしか思えないのよ」


 浮島の上に浮かんだ、本当に小さな浮島に作られた四阿で、茶を飲みながらテオドールと話しているアンナリーナはインベントリから地図を取り出した。


「で、どの国が侵略してきているの?」


「ここだな」


 テオドールが指し示したのは、小国群の北、海を挟んだ半島の国家だ。

 寒さの厳しい北の国家だが、あまり聞かない名だ。


「アルキユルツカ……って読むのかな?」


「そうだな。俺も行ったことはない。

 聞くところによると北の、今は滅んだ海洋民族の流れを汲む種族らしい。

 そいつらは滅多に国から出てこなくて、見かける事自体珍しいのだが……いったいどうしたんだろう」


「一度見に行ってみようか。

 彼らがこの先、どうしようとしているのか知りたい」


「知ってどうするんだ?

 手助けするつもりか? それとも滅ぼすのか?」


「今はそこまで考えてないよ。

 どうする? 一緒に来る?」


「もちろんだ。

 おまえをひとりにしたら、何をしでかすかわかったもんじゃない」


「ひとりじゃないよ。

 セトやネロも一緒に行くつもり」


「あいつらはおまえのすることに否は言わんだろうが」


 アンナリーナはクスクスと笑う。

 カップのお茶を飲み干して立ち上がった。


「じゃあ、早速行って見ましょうか」




 アンナリーナが、スタンピートの魔獣を浮島に転移させているにもかかわらず、その列は未だに大蛇のような様相を変えていなかった。


「一体どれだけの魔獣が湧いて出てるんだ」


 セトの背に乗っているテオドールが、茫然自失といった様子で呟いた。


「それも、まだオークやオーガが湧いているの?

 あっ!所々にジャイアントトロールやサイクロプスが混じってる!」


 身長が3メートル近くあるオークやそれを越えるオーガよりもさらに大きな魔獣が、行軍に混じっているゴブリンを踏み潰し、食らっている。


「うわぁ、あんなの攻城兵器みたいなものじゃん。

 いつの間に出ていたんだろう。

 イジ、浮島に転移してきている?」


「いえ、でもゴブリンは確認されてます」


「そろそろ他の浮島にも転移門を開いて、そっちにも魔獣たちを移したいな。それと! サイクロプスとジャイアントトロールは是非欲しい!」


 テオドールたちはやれやれと笑った。


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